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【からだを学ぶ】お尻が痛い!サドル/ポジション/レーパンなど原因と解決方法を紹介
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- 【志木店【閉店しました】】タカハシ 23年03月26日
痛みシリーズ:「手が痛い」「膝が痛い」「腰が痛い」「足が痛い」「首肩が痛い」クリックで記事に飛びます。
スポーツサイクルに乗るとお尻が痛くなる。。。。
どうすれば良いのでしょうか?
「慣れ」もあります。自分は骨折し1年まともに乗れない状態の後、数週間は30分のライドでもお尻が痛くなりました。
それまでと全く同じサドル・ポジション・レーパンなのに。。。
では「慣れ」だけでしょうか?
必ず原因と対処法があるはずです!
そこで今回はお尻の痛みについてです。
1.骨盤周りの基礎知識/痛みの部位
骨格/構造(男女)
↑図は上から見た骨盤です。子供を産むので男女で骨盤の形が変わります。
・坐骨結節(ピンク)
座った時に出っ張るところです。サドルとの接点にもなります。
しかもこの周辺に、お尻の筋肉と太もも裏の大きな筋肉が付着しています。
・恥骨弓(赤)
左右の恥骨の下部で、サドル(前~中部)との接点になります。
男性は狭く(左右の角度が狭い)、女性は広くなっています。
・尿道部/会陰部
恥骨結合から恥骨弓の下には、軟部組織の尿道や会陰部があります。
骨ではないので圧力に非常に弱く、擦れも起こりやすい部位です。
・股擦れ
内腿が擦れることで股擦れが起こり痛みの原因になります。
これらが痛みの出やすい部位です。
2.サドルについて
形状
フィジークがわかりやすいので、フィジークで説明します。参照カワシマサイクルサプライより
・フラット:座面が比較的平坦なモデルです。後ろから見た画像で一番ANTARESがフラットで次がARIONEとわかります。
特徴は座面が平らなので坐骨でしっかり支えることが出来ます。
坐骨への圧が強いので傷みが出やすいとも言えますが、他への圧(会陰/尿道部)が低くなるとも言えます。
・ラウンド:座面が丸い形状のモデルです。ALIANTEがほぼ球状になっています。
特徴は丸い形状と恥骨弓や坐骨との接点が多く、体重が分散されることです。
ただし丸い形状のため会陰/尿道部の圧迫も強くなります。
・穴あきタイプ:同形状で真ん中に穴が空いているモデルもあります。
特徴は、尿道部や会陰部がサドルと接することが無い、もしくは接点が減っているので痛みが出にくいです。
体への接点も減るので、体重を支えるところが少なくなるのがデメリットといえます。
・溝タイプ:同様に穴ではなく、溝があるモデルもあります。穴あきと同様の考え方です。
・幅:恥骨弓や坐骨間、腿の太さなどで幅が変わります。(フィジークではレギュラーとラージがあります。画像の一番上)
「坐骨面の幅」と「ノーズ(サドル中間~先端部)の幅」があるので注意して選ぶ必要があります。
ノーズ幅が広いと股擦れの原因となることがあり、座面が広いと坐骨部や坐骨に付く筋肉が傷むことがあります。
・その他の形状:SMPなどメーカーの考え方により様々な形状があります。
サドル後部が沿っているものも多く出ています(骨盤を前に倒せない方が倒しやすくするため=前傾をとりやすくするため)。
*ミズタニ自転車HPより
3.レーサーパンツ/インナーパンツについて
お尻が痛いと相談を受けたらまずは「レーサーパンツかインナーパンツを履きましょう」と自分は伝えています。
普通のズボン&パンツのデメリット
通常のパンツは真ん中に縫い目があり、生地が固く厚くなっている痛みにつながることが多いです。これにより会陰/尿道部に痛みが出ることがあります。
生地の厚さや通気性の問題で股擦れが起きやすくなります。
パッド付きインナーパンツ メリットデメリット
通常のズボンの中に、パンツ代わりに直履きします。
縫い目が無いので真ん中が干渉せず、パッドが入っているのでクッション性も増します。
通気性の良い構造のため、股擦れがしにくくなっています。
股擦れがしにくいとはいえレーサーパンツよりは機能が劣ります。
アウターパンツの影響も受けてしまうのがデメリットです。
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レーサーパンツ(レーパン)メリット デメリット
アウターパンツとして履きますが、中にパンツは履かずに直履きするのが基本です。
レーサーパンツのみなので、足が動かしやすく、空気抵抗も少なく、パッドによるクッションも得ることが出来ます。
アウターとして履くので見た目を気にする方もいます。
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4.ポジション/フォームによる影響
サドルの高さ/角度/座る位置
低い:サドルに体重が多くかかるので、お尻が痛くなりやすいです。
高い:高すぎると骨盤が左右に過度に動いたりすることでお尻が傷むことがあります。左右に動くことで会陰部が擦れて痛みが出ることもあります。
