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【IRC】マイナーチェンジしたロングセラーモデルの実力や如何に?【MTB】

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川崎店】村 拓治 24年11月28日

購入から約1年経過したCANNONDALE HABIT 4。
結局トレイルには1回しか行けていないのですが、近所のオフロードを走ったり、通勤でも乗ったりしているので、タイヤがだんだん減ってきました。
サイピング(接地面の溝)が浅くなっていますし、そろそろちぎれそうなブロックもあります。
純正のMAXXIS REKONはわりと気に入っていましたが、残念ながら29×2.4サイズが国内未展開なので、他のモデルを探すことにしましょう。
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タイヤ探しの条件

サイズ

フレーム、フォークのクリアランスから純正の29×2.4を上限とし、多少細くなるのは可とします。
具体的には2.3~2.4といったところでしょうか。

重量

自宅周辺は自走で移動しますし、トレイルライドもアプローチの舗装路が結構長いことが多いので、1本あたり1000g未満を目標とします。

トレッドパターン

純正のMAXXIS REKONは全体にブロックが小ぶりな分、漕ぎは軽いのですが、サイドグリップがやや物足りなく感じられます。
センターブロックが低め、あるいは間隔が詰まっていて漕ぎが軽く、倒しこんだらサイドブロックがしっかりグリップしてくれるのが理想です。

候補に挙がったタイヤ

MAXXIS DISSECTOR 29×2.4 WT

HABITシリーズの上位モデルに純正採用されているモデル。
全体的にブロックが高めでしっかりグリップしてくれそうですし、重量も900gからとそこそこですが、ひとつ問題が…

モデル名の"WT"は"Wide Trail"ケーシングの略で、最近主流となっている内幅30~35mmのワイドリムに最適化されています。
これに対してHABIT 4のリムは内幅25mm。5mmの差なので履けないことはないでしょうが、タイヤ本来の性能を発揮できなかったらもったいないと考え、今回は見送ることにしました。

 

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IRC TANKEN 29×2.3

IRCが内嶋亮選手と共同開発したエンデューロ向けモデル。
ハイグリップでトレイルにも最適と、社内のMTB好きの間で評判です。
価格も手ごろで魅力的ですが、重量が1000gを超えているのがネック。

 

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PIRELLI SCORPION TRAIL M 29×2.4

モータースポーツの世界では知らぬ者のないピレリ。
数年前に自転車用タイヤの製造を再開し、ロードレースではリドル・トレックチームにタイヤを供給するなど、着実に存在感を高めてきています。
MTBではDH、ENDURO、TRAIL、XCの4シリーズを展開し、さらにその中に

H: ハードパック路面用
M: オールラウンド
S: ウェット用
R: リア専用
の4パターンが存在するというラインナップの豊富さ。
モトクロスのタイヤと同じモデル名というのもカッコいいですよね!

 

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SCHWALBE NOBBY NIC 29×2.4

シュワルベのオールラウンダートレイルタイヤ。
先代のTREK FUEL EXに乗っていた時、29×2.6を履かせていました。
その名の通り高めのブロックが密集しているパターンで、コーナリング時の安心感はなかなかのもの。
サイズのわりに軽量なのも特徴で、今回検討している29×2.4サイズはメーカー公称850g。漕ぎの軽さもある程度期待できそうです。

 

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購入したタイヤ

 IRC MIBRO FOR MARATHON 29×2.3 ¥8,690-(税込)
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セルフディスカバリーアドベンチャーin(SDA)王滝に向けて開発され、同レースでは圧倒的な使用率を誇るモデル。低く連続したセンターブロックで回転抵抗を抑えつつ、倒し込むとサイドブロックがしっかり効くトレッドパターンになっています。
重量は29×2.3サイズで735gとXCタイヤなみなので、漕ぎは相当軽いはず。

ちなみにIRCが初代MIBROを発売したのは2000年代初頭で、クリンチャーとチューブレス(シーラントを使わない初代UST)の2種類がラインナップされていました。
当時、26×2.1のチューブレスモデルをハードテールのXC車に履かせて乗っていましたが、「漕ぎはそこまで軽くないし、グリップもそれなり。チューブレスのわりに軽いけど弱そう…」というのが正直な感想。
それを裏付けるかのごとく、すぐに大きめの傷が入ってしまったので交換し、以後は自分のMTBにIRCのタイヤを選ぶことはありませんでした。

