こんにちは。上野本館の長山です。
先日、上野本館スタッフBROMPTON部(現在9名)メンバー内の旅ライド好き3名で「小さな旅ライド」に行ってきましたので、道中レポートをお届け致します。
※風景画像は、PCなど大きな画面でクリックしてご覧頂くと、臨場感が増すかと思います。
秋の秩父路ライド
旅のしおり
日にち:2023年11月9日(木)
メンバー:宮野店長、木村、長山(執筆者)
エリア:埼玉県・秩父郡(皆野町、小鹿野町)、秩父市周辺
コースプロデュース:宮野店長
まずは鉄道旅
今回のライド集合は、秩父鉄道の皆野駅に午前9時。調べてみたら、家から所要3時間ちょっとと出ました。
眠たい目を擦りつつ早起きして旅路へと出発!!
予定の電車に乗り込み、車窓に映る朝焼けを堪能。街が目覚めてゆく・・
鉄道各社を乗り継ぎながら、ようやく今回のメイン路線となる秩父鉄道の車中へ収まります。
余談ですがこの車両は元・東急線。沿線で生まれ育った身としては、車内の雰囲気や座席が懐かしい。
皆野駅に到着。は~るばる~来たぜ~秩父路~!!
すっかり鉄道旅を堪能しましたが、本題のライド旅スタートはまだこれから。
鉄道輪行組、車載輪行組ともに、無事定時全員集合!さあ、出走だ!!
秩父路に解き放たれる
朝のひんやり空気が漂うなかペダルを漕ぎ出します。宮野店長ナビで車通りの少ない裏道を選び取って進んでいきます。
マップとコンピューターならぬ勘ピューター駆使で、地元の犬の散歩道みたいな小道も登場。車の心配なく気楽快適に進んでいきます。
のどかや~。
ミューズパークで黄葉狩り
だんだん登坂になり、あくせく漕ぐうちに秩父ミューズパークへ登り着きました。
秩父市と小鹿野町にまたがる爽やかで広々した公園です。
広大な敷地内には見どころも数多く点在し、走って止まってを繰り返すのには小径車ならば丁度良い感じです。
落ち葉の絨毯をキャンバスに、バイクとのコントラストが綺麗です。
並木通りとBROMPTON、風情の相性抜群。
黄葉散りゆく傍らで、寒桜と思しき花が・・・。同時期に葉が落ちたり花が咲いたり、自然も各々マイペースを貫いています。
足元には銀杏がいっぱい。拾い集めている方もいました。実りの秋ですね~。
秩父のシンボル・武甲山も遠望出来る、見晴らし良いポイント。この場所は「旅立ちの丘」と名付けられているそうです。
その由来は秩父影森中学校の先生が、卒業生に贈った歌「旅立ちの日に」。
全国へ広がっていった定番の卒業ソング、その発祥の地「秩父」をPRし更に広く歌い継がれていくことを祈念して、この丘がつくられたとのことです。
展望デッキ先端のステージでは、誕生の舞台となった影森中学校の生徒によるコーラス が流れます。
そのほかにも施設内には芸術・文化施設、野外ステージ、スポーツ施設など見どころも満載!!
遊具もあり子供から大人まで楽しいミューズパークです。
さて、そろそろ先へ進みましょう。もうすぐお昼時、昼飯を求めて小鹿野町へ入ります。
道中の素朴な山間部、何気なく展開する景色が美しく季節感を肌で感じます。
小鹿野名物「わらじカツ」を食す
時刻は昼時、現地ならではのご当地グルメを堪能するのもツーリングの醍醐味です。
今や小鹿野名物でもある「わらじカツ丼」を食すべく、老舗筆頭格の「安田屋本店」さんを訪れます。
趣のある佇まいは既に食べる前から勝ち確定の予感ですが・・・期待値は高まりまくりです。
秩父名物!!はみ出しまくる「わらじカツ」
御開帳!!カツが二枚、左右ペアのワラジの如く載っています。
「大変おいしゅうございます!!」
どんぶり飯モリモリなんて久しぶりに食べましたが、スルスルと入ってしまいました。見た目よりもあっさりした味付けで絶妙なバランス。
インパクト抜群、ボリューム感満載、味良し、コスパ良し、かつご当地でサイクリング途中に食べると美味さのグレードも上がります。
更なる里山道を往く
満足感に満ちたご当地グルメを堪能したあとは、再びブロンプトンでゆったりサイクリング始動です。
後半は基本的に山間部が中心となりますが、ブロンプトンならではのリラックスポジション・・食後で満腹でもお腹に優しい快適さ!!
気持ち後押ししてくれる良い雰囲気の里山道が展開。
こういう景色が広がるところをサッサと駆け抜けるのは勿体ない!
