こんにちは!お茶の水店、サカグチです。
自転車のパーツアップグレードの中でも走りの違いを感じられるベアリングのカスタマイズ。ホイールのハブやBBなどをセラミック製の物に交換することで走りの質を向上させることができます。今回は当店が最もオススメしているベアリング、Oni BEARINGのご紹介です!
カスタム費用
ホイール(ハブ前後、フリーボディ込み):約¥200,000(税込)~
BB:約¥78,100(税込)~
※ベアリングのサイズによって値段が変わります
このお値段を見て大半の方はいや、高すぎだろ!と思われるかもしれません。実際のところ、私も店舗で取り扱いを始めることになった際、価格を聞いた時は費用対効果的に微妙なのではないかと思った程です。しかし、実際にJTEKTの方からお話を聞き、実物に触れ、試乗もしたことで考えが180°変わりました。Oni BEARINGは間違いなく値段相当の価値がある商品だと。
というわけで、Oni BEARINGについて説明していきます。
そもそもベアリングって?
黒いもので蓋をされている中に球が入っています。その球が外側の銀の部分(外輪)と内側の銀の部分(内輪)の隙間をころころと転がることで回転運動を生み出します。自転車においては、ホイールを始めとして、ペダル、BB、ヘッド部分などあらゆる稼働部分に用いられております。最近よく聞くのは、カスタムとしてセラミックのベアリングを入れるというもの。セラミックスピード社のものがとくに有名で、同社BBは当店でも多くのお客様に支持をいただいております。
JTEKTについて
「鬼ベアリング」を開発したJTEKT様は、世界で5本の指に入る超大手ベアリングメーカー。自転車のみならず産業分野など幅広く用いられており、信頼性と性能の高さがうかがえます。2021年に東京で行われたあのスポーツの祭典において、女子オムニアムで金メダルを獲得したジェニファー・バレンテ選手が、日本のARAYAホイールを使っていたことは話題を呼びましたが、そのホイールに使われていたベアリングはJTEKTのものでした(鬼ベアリングではありません)。また、国内チームのマトリックスパワータグや、UCIワールドチームのヴィスマ・リースアバイクの機材には同社の鬼ベアリングが採用されています。
究極のスピードを求めるあなたへ
「鬼ベアリング」の公式HPをみると上記の文言があります。この製品はまさに究極のスピードを求めて、世界に類を見ない程こだわり抜かれて開発されています。
圧倒的回転の軽さ
MAVIC社の純正、某有名メーカーA社、A社の上位モデルCOATED仕様と比べて、圧倒的に回転が軽い!他社製品の回転が止まっても悠々と回り続けることがグラフからわかります。
また、回転に必要なトルクも、他社より軽くなっております。こちらのグラフは左から、純正・A社・A社COATED・鬼ベアリングとなっております。某有名メーカーA社と比べても回転が滑らかであることが分かりますね。COATEDというだけでお分かりになる方も多いでしょうが・・・笑
両方のグラフを見るとOni BEARINGがダントツの性能を誇っていることが分かりますが、この数値は決して大袈裟な表現ではありません。以前、JTEKT様に持ち込んでいただいた重機のホイールを回してみたことがあるのですが、純正や他社製に比べてびっくりするくらい回転数が落ちませんでした。
※現在この重機は設置されておりません
ではこれを可能にするのは一体何なのでしょうか。
性能へのこだわり
1.設計
こだわりポイント1つ目は素材。ベアリングの球にセラミックを採用し、内輪外輪にステンレスを使用することで低負荷かつ錆に強い耐久性を獲得しております。また、通常よりも大きい球を使用することで球数を減らし、抵抗の削減を図っています。
2.潤滑
ベアリングの天敵は水分塩分。これらが付着することで錆が発生し、回転が渋くなっていきます。その対策として、ベアリング内部のボールとボールの間にグリスを封入します。そうすることで、錆の原因となる物質を防ぐ役割をしてくれます。しかし、この封入されたグリスが回転の抵抗となってしまうのです。錆びて回転が渋くなるのを防ぐためにグリスを入れるとそれでも回転が渋くなってしまう、まさにジレンマですね。
「鬼ベアリング」では、これを解決するために、内輪にベアリングを封入する手法を取りました。内輪は「凹」のような形をしています。真ん中のへこみの部分をボールが通るのですが、この部分に溝を作りそこにグリスを封入しています。ここに封入されたグリスは、球の回転の風圧に伴って少しづつ染み出してきて潤滑に必要最低限な量のみが内部に侵入する仕組みになっています。JTEKTの特許技術と高い技術力の賜物であり、他社には真似できません。
写真は一般的なグリス封入の例。左がグリス封入前で右がグリス封入後。グリスが切れてしまうことが一番怖いためたっぷりと入れますがこれが回転を妨げる元となってしまいます。
3.耐久性
ベアリングの球はむき出しなわけではありません。シールと呼ばれるカバーをかけられ、外に露出しないようになっています。完全に密閉される接触型、少し隙間が空く非接触型の2種類があります。接触型は回転が渋くなってしまいますが防水防塵性に優れているという特徴があります。シマノのBBはこのタイプです。一方で非接触型は回転が軽くなるものの、汚れや水の侵入に弱いという特徴があります。
最速を目指して開発された「鬼ベアリング」は非接触型を採用しておりますが、特殊な設計により弱点を克服。内輪とシールの間に水の通り道となるラビリンス構造と呼ばれる特殊な形状を採用することで、ベアリング内部の球に水分が付着しないようになっています。内輪はステンレスなので水分が付着してもそうそう錆びません。「鬼ベアリング」が支給されているマトリックス・パワータグの選手が半年間使用したベアリングを回収したところ、ラビリンス構造の溝内部に水分は見られたものの、球やその付近に水分は無く、もちろん内輪外輪共に全く錆は無かったそうです。プロ選手の半年ですから、我々一般のライダーからすると数年分に匹敵する距離や負荷がかかっていてそれなので、かなり耐久性は高いと言えるでしょう。
どのような方にオススメか
自転車の種類や脚力問わず、今よりも「ラクに速く走りたい」という気持ちがある方全般におススメ。中でも特におススメしたいのが、既にある程度グレードの高いホイールを持っていて、さらなる買い換えを検討されている方です。ベアリングのカスタムでお手持ちのホイールが大化けするかもしれませんよ!
試乗も可能
当店に置いてあるS5の試乗車には、まさにこのOni BEARINGがインストールされています!乗り味を確かめたいという方、是非試乗してみてはいかがでしょうか。
※試乗の際は「顔写真付きの身分証明書」が必要です。未成年者は保護者の同伴が必要になります。雨天時・日没後は試乗頂けませんのでご理解の程よろしくお願いします。
最後に
ホイールやBBのOni BEARING化は適合する商品のみ可能となっています。純正ベアリングのサイズがラインナップにあることが条件です。詳しくはJTEKT様の適合表をご覧下さい。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。このブログを読んでカスタムしてみたい!という方がおりましたら、是非一度ご相談下さい!皆様のご来店、お待ちしております。
以上、サカグチでしたー