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【ディスクローター取付・交換】ご存知ですか?『内セレーション』&『外セレーション』見落としがちな取り付け方式【池C本日の作業日記】

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池袋チャーリー店】津森 弘晃 22年12月15日

【池袋チャーリー本日の作業日記】
ディスクローターの取り付け

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ただ取り付けるだけの事でしょ?・・・と軽~く考えていると思わぬ規格の見落としが?

 

ディスクブレーキのパーツ構成

まずはディスクブレーキはどのようなパーツの組み合わせで成り立っているかおさらい。

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フレーム/フォークに取り付けられるブレーキ本体である『キャリパー』、ホイール軸中心で回転する円盤『ディスクローター』、そのローターを止める「ディスクブレーキパッド」・・・の掻い摘んでいうと大きく分けてこの3つからの構成になります。

本日はこの中から『ディスクローター』についてご説明。

 

サイズ(ローター径)

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ディスクローターには「140mm」・「160mm」・「185mm」・「203mm」というサイズの展開があり、 主に140/160mmはロードやクロスを始めスポーツバイク全般に採用され、180/203mmは強力な制動力が必要とされるダウンヒル系MTBに採用されます。

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このサイズを間違うとパッドに届かなかったり、逆に閊えてしまうので購入前にご使用のローターサイズ確認をしましょう。前後で違うサイズのローターを使っている場合もございますのでそれぞれ確認しておく方がベターです。またローター径に合わせマウントアダプターを挟むというのもありますが今回は割愛させていただきます。

 

「ナロー」と「ワイド」

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デザインが違うだけでしょ?と思っているとまず第1の落とし穴に。

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「ナロー(狭い)」・「ワイド(広い)」の通りディスクブレーキモデル(パッド幅)に合わせ、ローターのパッド接触面にも幅の違いがございます。

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幅にして約2mmの差ですが、安全にブレーキを掛けれるように確認しておきましょう。

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基本的に同じ幅同士の組み合わせ「パッド(ナロー)」x「ローター(ナロー)」や「パッド(ワイド)」x「ローター(ワイド)」での使用であれば問題なく使えます。推奨ではありませんが「パッド(ナロー)」x「ローター(ワイド)」での使用は可ですが、「パッド(ワイド)」x「ローター(ナロー)」での使用はNGとなります。

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また、ナロータイプの2ピースディスクブレーキローターはワイドタイプローター用ブレーキキャリパーと干渉するため互換性がありませんので要注意。

 

 

「メタル」と「レジン」

樹脂で固められた複合繊維からできている比較的柔らかい素材でブレーキング時の音鳴りがしにくい『レジン』と、金属の粒子を融合させて作られ多様なコンディション下で安定した高いパフォーマンスを発揮する『メタル』というパッドの違いがあります。

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パッドにはレジン/メタルの違いの他にも形状やベースプレートの素材違いなど種類が多く「どれを選べばいいかわからない」という質問・疑問も多くございますがモデル名の読み解き方・選び方はまた改めて。

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効きなど性能の違いだけとお思いの方もいらっしゃるのでは?多くのローターは「レジン/メタル」両対応がほとんどですが「レジンのみ対応」というモデルもございますのでご注意ください。

 

「6穴式」と「センターロック式」

ホイールへの取り付け方式で「これは知っているよ」とご存知の方も多いのでは?

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その名の通り「6穴式/6ボルト式」はハブのローター取り付けマウントに6つのボルトで固定するその名の通りの固定方式。比較的リーズナブルなモデルに採用されていることが多いですね。

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最近のモデルはディスクローター取り付け方式にハブのスプライン(縦溝)にスライドしロックリングで固定するだけの「センターロック」を採用しているホイールがほとんど。確実かつ作業時間も少なく取り付けできます。

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スポーツバイクの初めてのカスタムでホイール交換をされる方が多いのですが、お使いいただいていたホイールからタイヤやブレーキローターを載せ替え予定という方にこのローター取り付け方式を見落とす方も多いので注意点と言えるでしょう。

 

「内セレーション」と「外セレーション」

ようやくここからが本題。見落としがちな規格「セレーション」または「セレーション」というのはご存知でしょうか?

