新型「CDJビッグプーリーSV/SUPER VELOCE」は、R9200/R8100兼用と、R9100シリーズSS/R8000シリーズSS,GS兼用の2種類が発売となりました。
Carbon Dry Japan 様のご厚意で、発売発表前に取付確認から実走インプレッションをさせていただく機会を頂きました。
日本で最速で、新型ビッグプーリーの取り付け確認の状況と実走インプレッションをお届けしたいと思います。
CDJビッグプーリー「SV/SUPER VELOCE」製品仕様
新型特徴:
テンション、ガイドプーリーがさらに大きくなり、チェーンの折り曲がりが少なくなることでチェーンの駆動抵抗を今まで以上に低くなるように設計。
ガイドプーリーの巨大化に伴う変速不良を最小限になるように新設計。
ナローワイド形状をプーリーに採用し、変速性能を向上。作動音の軽減。
R9100/R8000シリーズ用特徴:
SSケージのリアディレイラーでもロー側25tのクロスギアから34tのワイドギアまで作動できるように形状を工夫。
SSケージ、GSケージ両方のRDに対応。
ラインナップ/発売時期:
R9200/R8100シリーズ用 10月上旬
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R9100/R8000シリーズ用(電動/機械・SS/GS兼用)10月下旬
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価格:
本体価格:税込60,500円
艶ありクリア変更価格:+税込3,300円
フルセラミックベアリング仕様価格:+税込9,900円
ブーリー仕様:
14t X 18t ナローワイドギア AURAM+CF30
CDJ ビッグプーリー「SV」R9100/R8000用
※CDJ野澤氏動画
結論から
転がりの軽さ、ギアの変速、静粛性のバランスの取れた期待以上の完成度の高い部品でした。
変速セッティングには、今まで以上の専門的な知識がより必要な部品と感じます。※R9200R8100シリーズ用は構造が違うのでセッティングのしやすさが変わりますこれはまた別記事をアップしようと思ってます
ビッグプーリーはどんな人が使うと効果があるか
高回転、アウターローを多用する人、ヒルクライムに向いています。
低回転、高トルクで踏む人だと利点を感じにくいかもしれません。これはどのビッグプーリーにも言えると思います。新型はさらに回転抵抗が少なく感じることができたので、低トルク高回転型の脚質の人によりお勧めできると感じています。
取付実験
新型の発売前に、特別にプロトタイプの取り付け実証テストをさせていただきました。
テスト機材:
車体:CIPOLLINI 2017 RB1K THE ONE Mサイズ リムブレーキ チェーンステー長405mm
ホイール:MAVIC COSMIC SLR40
コンポ:R9100機械式
フロントギア:50/34t
チェーン:CN-HG900 116リンク(新品)
アウターローでの、チェーンの長さを調整するためミッシングリンクを2つ取り付けて長さを変えて検証
スプロケット:
12-25 11s CS-6800
11-28 11s CS-6800
11-30 11s CS-8000
11-34 11s CS-HG800
検証結果、所見
取り付け
ビッグプーリーをRD本体への取り付けは特段今までと変化なし。
やり方を理解できれば作業性はいいと思います。
ギア組み合わせとチェーン長と変速の関係
今回用意できたスプロケット4種類とチェーンの長さ4種類による変速の状態を検証しました。製品前なので、マニュアルはありませんので手探りです。
書いてあるリンク数は、アウターローでのチェーンが重なる量になります。かなり長めになる感じです。※R9200R8100シリーズ用は構造が違うのでセッティングが変わります。
調整
Bテンション(エンドアジャスト)ボルトはローギアとガイドプーリー間を5mm前後に微調整。
スプロケットの交換、Bテンション(エンドアジャスト)ボルトを調整すると確実に変速調整が必要。
Bテンション(エンドアジャスト)ボルト、チェーン長、変速調整のバランスが今までのモデル以上にシビア。このバランスがとれると変速がバッチリと決まる。
11−30tがチェーンの長さに影響せず、変速性能が一番良かった。逆に、12-25t、11−34tのギアは変速性能のセッティングがピンポイントでシビア。
新型のスラント角設定がロー側で小さく、トップ側で大きい設計となっている。そのため、チェーンの長さが変化するとスラント角も変わってしまうため、上記のように設定がシビアになるギアの組み合わせがある。そのことを理解してBテンション(エンドアジャスト)ボルト、チェーン長、変速調整を行う必要がある。
乗車インプレッション
私奥平は、個人的に旧型のCDJのビッグプーリーを使用しています。
カンパレコードEPS 11s + V2エボケージ + V3プーリーフルセラ(12/15t)AURAM/CF30
感想は、純正R9100の使用感と、現在自身で使用しているCDJビッグプーリーとの対比になっています。
テスト機材:
車体:CIPOLLINI 2017 RB1K THE ONE Mサイズ リムブレーキ チェーンステー長405mm
ホイール:MAVIC COSMIC SLR40
コンポ:R9100機械式
フロントギア:50/34t
スプロケット:CS-8000 11-30t
チェーン:CN-HG900
チェーンの長さ:チェーン長調整のため、ミッシングリンクを2つ取り付け12リンク6コマで設定(116リンク)
走行距離:52km 多摩川サイクリングロード→ワイズロード川崎店
変速
11-30でしっかりと調整されていれば、全く問題なく変速します。
52kmの間で一度も変速不良は発生しませんでした。レスポンスも全く気になりません。登り返しでわざとトルクをかけながらリア変速を行いましたが普通に変速しました。もしかしたら純正と比べると変速スピードは少し遅いのかもしれませんが、気にならない範囲です。それのためか変速ショックが小さく感じました。
回転の軽さ
フルセラミックプーリーの良さを足で感じとれるくらい軽く感じます。お世辞にも回転がいいとは言えないシマノの純正BBを使用していますが、それとは思えないくらい軽かったです。プーリーの大きさの影響もあるかもしれません。
作動音
変速ショックもそうですが、プーリーの作動音がすごく小さく感じました。
個人的にアルミビッグプーリー→オーラムのビッグプーリー、と使用していますが、オーラムタイプに変えてアルミプーリーより音は小さくなったのですが、樹脂特有のプラスチッキーな音が道端にある壁に反射して聞こえていました。今回の新型はそのような音が気にならず、純正の作動音と変わらないのではないかと思うほど小さい音です。走りに集中できると思います。
最後に
変速性能を犠牲にしないため、ガイドプーリーを純正形状にしていたCDJが、変速性能低下のリスクのある上下巨大プーリーを作ったと聞いて非常に興味を持っていました。
実際に色々な組み合わせを実証実験させていただいたことで、チェーンとスラント角の密接な関係を改めて体感しました。そして、各ギアブランドが頑なにビッグプーリーを製品化しなかったのかも実感することができました。どのようなフレーム設計やギアの組み合わせ、セッティングの懐の大きさにはやはり純正形状が一番だと思います。
CDJのビッグプーリはV3プラスという純正形状のモデルも併売となるため、新型のセッティングのシビアさが気になる方はV3プラスを選ぶといいと思います。
[ysid 4580075234174]
セッティングのシビアさは専門店に任せて、転がりの軽さを取るのであれば間違いなく新型の性能に軍配が上がります。
また、いままでワイドギアを諦めていたSS仕様のリアディレイラーを使用していた方にはすごく魅力的なパーツだと思います。
ワイズロード 川崎店では新型の細かな特徴まで一足先に把握していますので、おまかせいただければと思います。
来週にはDi2モデルでも実走テストを行う予定です。詳しくは店長の奥平までお問い合わせくださいませ。