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みなさんこんにちは。Y’s Road松山店 関です。
今回ご紹介するのは、、
ホイールの究極カスタム 第二回
ロードバイクを構成するパーツのうち
フレームの次に大きな影響力があるのがホイール!
ホイール次第で走りは大きく変わります。
今回のカスタムは「回転の軽さ」の部分
ホイールの性能を左右する一番重要な部分
今回はセラミックベアリングを導入してみます!!
これがTREKから純正オプションで用意されているエンデューロ社のZero Ceramic Bearing
最高級のグレード3セラミックボール
内外輪はミラーフィニッシュ&マグネタイトコーティング
シールはゴムではなくシリコン製で完全非接触型!
???
ちょっとよくわからないですよね、、、
自分も今回いろいろ調べましたがベアリングは奥が深い!
ベアリングは回転性能の肝!
ホイール以外にもBB、ヘッド、ペダル、プーリーなど様々なパーツに使われていて、それらの僅かな回転抵抗を減らすことが出来れば、同じ力でもより楽に進むことが出来ます。
そう考えるとチェーンやスプロケットのグレード以上に大事かも!?
大事なパーツの割にあまり知られていないので、今回詳しくご紹介したいと思います。
ご興味のない方は下の===まで読み飛ばしてください♪
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ベアリングとは回転をスムーズにするための球です。
(便宜上システム全体をさすこともあります)
まずはベアリングの種類を簡単に紹介します
ホイールに使われるベアリングのタイプは大きく2種類
シマノ・カンパなどに採用されている
カップアンドコーン式
MAVIC・DT SWISSなどの採用する
カートリッジベアリング
この2種類です。
これはメーカーやモデルごとに決まっていて、どちらがいいという事はありませんが、
カップアンドコーン
⇩
分解・清掃・グリスアップして長期間使用する。
調整によって回転精度が変わる。
ベアリングが傷んでしまった場合は補修部品で交換か、ホイールごと交換になる。
カートリッジベアリング
⇩
分解不可
正しく組み立てれば調整による差は出にくい。
傷んだ場合はカートリッジごと交換。
規格ものなので型番が合えば別メーカーの物も選べる
などといった特徴があります。
今回のようにセラミック化するにはカートリッジ式の方が確実に交換できます。
カップアンドコーン式の場合受けが傷んでしまう可能性があるため、詳しくは後述
*カンパのUSB CULTハブはもともとセラミックベアリングが入っています。
素材
スチールベアリング
一般的な金属の球
ほとんどのホイールに採用されている。
安価で頑丈、トラブルが少ない。
セラミックベアリング
黒かったり白かったりするセラミックのボール
非常に硬く、真円度が高い為摩擦が少ない。
摩耗しにくい為、粘度の低いオイルを使うことができ、ロスが少ない。
強い衝撃が加わると割れてしまうことがある。
高価
フルセラミックベアリング
球のみでなく受けもセラミック製
(フルセラミックではないが特殊加工された金属製の物も多い)
球がセラミックでそれを支える受けがスチール製だと、比較的柔らかいスチールの受けが削られてしまう為、寿命が短かったり、多めにグリスが必要なので回転が少し重い。
受けもセラミックや高硬度の特殊加工された金属にする事で少ないオイルでも十分に潤滑する事ができ、変形も少ないので回転もよりスムーズ。
非常に高価
シール
シールとはベアリング内に水やゴミが入らないようにするカバーのこと。
オレンジの部分です。
シールにも種類があり、大きく2種類。
接触型と非接触型があります。
接触型
⇩
シールが内輪・外輪と接しており、
防水性が高いが抵抗が大きい
非接触型
⇩
シールは外輪のみと接していて内輪とは接していない。
防水性は接触型に劣るが、回転が軽い
これらは目で見てもわかりますが、シールの表面に記号で表記してあるようです。
潤滑油
ベアリングにはそれぞれ適したオイルやグリスが必要。
カートリッジベアリングは適したものがもともと封入されています。
カップアンドコーンは洗浄のたびに補充する必要があります。
当店では指定の無い限りシマノのプレミアムグリスを使用しています。
カンパ系には違うグリスを使うこともあります。
スチールベアリングやセラミックベアリングには耐久性の高いグリスを
フルセラミックの物には粘度が低く抵抗の少ないオイルを使うことが多いです。
今まで意識されていなかった方も多いかもしれませんが、種類もおおく、奥が深いベアリング。
こだわってみると面白いかもしれません。
また、高価なホイールほど、耐久性より回転性能を優先することが多い為、こまめにメンテナンスに出しましょう。
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長文お疲れ様でした
m(__)m
改めて交換するベアリングを見てみましょう。
最高級のグレード3セラミックボール
⇩
セラミックの中でも非常に真円度が高い一級品
内外輪はミラーフィニッシュ&マグネタイトコーティング
⇩
受けも鏡面仕上げで抵抗が少なく、腐食に強いコーティングが施されている。
シールはゴムではなくシリコン製で完全非接触型!
⇩
耐久性より回転性の高い非接触型で、より抵抗の少ないシリコンを使用している。
簡単に言うとこんな特徴の高級ベアリングなのがお分かりいただけたでしょか?
この他にも、セラミックスピード、TOKEN、TNIなどのメーカーからもお探しすることが出来ます。
前置きがだ~いぶ長くなってしまいましたが、、
いよいよここから交換作業。
まずはハブのキャップを外して、
元のベアリングを叩き出します。
前輪は問題なく取り外し完了。
しかし、後輪はどんなに叩いても元のベアリングが出てこない!!
調べたらなるほど専用工具が無いと外せないんですね、、、
しかもこの工具、ワイズロード内でも持っている店舗・スタッフが超少ないレア工具らしく、、、
泣く泣く購入、、、(T_T)
手前のラッチェット台座を外し、無事ベアリング摘出。
(´ρ`)
新しいベアリングを圧入して途中いろいろありましたがベアリング交換完了!!
乗ってみると、明らかに軽い!!
という事はありませんがΣ(゚Д゚)
加速がより鋭く、剛性感が高まったようにも感じます。
数十km走って数秒・数分の違いのはずなので、ビックリするほどは変わりませんが、逆に考えると、
ベアリングを変えるだけで確実に速くなるので1分・1秒を争うアスリートなら交換するにこしたことはないでしょう!!
ただし、破損のリスクや定期的なメンテナンスが必要な事はご留意くださいね。
一応どれくらい回るか実験してみました。
(参考程度にご覧下さい)
振れ取り台にホイールをセット。
スピードメーターをつけて、30km/hから10km/hまで速度が落ちるのに何秒かかるか計測してみました。
結果
ノーマル 54秒
セラミック 58秒
僅かですがノーマルより長く回転することが確認できました。
もう少し使用してなじみが出ればもう少し違いが出るのか??
同じ条件でカンパホイールと比べてみようとも思いましたが、リムの重量が違えば慣性などの条件が違うのでやめました。
結局カンパのCULTハブに勝てたかはわかりませんが、勝るとも劣らない所までは行けたと思います!!
前回のカスタムと合わせて、
前後1000g以下
セラミックベアリング
54Tスターラチェット
ヒルクライムに特化した超高性能ホイールがカスタムできました!!
ホイールのベアリングには普段から体重以上の負荷がかかっているので、長くても3年以内、できれば毎年メンテがオススメです。
ベアリング交換のタイミングでセラミック化するのも良いと思います。
今回はベアリングという普段目に付かない
縁の下の力持ちなパーツをピックアップして詳しくご紹介しました。
自転車のパーツは奥が深いですね!
細かいパーツ一つ一つを見直して改善してみてはいかがでしょうか?