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一見、同じように見えるディスクローター。実際にローターは同一モデル「RT-MT800」ですが違いは中心部分の固定パーツであるロックリング。(※実際のRT-MT800に付属するロックリングは画像左の物となります。)

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ローターの取り付け方式ではなく「固定方式」の事を指し、ロックリングの溝が入る箇所を意味しこれによって固定に必要なロックリング&工具が異なります。

 

「内セレーション」の場合

内セレーションのロックリングには内側に溝がある構造。

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取り付けには主にスプロケット固定に使う工具(シマノでいう「TL-LR15」/PROでいう「チームロックリングツール」)のスプロケ系工具が必要でとなります。

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「外セレーション」の場合

外セレーションのロックリングには外側に溝がある構造。

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取り付けには主にボトムブラケット固定に使う工具(シマノでいう「TL-FC36」)のBB系工具が必要となります。

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※実際のRT-MT800の付属ロックリングは「内セレーション用」となりますので組み付け工具には内セレーション対応のCS系工具を使用します。

 

「内/外セレーション」という兼用規格も

上記以外にも「内・外セレーション」というスプロケ系/BB系の両工具が使用可能なロックリングも存在します。 

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「内」か「外」か、もしくは「内/外兼用」かと車体によって使用可能なロックリングや着脱用工具が異なりますのでご自身で現在お使いのハブも確認しておきましょう。

 

何故「内」と「外」それぞれ固定規格があるのか?

ロックリングそれぞれで使用する工具が異なるというのが上記でご理解いただけたかと思いますが、そもそも何故「内」と「外」で固定規格がそれぞれ存在するのか?

ホイールのシャフト(軸)にはリムブレーキ系車体に採用される「9mmクイックレバー規格」と、ディスクブレーキ車体に採用される「一般的なロード系12mmスルーアクスル規格」と「一部MTBやグラベル系15/20mmスルーアクスル規格」という4サイズの太さの規格がございます。

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内/外セレーションの話が関わってくるのはディスクブレーキ車体のスルーアクスル規格となり、上記画像のMAVICホイールで言うと「左:ALLROAD SL/スルー規格15mm」・「右:KSYRIUM SL/12mm」とシャフトの太さが異なります。

15/20㎜スルーアクスル規格の場合、内(または内/外兼用)セレーションロックリングは内径が狭く干渉するため使用不可となり外セレーションロックリングという選択になります。

12㎜スルーアクスル規格の場合、内/外どちらも仕様が可能ですがごく一部の外セレーションロックリングとフォークが干渉する事例もありハブ周辺のクリアランスが非常に狭い車体の場合は内セレーションの方が無難という選択となります。

 

AFSマウントという落とし穴?

上記 センターロックのロックリングで「内」・「外」・「内/外」の固定方式の違いをご紹介しましたが、もう1つ注意しておきたいのが『カンパニョーロ/フルクラム』ホイールでのAFS(Axial Fixing System)というマウントでの固定方式。

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ハブのロックリング固定部分の位置がカンパ/フルクラムでは異なり、ネジ山がハブの外側にくる専用設計に。

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 ロックリングの固定自体は外セレーションと同じくボトムブラケット固定に使う工具(シマノでいう「TL-FC36」)のBB系工具で取り付けることはできますがホイール付属以外のロックリングの使用は出来ませんのでご注意を。

 

一口にブレーキローターと言ってもサイズ・規格様々

「サイズ」・「対応パッド別」・「取り付け方式」に加え、見落としがちな「固定方式」をご紹介してきましたが皆さま気にして購入していましたか?

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安全性に最も関わるブレーキを構成する重要なパーツなので見た目のカッコよさだけで選んでしまうと危ない場合も。今ご自身が何のモデルかを把握しておくとディスクローターに限らずパッドの購入時に迷う事なく安全な組み合わせでお使いいただけます。

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もちろんご不明な場合は車体をお持ちいただくか、ご使用のブレーキキャリパーの型番が変わるようならば対応品のお調べいたしますのでお気軽にご相談ください♪

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