.

スマートトレーナーの可能性

1114
茅ヶ崎店【閉店しました】】Y Y 22年08月06日

スマートトレーナーはサイクリストのためだけのものではありません.超高齢社会を迎えている日本が元気になるために,日本は一世帯あたりのスマートトレーナー所有率世界No.1を目指すべきで,スマートトレーナー大国になるべきだと,100% CHIGASAKIでは持論を展開してまいりました.そして予期した通り,最近になって様々な業界で注目される傾向にあるようです.本稿ではその一部をご紹介します.



参考:【日本の救世主になるか】大衆向けスマートトレーナーXPLOVA NOZA One

【keyword】
超高齢社会:65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占めている社会を指す.世界に先駆け,日本は超高齢社会に突入している.
健康寿命:健康上の問題がなく,自立した日常生活を送ることができる期間
未病:発病には至らないものの健康な状態から離れつつある状態を指す.自覚症状はなくとも,検査で異常がみられる場合と,自覚症状があっても検査では異常がない場合に大別される.
AR:
「Augmented Reality」の略で,「拡張現実」の意.実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を“仮想的に拡張する”というもの.

スマートトレーナー:スポーツバイクと組み合わせて使用するローラー台.PCやタブレット端末,スマートフォン等と接続可能
ROUVY:いわゆるAR (拡張現実)プラットフォーム.実写によるバーチャルスポーツ体験を提供し,“その場にいるというリアルな感動“を与えてくれる.

根底にある考え方

 目下,我が日本が直面している最大の課題の一つには「健康寿命の延伸」が挙げられます.超高齢社会を迎えた日本において,寿命だけでなく,健康である期間を延伸し,自立生活の確立と維持を目指すという「個人の尊厳と人間性の尊重」を基盤とする考え方です.私たちの身体(運動器)は,元々それほど長持ちするようにはできていないようで,自立した生活を継続するためには運動器のメンテナンスを行いながら,大切に使い続ける必要があります.そこで,バランスの良い食事と適度な運動が重要となってくるわけです.後者に関しては,幅広い年齢層で運動習慣化を促すために,スポーツ庁が都市公園を増やしてインフラ整備に注力したり,地域の横のつながりの強化を促したり,参加費無料のシンポジウムを開催して積極的なアウトプットを試みたりしています.オリンピック招致(と,そのレガシー)もまた,その戦略の一環と考えて相違ないでしょう.
 しかし,最近になって私は考えるようになりました.「運動には,素晴らしい健康促進効果がある」という科学的根拠を携えて,如何に理論的かつアサーティブに訴えたところで,大半の方にとっては,強力な運動習慣化のドライビングフォースにはなり得ないようで,どうやら多くの方は,楽しいことに優先的且つ即座に飛びつく傾向にあり,そして楽しくないと長続きしないのです.ではどうするか?

結論

 楽しく運動する仕組みを作るべきですが,万人に楽しい共通なシステム作りは困難です.では,楽しいだけでなく,「贅沢な気分」に浸ることができたら…しかも「自宅で手軽に」…きっと運動習慣化のハードルが一気に下がることでしょう.ここで紹介するスマートトレーナーには,その「自宅で気軽に贅沢気分」を提供する潜在的能力が備わっていると考えています.即ち,適切なアプリケーションと組み合わせることで,一度は行ってみたい場所,生きている間にもう一度行ってみたい場所,バーチャルワールド,あるいは到底自分では行き着くことができない場所に任意に赴くことができ,流れる風景を楽しみながらサイクリングすることができるという…この上なく贅沢なシステムです(少なくとも私はそう思います).

 ♠︎ 故郷のあの道,あの景色をもう一度見たい
 ♠︎ 生きている間にもう一度あの景色を見てみたい
 ♠︎ まだ見ぬ異国の地に行ってみたい

そんな願いを叶えてくれて,様々な(本当に様々な)理由で外出が困難な状況でも,勇気と元気と感動を与えてくれるシステムです.想像しただけで感動に震えます.そしてその仕組みは,完全ではないものの,ほぼ現実のものとなっています.必要なものはスマートトレーナーと,実際の風景を画面に映し出す機器とアプリケーション(ROUVYやZWIFT等).幸福な人生を送るために,そして日本が元気になるために,日本は一世帯あたりのスマートトレーナー所有率世界No.1を目指すべきです.日本は,スマートトレーナー大国になるべきだ,というのが私の結論です.