角度前上がり:会陰/尿道部や恥骨結合付近が痛くなりやすいです。
角度前下がり:坐骨結節への圧が多少高まりますが、会陰/尿道部の圧が減るので意図的に下げるのは有りです。
骨盤自体を前倒しにくい方も前下がりは有効ですが、お尻が前にずれやすいのでポジションが定まりにくくなる(お尻が安定しない)デメリットもあります。
人によっては前にいかないように腕に力を入れて押し戻す人もいます。こうなるとポジションやフォームにも影響を与えてしまいます(肩がこったり腕が疲れたりすることもあります)。
サドルの後ろに座る:股擦れが起こりやすくなります。サドル幅が後ろに行くごとに広くなるので注意して下さい。(坐骨的に後ろが快適でも幅が合わないなら、どっちも解消する形状のサドルを試して下さい)
サドルの前に座る:前の方が細いので、お尻の中央から前方の圧が高まり会陰/尿道部に痛みが出やすくなります。
骨盤の前傾/後傾
サドル上で骨盤前傾:恥骨弓・恥骨結合・会陰/尿道部への圧が高まり、痛みが出ることがあります。
サドル上で骨盤後傾:坐骨結節への圧が高まり、痛みが出ることがあります。
*骨盤の前傾後傾はペダリング/フォームにかかわるところなのでまた別の機会にブログアップします。
ペダリング回転数
回転数が低いとサドルへの圧がかかるので、回転数をある程度上げてペダルに重さを乗せた方がお尻が痛くなりにくいです。
段差での抜重で衝撃を和らげる
ダンシング=ずっと座ってると痛くなるので、たまにダンシングしてリフレッシュさせるのも効果的です。
路面の衝撃を抜重やダンシングでかわすのも、お尻の痛みに対して効果的です。段差の衝撃は大きく、継続的に続くのでうまく抜重をした走りを身に付ける必要があります。
荷物を背中に背負うのもお尻への荷重が増えるので止めた方が良いです。
荷物を減らすか、自転車に載せる工夫をしましょう。
5.「まとめ」対処法
①お金をかけずにまず試せること
サドルの角度を変える=会陰/尿道部の痛みや擦れなどに対して、前下がりは効果的です。とりあえず試してみても良いと思います。
サドルの高さを変える(ポジションを見直す)=サドルへの圧自体が変わるので改善することもあります。
*いずれもポジションやフォームが乱れたら元も子もないです。
②インナーパンツかレーサーパンツを履く
坐骨結節・恥骨弓・会陰部/尿道部などに部位別のパッドが配置されてますので、圧が分散されます。
加えてクッション性が高いものを選ぶと路面からの衝撃も和らげるので、長時間でも快適に走行できます。
股擦れに対しては大きな効果を得ます!股擦れで悩んでる方はまずはパンツを買いましょう!
股擦れに対してはクリームも有効です。
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擦れを解消してくれます。
③サドルを変える・購入時の目安
坐骨結節が痛い人:坐骨結節に圧がかかっているので解消するため
・坐骨部のクッション性が高いものを選ぶ=坐骨への圧を和らげる
・ラウンド形状のサドルを選ぶ=骨盤全体を支える(恥骨弓にも圧をかける)ことで坐骨への圧を減らします。
恥骨弓が痛い人:恥骨弓の幅が合っていないか、圧がかかりすぎているのを解消するため
・フラットな座面形状のサドルを選ぶ=坐骨(結節)への圧を高めて恥骨弓の圧を和らげます。
・サドル幅・ノーズ部の幅や硬さを見直す=あたりが硬いと痛くなるのでクッションの良いものを選ぶのが無難かと思います。幅は広すぎると股擦れにつながるし、狭すぎても圧が分散しないのでなかなか難しいです。
会陰部/尿道部が痛い人:サドル中央部に圧がかかっているので解消するため
・穴あきサドルを選ぶ=触れなければ痛くならないので、圧倒的に効果的です。溝付きサドルでも良いです。
注意すべき点は、穴の角が立っていると会陰/尿道部の横の坐骨・恥骨に痛みが出ることがあります。
股擦れが起こる人:ノーズが擦っている可能性があります。
・ノーズの幅が狭いサドルを選ぶ=ノーズを狭くして当たりを減らします。
注意点は膝が内に入りやすくなりペダリングへの影響が出ることもあります。細いので接点が少なくなり、中央部への痛みの原因になりえます。
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座面がフラット&穴あき&クッション性が高く坐骨部の当たりがやさしい!(しかも安くて財布にもやさしい!)
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パンツやサドルなど細かい商品については各々スタッフにお尋ね頂ければと思います。
サドルは、今使っているものを基準にして、試乗サドルがあるショップに行って「狙った形状を試してみる」と自分に合うサドルの傾向がわかってくると思います。
志木店にもセラ・サンマルコ/イタリア/フィジークの試乗サドルがいくつかあります。
志木店では一週間程度の貸し出しをしていますので、お持ち帰り頂き自身の自転車でお試し頂けます。
ご来店、お待ちしております。