11月2日㈭は臨時休業をいただきまして、ワイズロード社内スタッフ試乗会に参加させていただきました。
出展いただいた取引先の皆様方には本当に感謝の気持ちいっぱいです。
久々のコミュニケーション、情報収集の機会、本当に楽しい一日でした!!
試乗したバイクについてお客様にフィードバックすべく!ブランドの特徴や私の所感を含めて少し深堀インプレッションしたいと思います。
BASSOと言えば?この一台
PINARELLOでいうDOGMA。DE ROSAでいうKING。COLNAGOでいうCシリーズ。BASSOではこのDIAMANTEです。
メーカーも「もっともバッソ」というだけはあります。同ブランドのハイエンドに君臨しつづけるDIAMANTEですが、今世代はなんとフレーム重量約760g。UCI基準の車重を下回るポテンシャルを手に入れました。
イタリアンブランドならではの、数字で勝負しない、煮詰まった官能性能を感じ取れたのでインプレッションしてみます。
以下、公式HPより引用
-Bassoはロードレースの本場、イタリアを本拠地とするレーシングバイクブランド。創業は1979年と比較的新しく、実に短期間でヨーロッパのトップブランドの1つになりました。その最大の特徴は、フレーム素材のクオリティーの高さ。 創業以来、この点に焦点をおいて努力を続けています。現在も、パドア及びグラッツ (オーストリア) の大学の多くのエンジニアや地元の企業及び研究所と協力し、開発が続いています。さらに興味深いのが、ドイツマーケットを重視しているという点。「ドイツの消費者は決してブランドや名前でごまかされない。彼らは本当に良いものが何かを知っているし、また良いものでなければ受け入れない。プロチームへスポンサードするメーカーは数多くあるが、多分に商業的な要素がある。ひょっとするとお金でハイクオリティーというイメージを買えるかもしれないが、私はその方法は好きじゃないんだ。BASSOがドイツで受け入れられていることがBASSOが良い自転車だと証明できる一つの理由だと言えるよ。」これまで地道な努力があるからこそ、こんなことが言えるのかもしれません。-
BASSO 2024 DIAMANTE
BASSO 2024 - DIAMANTE
¥862,400- (¥784,000-税抜) FRAME & FORK
¥1,056,000- (¥960,000-税抜) R7150 DI2完成車
¥1,122,000- (¥1,020,000-税抜) R8150 DI2完成車
今回試乗したのはR8150モデル。カタログスペックだけで大満足な一台ですが、細部にフォーカスしてみます。
求めたのは、快適性ではなく安定感
軽量フレームの性(さが)です。もっとも効率よく、もっとも断面形状を小さくして強度確保と軽量化を両立できるのは円柱形状のチュービングです。名だたる軽量フレームがそうであったように、このバイクも一見シンプルな形状に見えますが、よく見ると面白い形をしていました。
フロントフォークがかなり前に逃げています。どういうことでしょう?
これは軽すぎるハンドリングや不自然な切れ込みを防ぐためのようです。軽いだけではフラフラしたり、ハンドリングがピーキーすぎて乗りづらい車体がたくさんあったことを考えると技術の成熟を感じます。ジオメトリーを見ても全サイズでフォークの形状や角度を変えていることから、慎重に設計していることが分かります。
メーカーの紹介文の「軽さと安定感を追及。」の通り、求めたのは軽さと「快適性」ではなく、軽さと「安定感」。
もちろん、メーカーによってハンドリング性能を追求するアプローチは変わりますが、この形状を見るとBASSOのアイデンティティを感じずにはいられません。
実際にのってみてもこの「安定感」を垣間見れましたので、後述します。
でもやっぱり快適性は欲しい
フレームを軽量化するために快適性が犠牲になった?と思えなくもないですが、代わりに快適性を担保してくれるパーツがあります。タイヤ、サドル、ハンドルとバーテープ、そしてシートピラーです。
このDIAMANTEはシートピラーとフレーム形状を工夫することで快適性も(ある程度)確保してくれます。シートピラーはD型断面。かつ三日月型に抉られています。この抉れとフレームのシートチューブの間に、ダンパーの機能を持たせた樹脂パーツがはさまります(KUOTAのKRYONを思い出します)。
振動吸収の効果があり、お尻周りの不快な周波数を和らげてくれます。フロントフォークに続き、こういったアプローチもアイデンティティを感じられて素敵です。
あとはタイヤをチューブレス化すれば空気圧も下げられてバッチリ。
胸がすくぐらい塗装が綺麗
カタログ写真ではわからないこと筆頭。フレーム形状と塗装の仕上がり。
カタログ写真では白?グレー?と黒のグラデーションに見えますが、実際は青みがかったパールホワイトが淡いメタリックブルーで濃紺と黒にフェードします。は?
