23Cから25Cへの切り替わりの頃、時を同じくしてデビューしたシュワルベの
初代「ONE(25C)」を使っていたことがありました。
空気圧設定を間違えたか?と思ったくらいしなやかで、乗り心地が抜群に良く
マラソン的なタフでゴツいシュワルベのイメージが覆った記憶があります。
で、そのONEがPRO ONEへと進化して・・・この度フルモデルチェンジ!
久々のシュワルベとなるのですが、あの頃の良いイメージはこの最新タイヤ
にも引き継がれているのでしょうか。
〇SCHWALBE PRO ONE ¥8,800-+TAX(1本)
ケーシングからコンパウンド(ゴム)まで一新したという、シュワルベ渾身
のフラッグシップタイヤ。
ドイツブランドらしく?モノづくりは真面目ですが、イマイチ掴みどころに
欠けるというブランドイメージはこれで払拭できるのか??
〇まずは第一印象。
細い・・・25Cサイズのはずなのに。
今回付け替えたGP4000SⅡの23Cとそれほど太さが変わらない気がします。
交換時の作業性は可もなく不可もなく。チューブレスイージー(レディ)の
設定もありますが、今回試してみるのは普通のチューブドモデル。
GP4000と比べるとトレッド面が柔らかく、逆にサイドウォールが少々硬め。
コレが乗り味にどれくらい影響してくるのか楽しみです。
〇ゼロ発進。
かなり軽く、スルッと進みます。
タイヤ重量は235g(カタログ値)と特別軽いものではありませんが、流石は
フラッグシップ、ミドルグレードにありがちなモッサリ感はありません。
〇加速。
漕ぎ出しの軽快感は初期加速にも活きています。
GP4000のような濃厚なトラクションは感じられませんが、その分ゴム離れが
良いのかスルスルと加速していく感覚。
脚を止めた時の転がりは普通なので、単に路面抵抗が少ない訳ではなさそう。
トルクが掛かった時のタイヤの潰れ方や反発力、グリップ力といったバランス
が高いレベルで整っているのでは、と感じました。
〇巡行。
速度が上がってくると「グリップ感よりも転がりの軽さ重視」的な味付けが
顔を出してきます。
コンチからの乗り換えだったからかもしれませんが、前後7気圧ではフロント
の側にやや落ち着きのなさを感じました。
6.8気圧まで落としたらヒラヒラ感は多少薄まりましたが、安定感より軽快感
という印象は変わらないままです。
〇乗り心地。
かつて感じたようなしっとりとした乗り味は残念ながら失われていたものの
コレはコレでなかなか優秀。
どちらかと言えはコツコツと振動を伝えてくる硬めの乗り味ですが、収束の
スピードが速く後を引かないので、乗っていても嫌な感じはありません。
チューブレスイージー版の乗り心地の評価が高い、というのも頷けます。
〇総括。
新型コンパウンドの開発者がコンチの「ブラックチリ」の開発者という話を
聞いていたので、GP4000(本当は5000でやりたかった・・・)との比較と
なりましたが、タイヤのキャラクターは思った以上に違いました。
転がり抵抗、グリップ感、乗り心地などの要素に突出した強みはないものの
それらをバランス良くまとめ上げた「良く進む高性能タイヤ」。
グリップ特化、乗り心特化といったキャラが強いタイヤを選ぶ前に、クセが
ないこの新型プロワンを使い込んでみて、自分がタイヤにどういった特性を
求めているのかを確認してみるのも良いかもしれません。