 

最近の動向

千葉県庁から,極めて興味深い募集が公示されました.題目は

「バーチャルサイクリングコース作成及び体験会実施業務委託の企画提案募集」
(2022年8月1日を以て受付締切)

仕様書の一部を以下に抜粋します.


目的・概要

バーチャルサイクリングのアプリ上で活用できる,本県の豊かな自然や 名所・旧跡を盛り込んだオリジナルサイクリングコースを作成するとともに,体験会を実施することにより,バーチャルサイクリングの普及促進と本県の 魅力発信を図ることを目的とする.

業務内容

(1) バーチャルサイクリングアプリ上で使用できるコースの作成
バーチャルサイクリングアプリの例:FulGaz,ONELAP,ROUVY,Zwift 等

(2) バーチャルサイクリングの体験会の実施

「システムの設定次第で高齢者や障害者も同じ条件でスポーツを楽しむことができる」
「広いスペースを必要としない」
「オンラインで世 界中の誰とでも競技を楽しむことができる」
などのバーチャルサイク リングのメリット・魅力を体験者に伝えられるよう,体験するコース・ 体験時間・環境等を工夫し,体験会を実施する.etc.


注目すべきは,県自治体がバーチャルサイクリングの有用性と可能性を認識し,県自治体が主導して,観光誘致や健康促進のツールとして大々的にプロジェクトを立ち上げた点です.千葉県から元気を発信していこうという気概が感じられます.体験会場もまた提案事項に含まれますので,詳細はいずれ公示されるでしょう.

既に決定している会場はコチラ↓

パラスポーツフェスタ東葛会場
2022年12月10日(土) 午前10時から午後3時30分
流山市野々下1-40-1 流山市キッコーマンアリーナ内

ちばアクアラインマラソン2022会場
2022年11月6日(日) 午前9時から午後5時
木更津市潮見1-1 旧木更津市役所西側駐車場

神奈川県では

未病産業の創出

神奈川県は,【来る超高齢社会の到来に備え,「未病の改善」と「最先端医療・最新技術の追求」という2つのアプローチを融合する「ヘルスケア・ニューフロンティア」の取組みを進めることにより,誰もが健康で長生きできる社会を目指す】としています.「未病」とは、健康と病気を2つの明確に分けられる概念として捉えるのではなく、心身の状態は健康と病気の間を連続的に変化するものと捉え,このすべての変化の過程を表す概念です.従来の予防・診断に加え、心身全体の状態を最適化する「未病の改善」に繋がる商品やサービス等,健やかに生きる「価値」を創造する産業を「未病産業」とし,神奈川県発の産業としての確立を目指しています.


未病センター

未病センターは,手軽に健康状態や体力等をチェックし,その結果に基づくアドバイスや「未病改善」の取組のための情報を受けられる場です.健康づくりに関するプログラムの提供や、交流スペースの設置をしているセンターもあります.神奈川県内に多数設置されており,スマートトレーナー体験スペースコーナーが設置されるという動きがあると聞いています.

 

おわりに

スマートトレーナーはサイクリストのためだけに非ず,その市場は拡大の一途を辿ることになると予想します.「自転車+スマートトレーナー」には,超高齢社会の日本を支えるパワーがあると考えています.YUSAは今後も,ひとりの日本国民として,その有用性を発信して参ります.

 

おまけ

ME-BYO(未病)の概念

ME-BYOとは,神奈川知事が訪米の際に,英語には存在しない「未病」の概念を現地の方々に説明するために使用した造語です.神奈川県は,「ME-BYO」を広報誌やパンフレット等に表示するなど,積極的にPR活動を展開することで,「ME-BYO」の概念を普及させるとともに,関連する商品やサービス等への表示を通じて,ブランド化を目指しています.そして,優れた未病産業関連の商品やサービスを,神奈川県が「ME-BYO BRAND」として認定しています.

世の中には様々な未病産業があり,その種類と多様性に驚かされます.スマートトレーナー関連事業がここに名を連ねる日も,近いように思います.

 

YUSA
2022/08/06

一覧へ戻る


LINE相談

Pageの先頭へ戻る