痛みシリーズ「手が痛い」「膝が痛い」「足が痛い」「お尻が痛い」「首肩が痛い」クリックで記事に飛びます。
スポーツバイクに乗ると「腰の痛みを訴える人」や「腰痛が改善した人」がいます。
その違いはいったい何でしょう。
1.自転車が原因と考えにくいもの
・椎間板ヘルニア:椎間板が飛び出し神経を圧迫、腰痛や下肢の痛みやしびれなどが起きます。構造的に頸椎(首)と腰椎(腰)におこりやすいです。
・ぎっくり腰:「急性腰痛」とも呼ばれ、急に重いものを持ったりしたときに走る激痛が特徴です。
・腰部脊椎間狭窄症:腰椎が加齢とともに変形し、神経を圧迫して痛みなどを起こします。
・圧迫骨折:転んだり強い衝撃や圧力がかかって、腰椎が骨折や剥離骨折し痛みが出ます。
その他、腰痛は多岐にわたりますが、「内臓疾患」や「ガン」などによるものもあるので、病院で診てもらいましょう!
2.どんな時に傷むかを知ろう
「筋・筋膜性腰痛」:自転車で考えられ、対応できる腰痛です。
・原因:スポーツなどで腰の筋肉に急にストレスがかかったり、姿勢などで慢性的に筋や筋膜への持続的なストレスが生じた場合などにおこります。
・対応:ストレッチなどで緩める・血流を上げることで痛みが和らぎます。フォームやポジションが良くないために傷みやすい姿勢になっていることもありますので、見直しが必要です。
A.前屈痛:坐骨神経痛や足のしびれがない場合で、前屈で筋肉が引き伸ばされて痛みが出る/増す場合「筋・筋膜性腰痛」が考えられます。
B.側屈痛:痛みのない側へ側屈すると傷む(右の腰痛があり左に傾けると傷む)場合は「筋・筋膜性腰痛」が考えられます。
*坐骨神経痛や足のしびれがある場合は椎間板ヘルニアが疑われます。
*後屈痛は、脊椎・椎間障害、すべり症、脊柱管狭窄症などが疑われるので病院で診てもらいましょう。
3.姿勢・身体特徴を知ろう!(予防も含め自分の特性を知りましょう)
柔軟性のバランスの崩れた状態を一部ですが下記に紹介します。
前屈時にチェックできるものです。
A.ハムストリングスが固く、腰・背部の柔軟性が高い状態の前屈です。
骨盤を立てることができなくなっていますが、一見すると正常に見えます。。
B.ハムストリングスに加えて、下腿三頭筋と腰部(腰方形筋・起立筋)が固くなっている状態です。
C.骨盤が立つ程度のハムストリングスの硬さ(Bよりまし)で、背部の柔軟性が高い状態です。
D.ハムストリングスの柔軟性が高いが、腰部の筋肉が固くなっている状態です。
前屈一つでもいろんな見立てができます。
★固い(濃い赤のところ)=痛みが出やすいところと考えて良いと思います。
参考↓立ち姿にも筋肉のバランスの見立てができます。
参考までに一部紹介します。
横からだけでなく後ろから見ても筋肉のアンバランスさが見とれる場合があります。
左右対称の「自転車」に乗るからには、左右非対称の状態は良くないです。
↑骨盤の高さは同じですが、腰部の高さが左右で違います。
この左右差が痛みに繋がる場合があります。
4.スポーツサイクルで酷使されやすい腰部の筋肉(痛い場所)
とくにロードバイクは前傾をとるため、支える筋肉が「地味に」酷使されます。
推進力となる手足の筋肉だけじゃなく、その軸となる体幹の筋肉です。
疲労が溜まりやすく抜けにくいので痛みが出たら、即痛みへの対処&原因改善(フォーム・ポジション・体の使い方・普段の姿勢も含めて)が必要です。
A.腰方形筋:体幹の側屈を行う、前傾時に上体と骨盤とをつないで支えています。
上体を支えつつ、ダンシング時のひねりの動作でも使われます。
横から触るとわかりやすいです。固くなって押すと痛みが出ることも多い筋肉です。
B.広背筋(下部):背骨から腕に付いている筋肉です。ロードでハンドルが遠いと過度に伸ばされて筋肉の負担が高まります。広背筋は腰部での痛みは分かりにくい(出にくい)と思います。
C.脊柱起立筋:背骨付近に集まっている筋肉群の総称です。
背骨だけでなく骨盤の中央部から筋肉が付いています。
背骨を支えているので、無理な前傾姿勢は負担が高まります。
5.実際のフォームによる腰痛(一例です)
研修などで実際に見たスタッフの例です。
骨盤に対して腰が沿ってしまっています。
★ハンドルが高いポジションで乗っているときにもなりやすいです。
立っている骨盤(緑)と背骨(黄色)の接点部での痛みが出やすくなります。
過度に沿っていると腰部の筋肉(起立筋や腰方形筋)に負担が高まっている可能性があります。
腰部痛ではありませんが↓参考までに
こちらは腰部には痛みは出にくそうな骨盤~腰部にかけて自然な流れなのに対して、背中を急に曲げて前傾をとっているので背部痛が出やすくなりそうです。
★ハンドルが低いポジションで乗っている時にもなりやすいです。
㊟ハンドルが近い/遠いでも姿勢が変わります。
痛みや走りやすさなども考えながらハンドルの高さと距離を調整しましょう。
総括
なかなかまとめにくく、見辛い内容になってしまって申し訳ないです。
膝の時のようにはいかず分類も、痛みの出方・普段の姿勢/乗車姿勢・よく使う筋肉からとなりました。
普段の姿勢や癖、仕事などによる影響も受けやすいのが腰です。
ですので、普段腰痛が出やすい状態の人でも、正しいポジションとフォームで自転車に乗ると腰痛が解消されたり軽くなったりもします。
逆もまたあります。
普段何ともないのに自転車に乗ると腰が痛くなるという方は、乗車姿勢や普段の姿勢を画像や動画でとってもらいましょう。
改善のヒントになると思います。
左右対称も改善のためのポイントです。
個人差が大きいフォームですが、左右差が少ない「自転車」という乗り物に乗るうえで「人も左右差がない」方が理想的です。
左右差は、腰痛改善の一つのポイントになります。
左右差が無ければフォームなどによる「姿勢と体の使い方」を疑った方がよいと思います。
では「正しいフォーム」って何?
当社のバイオレーサーフィッティングサービスでは、ロードの基本フォームとして
①骨盤が水平に対して40-50度前傾する。
②体幹-上腕が90度前後開く。
③肘が15度前後曲がっている。
④背中は過度に丸めない(アーチを無理に作らない)。
などがあります。
もちろんこれはベースというだけで、当社のフィッターはここから「個人」を見てポジションを調整していきます。=それが「バイオレーサー」!!
ハンドル位置を変えるには安価でバリエーションの多いステムが一番!
[ysid 21431678]
[ysid 21325847]
ベネフィットのステムは角度が6度は長さが35-130mm(5mm刻み)
角度が17度は長さが50-130mm(10mm刻み)
と出せないポジションはないのでは?というくらい細かくてフィッティングに最適です。
参考資料
「肉単」「3D踊る肉単」
「ケンダル 筋:機能とテスト-姿勢と痛み」