ワイズロード川崎店Techコーナーです。
当社では、スポーツバイクを納車されてから1か月前後、または100km走行前後で初期の点検をお勧めしています。
その点検のやり方をご紹介します。
新車は馴染みがでて不具合が出る可能性がある!?
納車前に一台一台整備されたスポーツバイクは納車から一定期間を過ぎると、走行の振動によりネジ類が緩んだり、またシフトチェンジとブレーキの度重なる操作によってワイヤー類に伸びが出てゆき、その他にも各部のなじみによって納車直前の状態からいわゆる「慣らし運転」の終わった状態へと刻々と変化していきます。
乗っていて感じられる不具合
乗られているご自身で感じられる事としてはブレーキの遊びが若干広くなったり、変速も少しカチャカチャと鳴って変わりにくなるというのが一般的に分かりやすい症状ではないでしょうか。
セルフ点検のすすめ
作業の予約をお取りいただいて店舗に初期点検を頼むことももちろん出来ますが、実は初期点検は自分自身でも挑戦出来る簡単な作業です。
今回はお客様ご自身で最初の点検をやってみることを前提にお話を進めてまいります。
自分で愛車をいじるという体験は、自転車各部の役割や仕組みへの理解が自然と深くなり、それによって愛車のちょっとした不具合に気付きやすくなるという特典もついてくると思います。
① ブレーキワイヤーの伸びをアジャスターで取ってみよう。
納車後乗りこんでいくと起こる新車のなじみその1。
ブレーキの遊びが増えてくる症状は、簡単に言うとブレーキワイヤの伸び等が原因で起こります。
つまり、解消するためにはワイヤの伸びを取ってあげればいいわけです。
では実際どうやってワイヤの伸び分を取るのか。
基本はとても簡単です。
写真のブレーキレバーにあるアジャスター、ねじ込んであるものを左へ回して緩めていってあげるだけです。
二つあるアジャスターのまず緑色の方を矢印方向へ緩めていき、遊びが増えた分を取れるところまで緩めてあげたら、その次に赤い方を矢印方向へ回してストッパーとして位置を決定すればそれでオッケーです。
「丁度いいところ」とは、握った時にブレーキレバーとグリップが平行になるのが一般的な位置です。
② シフトワイヤーの伸びをアジャスターで取ってみよう。
納車後乗りこんでいくと起こる新車のなじみその2。
シフトがカチャカチャと入りにくくなる症状は、これも簡単に言うとシフトワイヤの伸び等によって起こります。
やはり解消するためにはワイヤの伸びを取ってあげればオッケーです。
実際どうやってワイヤの伸び分を取るのか、こちらも簡単です
上の写真のシフトレバー側のアジャスター、ねじ込んであるものを左に回して緩めてあげるだけです。
緑色の矢印方向へ緩めていき、変速した時にカチャカチャ音が鳴らずにきちんと変速する所を探しながら回してあげればオッケーです。
シフトのアジャスターは回すとクリック感が有るので、何回転回したかを数えながら回していきましょう。
そうすれば、万が一回し過ぎたとしてもすぐ最初の状態に戻して再チャレンジする事が出来るからです。
なお、後ろの変速のシフトアジャストはリアディレーラー本体にもアジャスターが付いているものが存在します。
リアディレーラー側のアジャスターで伸びを取る場合のやり方は以下の通りです。
変速の調整が済んでいる車体も乗りこんでいくとワイヤの伸びが出て変速位置が黄色い矢印の方向へと少しづつズレてきます。
正しく変速するためには伸びてズレた分赤い矢印方向へもう少し動いて欲しい訳ですが、この場合もワイヤーを張ってあげる事でその症状を解消する事が出来ます。
写真のアジャスター部分を、変速した時にカチャカチャ音が鳴らずきちんと変速する所を探しながら緑の矢印方向に回していきましょう。
この時も先ほどのシフトレバー側アジャスターと同じように何回転回したか忘れないようにクリック数を数えながら回し、万が一回し過ぎたとしてもすぐ最初の状態に戻して再チャレンジが出来るようにしましょう。
③ タイヤの空気圧をチェックしましょう
タイヤの空気圧チェックと空気の入れ方は過去の記事⇩⇩をご覧下さい。
何もしなくても空気圧は毎日少しずつ減っていくので、こまめにチェックするようにしましょう。
④ チェーンに注油してみよう
納車されたばかりの車体の新品チェーンも、乗りこんでいくうちに油分が飛んだり雨に濡れることで次第に潤滑が落ちていきます。
そうするとチェーンの駆動がだんだん鈍くなり、ペダルを漕いでいる脚も重くなっていってしまいます。
やはりチェーンにも定期的に注油をしてあげることが大切になってきます。
本当はチェーンを一度洗浄して元の油分と汚れをしっかり落としてあげてから注油するのが理想的ですが、今回は簡単に注油のみの仕方をご紹介致します。
上の写真のように、ペダルを手で掴んでクランクを矢印方向へ逆回転しながら、タイヤやその他パーツに油が飛び散らない位置へチェーンオイルのノズルを向けてチェーンに一周オイルを吹いてあげましょう。
一周全てオイルを吹いたら、実際にすべてのギアへ一段づつゆっくり変速をしていき、チェーンについた油分をギア歯にも移してあげればオッケーです。
余分に吹きすぎた場合はチェーンが光りを反射してテラッテラになると思います。
その場合はウェスを当ててクランクを逆回転しながら余計な油分を拭い去りましょう。
そうしないとホコリや汚れを吸い寄せて粘土みたいになってしまい動きを重くしますので注意です。
⑤ リアディレイラーハンガーの曲がりをチェックしましょう
リアディレイラーハンガーの曲がりをチェックするやり方は以下の過去記事⇩⇩をご覧ください。
万が一曲がっていた場合は出来るだけ早く修理することをお勧めいたします。
最後に
以上の5項目が1か月または100kmでの大まかな初期点検項目です。
この他に、ペダルを含めたすべてのネジ類を締め付けトルクに注意しながら増し締めしてあげればまずは一安心です。
最初にお話しした通り初期点検作業は実際やってみてもそれほど難しくありませんので、興味のある方はぜひご自身でも挑戦してみて下さい。
それでも自分では難しそうだという方は、お電話にて作業のご予約をお取り頂いた上でご来店いただければもちろんご対応させて頂きますので、どうぞお気軽にご相談下さいませ。