しかし、その後SDA王滝が人気となるにつれて、漕ぎの軽さとサイドグリップの両立を図ったMIBRO FOR MARATHONが開発されます。
そして2021年にマイナーチェンジされ、それまで2.0インチ幅のみだった29インチモデルは、29×2.1と29×2.3の2種類へ拡大。
トレッドパターンもコントロール性重視に変わり、レースのみならずトレイルまでカバーできるとの触れ込みなので、TANKENではなくこちらを選択しました。
約20年の間にどう変わっているのか楽しみです。

 

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タイヤ交換

まずは古いタイヤ、チューブをホイールから取り外します。
ついでに振れ取り台に載せてみましたが、振れはごくわずかでした。
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1年間乗ったので、チューブも一緒に交換しておきましょう。
シュワルベのチューブはサイズの適用範囲が広く、なんと27.5インチと兼用することも可能です。
SCHWALBE チューブ 19SV ¥1,320-(税込)

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今回TANKENではなくMIBRO FOR MARATHONを選んだのは、川崎店スタッフの原澤が愛車DOGMA XCに履かせていたから、というのも理由のひとつです。
それにしても、ロードはもちろんMTBまでピナレロとは担当の鑑!
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新しいタイヤをホイールに取り付けたところで並べてみました。
左が原澤の使用している旧モデル(27.5×2.25)、右が私の購入した現行モデル(29×2.3)です。
呼び寸では0.05インチ=1.27mmの差ですが、リム幅の違いもあって、だいぶ太く見えますね。
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トレッドパターンはよく似ていますが、現行モデルの方がブロックの間隔が広く、よりアグレッシブなデザインになっています。
また現行モデルは、センターブロックが進行方向に対して斜めに角度がついており、回転抵抗を軽減する工夫も見てとれます。

ちなみに前後輪とも上限の3気圧まで上げたところ、数分で完全にビードが上がりました。
推奨は2~3気圧とのことなので、とりあえず下限界値の2気圧まで下げて乗ってみることにします。
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インプレッション

舗装路

会社でタイヤを交換した後、帰宅しようと漕ぎだした瞬間に分かる軽さ!元のタイヤがワイヤービードで重かったせいもあるでしょうが、それを差し引いても圧倒的です。
初代ミブロは舗装路だとセンターブロックが常時ヨレている感じで、漕ぎが軽いとは言い難かったのですが、現行モデルはほとんど抵抗を感じさせません。センターブロックが回転抵抗を軽減させる形状に変更された影響もあるのでしょうが、20年間のコンパウンドの進化も大きそうです。

そして次に感じたのは、意外にもブレーキの効きの良さ。ブレーキの引き始めから制動力が素直に立ち上がって、完全停止までの挙動が実に分かりやすくなりました。IRC伝統(?)の後輪逆履きが効いているのでしょうか。
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オフロード

自宅に乗って帰った翌日、さっそく近所のオフロードで乗ってみましたが、ここでも「漕ぎが軽い!」という印象は変わらず。
かなり薄いタイヤですが、2.3インチ幅のおかげか、2気圧でもヨレる感じはありません。
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車体を立ててセンターブロックで走っている間はとにかく漕ぎが軽く、ある程度倒し込むとサイドブロックがしっかり仕事をしてくれるという感覚が、オフロードだとより如実に伝わってきます。今回のタイヤ選びの目標通りと言っていいでしょう。
漕ぎは軽いですが、登りでトルクが抜ける感じはなく、ブレーキの効きの良さもオンロードで感じた通りです。
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ドロップオフの着地ではさすがにタイヤの変形を感じるので、下り重視のライダーはTANKEN等、より高剛性でハイグリップなタイヤの方が安心して走れるでしょう。しかしHABITのようなトレイル向けフルサスや、最近流行りのダウンカントリー系バイクである程度サスペンションに任せた走りをするなら、間違いなくMIBRO FOR MARATHONは最適な選択肢のひとつです。
結論。IRCのロングセラーモデルは約20年の間に圧倒的な進化を遂げて、現代のMTBにふさわしい性能を備えていました!

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