「両神村」
2005年10月1日に、秩父郡小鹿野町と合併して消滅した村名です。日本百名山のひとつ、両神山が有名ですね。
のんびり往けば細やかな発見にも恵まれます。
丘を越えて荒川の谷へと駆け下ります。この道は県道37号「皆野両神荒川線」。
今回走って来ているエリアは、奇しくもこの県道名と被っていました。
荒川に架かる橋より谷を眺望。絶景がマイナスイオンと共に迫ってきます。
下流側には肝試しアトラクション的な設備が接地されています。
画像では判りにくいですが、大自然のなか空中コースターを楽しめる秩父ジオグラビティパークという施設。
バンジー的な恐怖を味わえること受け合いでしょう。
更に山の奥へ
秩父鉄道の最奥・三峰口駅付近から、国道140号に乗ってさらに西進、深山へと分け入っていきます。
迫力ある岩山が登場、山梨県の昇仙峡を連想させる佇まい。
この辺りも昇仙峡も同じ奥秩父山地で連なっており、地質的には通じるものがあるのかも?
いやー、いいなぁ・・・この山が次第に押し迫って来る感。
「この先はどんなところだろう?」「あの向こうはどんな景色が広がっているんだろう?」と、ワクワク感が駆り立てられます。
お!谷の奥に見えてきたアレは・・・!
今回の旅のゴール地点となる大滝ダムへと繋がる「ループ橋」
埼玉県のHPによると、名称は「雷電廿六木橋(らいでんとどろきはし)」
高い技術と美しいデザインゆえに各方面から評価を受け、数々の賞を受賞しているそうです。
標高差を一気に稼ぐべく、グル~~~ッと回って登っています!
ループ橋クライムを攻略して、奥秩父もみじ湖(滝沢ダム)に登達!!
深山幽谷な気配が、湖面を伝って漂ってきます。地図を見ると、この拝んでいる方向、直線距離わずか10数km先には長野県が控えています。思えば遠くへ来たもんだ!
せっかくここまで来た記念、「ダムカード」をゲット!!
ゲットだぜ!
「国土交通省と独立行政法人水資源機構の管理するダムでは、ダムのことをより知っていただこうと、平成19年より「ダムカード」を作成し、ダムを訪問した方に配布」しているとのこと。
紅葉黄葉がチラホラ。その先には、やや夕方のニュアンスを含んだ天然のライトアップを浴びて輝く山並み。はるばる登って来た甲斐がある光景です。
さて、そろそろ黄昏時が迫って来ました。暗くなる前に里へ降りなければ。
ここまで進んできた国道140号は、この先、雁坂トンネルを抜けて山梨県へ向かいますが、あいにく自転車は通行不可の為、来た道を引き返します。ちなみに雁坂トンネルは、日本三大峠とも言われる雁坂峠に阻まれ長年「開かずの国道」と呼ばれていた難所を貫く、延長6,625m、一般国道の山岳トンネルとしては日本最長のトンネルです。この周辺は、東京でもお馴染み・荒川の最源流地域が広がっています。ここが荒川のふるさとなんだと思いを馳せれば、感慨深いものがあります。
あくせく登って来たループ橋を、パチンコ玉のようにコロコロ、グルグル~。一気に駆け下ります。
山の下りでいつも思うのですが、下り始めの頃って、向こうの山々がグワーッと高く大きく、迫力持って迫ってきます。
これが、下っていくほどにその迫力が減っていき、そんなに大した山には見えなくなっていきます。視界から消えてしまう山もあります。
それって、逆に言えば、低いところではその大きさがあまりわからず、高いところに登ってやっとその大きさが分かってくる、見えなかったものも見え始める、ということ。何か、人生と似ているような気がします。
・・・って、大げさですね。自転車は、サドル上の坐禅のような効果を発揮するときがあり、こういう妙な思索がフッと降りてきたりするのです。
山中の貴重なコンビニに寄り道。道の駅大滝温泉に併設されています。サイクルラックが常設されており、ありがたい。ここで秩父土産を買い込みます。BROMPTONは、フロントラゲッジに安定して積み込めるので、お土産購入を断念する必要はありません!
今回ライド旅のゴール、秩父鉄道の三峰口駅に到着。お疲れ様でした!!
それにしても、駅前にあったこの地図、まるで半島か島を描いたかのような周辺仕上げです。秩父島!?
ここで宮野店長が隠し持っていたホットコーヒーを、野点(のだて)でいただきます!
ありがたし、あたたかし。
しみじみ帰路へ
再び鉄道旅スタート。ライド旅と鉄道旅、一粒で二度おいしい。
帰りの列車の座席に座る瞬間。
この「ホッとする」瞬間が堪りません。「良いライド旅」が「無事に終わって」「帰路に就けた」という三拍子が揃った証ですから。これまで、ライドの深みにはまりすぎて、終電逃して帰路に就けなかったこともあったので・・・。
流れゆく車窓をぼーっと眺めながら、今日の思い出を振り返ります。しみじみする、味わい深いひととき。
程よい揺れが、身も、心も、少しずつ日常へと戻してくれるのでした・・・。
GARMINサイクルコンピュータのライドアクティビティデータによると、
走行距離:65.93km
獲得標高:870m
三段変速のMハンドルBROMPTONにしては、まあまあ走って登りました。
早起き長時間輪行は大変でしたが、それに見合うだけの山旅が出来、大満足!
良い旅の後は土産の地酒でしみじみ。今日の旅路に乾杯!共に駆けた仲間に、愛車に、乾杯!!
次回はドコかな~。紙の広域マップ上をさすらいながら、次なる旅は静かにスタートを切りました。
[ysid ]