なんとも文章で伝えづらいんですが、とにかく写真を撮っている間は「綺麗~」と連呼してました。綺麗です。
ちょっと夕日がかった時間帯に撮影しましたが、ベストタイミングだったかもしれません。
綺麗です。
コックピット周りもいい感じ
ハンドルステム一体型。これはもうトレンドというか軽量化の宿命でしょうか。
330g±3%と非常に軽量で、PINARELLOのTARON ULTRAよりも60gも軽量。形状も非常にコンパクトで手になじみます。
別売りのマウント類でGarminやGoProマウントも取り付け可能。拡張性も十分です。
ハンドル形状の話に戻りますが、寸法表を見てビックリ。
リーチは76.7mmでドロップは120mmと非常にとコンパクト。ハンドル下部のスイープ部分はなんと160mmもあり(他社モデルは大体130mmくらい)、かなり手前まで伸びています。
これは逆パシュート?のような形状になっていて、ブラケット位置が適正になるステム長を選んだ際、かなり攻めたポジションでスプリントをしかけてもリーチの短さのおかげで膝と前腕が上ハンドルに擦りづらくなっています。下部が160mmもあり、ドロップも120mmと非常にコンパクトなので下ハンドルを握ったときはハンドルが遠くなりすぎる問題も解決します。
こんなに専用ハンドルで作り込みを感じたのは初めてです。これは期待大です。
足を乗せるだけで進む
軽いだけでフラフラ。ピーキーすぎて乗り心地悪い。そんなことは全くありませんでした。確かに硬さは感じますが、すぐれた加速や安定したハンドリングは硬さを忘れさせてくれます。。。短距離ではそう言えるでしょう。
冷静になって、少し距離を伸ばしてみると、途端に踏み負けそうな疲れを感じました。しかし、ここでこのバイクの神髄を垣間見られます。
。。。足を乗せてるだけでグイグイ進むぞ!
ロードバイクに乗り始めた時、知り合いに足を乗せてるだけで進むぞ、なんて誘い文句でロードバイクを勧めたりしましたが、まさかこの感覚をまた味わえるとは思いませんでした。
軽さゆえ、高剛性ゆえなせる技。このパワーロスの少なさは今世代のバイクでピカイチだと感じました。おまけに安定感があって乗りやすいんです。もう死角なしです。
コーナリングは低速時でも切れ込むような違和感もなく、安定感を感じます。スピードが乗った後はケイデンスを保つだけのクルージングが待っていますし、高速でも思い通りの軽快なハンドリングが可能です。疲れたらケイデンスを落として、足を乗せてるだけで進みます(引き足の抜重は必要です)。
どんな方にオススメか?
凄く悩ましいです。
フレーム価格はハイエンド宜しく80万円超え。フレーム重量もすこぶる軽量ですがエンデュランスロードとは言えないフレームの硬さです。勝手ながら、個人的な総評はヒルクライム向けバイクで、かつ剛性が欲しい。クリテリウムにも十分に使えるバイクが欲しい。そんな方にピッタリハマります。
とにかく塗装、ルックスが綺麗なので、ひとめぼれした方にも是非お勧めしたいバイクです。ここまで書いておきながら、結局は見た目がなによりも大切な要素です。
パーツチョイスやポジショニングで快適性は味付けできますから!
受注生産予定
当店では在庫予定はありませんが、代理店の担当者曰く基本的に受注生産の形をとるそうです。気になった方、以前からDIAMANTEに着目していた方はお気軽にご相談ください。
納期等含めて代理店に確認を致します。
府中多摩川店 吉田