現在ここ名古屋本館では株式会社フカヤ様よりスペシャルな試乗車をお借りしております。詳細は下記URLよりチェックできます!
http://ysroad.co.jp/nagoya/2022/08/05/123770
これだけのスペシャル仕様ですから、自転車大好き安川も漠然と乗ってみたな~っと思っていたわけです。しかしスタッフが目的もなく乗るだけでは良いも悪いもお客様からしたら分からない訳で、意味が無いなと。そこで私はこんなテーマを掲げて試乗を行うことにしました!
「クリンチャーとチューブレス結局どっちが速いのか!?」
ではタイヤの種類と何をやったのかについてお話をしていきます。
タイヤの違いについて。
このタイトルを見てブログをクリックした皆さんならご存知な方が多くいらっしゃるかも知れませんが一応書いておきます。
クリンチャー
スポーツバイクでは最も一般的なものでリムとタイヤの間にチューブを入れそれに空気を入れ運用します。扱いやすく作業性も非常に良く、運用する上で価格もお求めやすいとされています。
チューブレス(チューブレスレディー)
中にチューブは入れず、かわりにシーラント(パンク修理剤の様な物)と言われる液体を入れタイヤに直接空気を入れ運用します。タイヤの装着にコツが必要だったりと「作業性が良い!」とは言い切る事はできずそこは正直クリンチャーに分があるのかなと。しかし走りの面ではパンクに強く乗り心地が良いとされており、今では世界のトッププロが仕様するなど注目を集めています。
検証機材
今回使用した車体は先にも書いたようにフカヤ様よりお借りしているスペシャル試乗車で、カーボンフレームにR8170 Di2を組付けWH-R-8170(ULTEGRA)を装備しています。
タイヤとホイール
2種類のホイールを使用したのですが、1本目はC50でPANARACERのAGILEST DURO(28C/クリンチャー)で2本目のC36にはPANARACERのAGILEST TLR(28C/チューブレスレディー)このホイールを履かせパワーメーターを用いて一定のトルク(200W平均)で踏みそのタイムを比較します。※タイヤ重量はカタログ値で両タイヤ共250gで空気圧は6barとしました。
「ホイールのリムハイトが違い過ぎて比較にならないだろ!」という声が聞こえた気がするので補足説明をしておきます。
2種のコースプロフィール
ホイールを2種類用意したという事で、それぞれが得意とされている。急勾配と平地(若干登り)で2つのコースで計測をおこないました。
測定時は可能な限りパワーは揃えましたが若干の数字のずれがあり、そもそもホイールもだいぶ違うという事実もありますので、正確なデータで無い事をご了承下さい。
※何本も登り(疲れた)より近いワットデータを比べました。
急勾配コース
平地コース
以上の内容で測定を行ってきましたので、ここから先はその結果を数字とフィーリングの両方の観点より見ていきたいと思います。
ちなみにパワーデータなどを表示するのに使ったサイクルコンピューターはBRYTONのRider S500だったのですが、タッチパネルで本体だけで画面のカスタマイズをフレキシブルにおこなえ非常に使いやすく感じ、今回はパワーを確認しやすくする為に下記写真の様に3秒平均ワットと10秒平均ワットを大きく表示できるようにカスタムしてみました!
急勾配コースの結果
DURO(50mmハイトのクリンチャー)
タイム:3分35秒、平均ワット:194W
TLR(36mmハイトのチューブレスレディー)
タイム:3分28秒、平均ワット:195W
感想
まずはタイムですがこれは予想していた通りチューブレスが速かったですね。と言ってもかなりきつめの坂でしたからぶっちゃけホイールの差かなと。この様な結果が出たわけですが、ライダーとしてのフィーリングン面は逆でクリンチャーの方がタイムが出たかな?って感触がありました。
そう感じた理由はタイヤが路面から離れる抜けの速さが良かったからです。ちょっと分かりにくい表現ですかね。簡単に言うと転がりが軽く感じたと言っておきましょうか。その一方チューブレスは力はかかるけど進む感じが鈍く感じました。悪いように書いてしまっていますがタイムは出ているのでそこは評価をしっかりしたい所です。それに「力はかかるけど反応が鈍い」この感じを私はよく知っています。それがマウンテンバイクです!滑るダートでは路面をとらえる力、いわゆるトラクションが非常に大事で速く転がれば良いというものでもありません。そのトラクションがかかったと言う表現方法ならそんなに悪い印象も持たないかなと。
それでも個人的な感触はクリンチャーが良かったかなと思いました。
平地コースの結果
DURO(50mmハイトのクリンチャー)
タイム:2分29秒、平均ワット:201W
TLR(36mmハイトのチューブレス)
タイム:2分23秒、平均ワット:203W
感想
正直かなり驚きの結果でした。平地有利と思われたクリンチャー(50mmハイト)の方がタイムが遅かったのですから。
ではフィーリングを踏まえた感想をお話ししていきたいと思います。「平均で2Wの差があるのでこの6秒の違いはそれだ!」と言われてしまえば返す言葉もありませんが、ひとまずはライダー目線でどう感じたかなのですが、ハッキリとクリンチャーの方が速く感じました。スイスイと進む感じがして体感では逆に5~10秒違ったかな?って思う程の差があったので蓋を開けてビックリ!
なぜこんな結果になったのかを考えていきたいと思います。先ずは急勾配でも話しをしたトラクションの良さ。先ずと言うよりこれ以外考えられないのですが、平地であろうと路面を捉えてライダーのパワーを余さず推進力に替えられたからでしょうか。相変わらず路面抵抗はクリンチャーの方が軽くは感じるのですが事実としてタイムが良いのはチューブレスなんですよね~
まとめ
何度も書いたようにフィーリングではクリンチャーでしたが、どちらの条件でもタイムが出たということで、今回の条件下での検証結果としては「チューブレスの方が速い」といって良いのではないでしょうか。ただ抜けが遅い事による重さのような感覚もあることはあるのでフィーリング的にスピードが出る方が良いと感じる方にはクリンチャーが良いかも知れませんね。
テーマである「どっちが速いのか?」という観点からは関係が無いと判断した為話はしませんでしたが、乗り心地の良さは圧倒的にチューブレスの方が良いと感じていました。モチモチした感触のクッション性の良さはどのシチュエーションでも好印象を持て、特に下りではまさにストレスレス。そうそう下りと言えばコーナー時のグリップ力の話を忘れてはいけません!本文中にも書いたトラクションの良さがグリップ感となり安定したコーナーワークをうみスピードへの恐怖心を和らげてくれました。その一方比較すれば速さは感じるが硬さのあるクリンチャーは実際そんなことはないですが、滑るんじゃないかとドキドキしてしまう所は正直ありました。
個人的好み
ここまで書いてきた事を総合的に評価した結果。個人的にはAGILEST TLR(チューブレスレディー)が好きかなと、重視したのはスピード感とタイムではなくその乗り心地の良さ!振動は小さくピーキーな加速が無いので扱いやすく感じたのも◎
最後にタイヤとサイコンのスペック紹介
AGILEST TLR
¥7,370(税込)
近年流行をみせるチューブレスレディーですが価格面では1本/10,000円超えが多いのが現状の中で当モデルはそれを大きく下回る価格設定となっております!それでありながら他社のトップグレードに引けを取らない軽さも持ち合わせています!
AGILEST DURO
¥6,820(税込)
当モデルはAGILEST シリーズとしては耐パンク耐性に優れたモデルとしてラインアップされているのですが、その重量はレース向きタイヤと見紛うもので、実際に乗った感触としても軽やかに進む印象をもちました!
BRYTON Rider S500センサー付き
¥49,280(税込)
今回は短時間でかつ同じ場所の往復に使用した為その真価を感じることはできませんでしたが、タッチパネルとボタンの複合操作によりフレキシブルで感覚的に使うことができるのが非常に◎。特徴は高度なルート案内機能で音声検索も可能となっております!他にもクライム機能など注目したい機能がてんこ盛りではあるのですが、今回は長くなってしまうのでこの辺りにしておきます。
いかがでしたか?皆さんはどの機材が気になりましたか。ワイズロードでは気になった商品をオンラインを通じてご自宅からでも即注文することができます!是非ご活用下さい!
2022/8/14 安川いきる