京都店古谷です。
高機能、高性能ながらも廉価な価格を実現し、国内外のプロチームにも機材提供する台湾のサイクリングコンピューターメーカー、bryton。
そのbrytonから先日発売されたばかりのセカンドグレードモデル、Rider 750のデモ機を貸して頂いたので、サイクリングに持ち込んでみました。ということで、今回は商品紹介に加えて、写真多めでレビューをさせて頂きます!
商品詳細紹介
bryton Rider 750
本体のみ:¥32,780
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トリプルセンサーキット(スピード、心拍、ケイデンス):¥42,680
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セカンドグレードといっても、機能はフラッグシップと同等。
後程詳しく記載させて頂きますが、フルカラーの高精細タッチスクリーンディスプレイを搭載。またスマートフォンとの連携が前提になるものの、単体でのルートの音声検索・設定も可能となっています。
また、このモデルの売りの一つにグラフィック表示モードいう要素があります。文章で説明するより分かりやすいので、メーカーサイトの方から画像を拝借してきました。
こんな感じに、パワーなどを車のメーターのように表示でき、直感的に見られます。
この機能、パワーメーターを使っていない私には関係ないかな、と思っていたのですが、スピードやケイデンスでも使えるのを執筆時になって知りました...
GARMINとの比較
さて、機能が充実する一方でサイズはかなり小型化されています。bryton現行フラッグシップ機のRider 860、競合機のGARMIN EDGE 830と並べてみました。
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Rider 860と比較すると、ディスプレイサイズはそのままに大幅に小型化されていること、またEDGE 830と比較すると縦に長いことが見て取れますね。自転車に付けてもそこまで目立たずスッキリして見えるくらいのサイズ感です。
詳細スペック
Size
92.5×49.7×23.8 (縦×横×厚さ) (mm)
重量:93g
Specification
ディスプレイ:2.8 インチタッチパネル・カラー液晶ディスプレイ
バッテリー駆動時間:最大20時間
防水機能:IPX7
動作温度:-10°C~50°C
表示データ数:99+
ログ記録:最大1000時間
気圧高度計:内蔵
オートバックライト:対応
オートスタート・ポーズ:対応
Connectivity
無線LAN:対応
Bluetoothセンサー:心拍数/速度/ケイデンス
ANT+ センサー:心拍数/速度/ケイデンス/パワー/電子変速
電子変速システム:SHIMANO Di2, SRAM, eTap, Campagnolo EPS
Bryton Active App:Wi-Fi・Bluetooth(iOS & Android)
対応サードパーティアプリ: Strava, TrainingPeaks, Selfloops, Komoot, Ride with GPS
Strava自動同期:対応
ファームウェア・アップデート/GNSS:無線LAN
ゴールデンチーター(GoldenCheetah):対応
Navigation
マップのダウンロード:対応
グローバルオフラインマップ:対応
ルートナビ:対応
リルート:対応
POIや住所を検索:対応
自転車の種類による適するルートを計画:対応
等高線/陰影起伏レイヤ:対応
スタート地点へ戻る:対応
レビューします!
ではここからは私の使用レビューを記させていただきます!
私自身brytonのRider 450というミドルレンジのモノクロ液晶モデルを所持しており常用しているので、そちらとの比較も交えて紹介させていただければと思います。
今回選んだ舞台は、兵庫県は淡路島。
通称アワイチと呼ばれる、淡路島を一周する150kmくらいのコースをRider 750と走ってきました。
ちなみに服装ですが、上は保温インナーに10℃帯ジャージ、下はインナーなしで5℃帯のビブタイツで、走っている最中はちょうどか状況によっては少し暑いくらいでした。足先は相当に冷えたのでトゥカバーと、体を止めた時用のウィンドブレーカーがあればなお良かったかなという印象です。
ぼちぼちウェアの選択が難しい季節になってきましたが、京都店には多数のウェア在庫と、詳しいスタッフも在籍しておりますので、ご来店の際には是非お気軽にご相談ください!
さて、朝は5時くらいに出発し、集合場所のコンビニまで移動。
走り出す前にセンサーやバイクの設定を...と思ったのですが、ここでいきなり気になる点がひとつ。
このRider 750、タッチパネル対応が売りのひとつで、項目設定などで使う場面も多いのですが、タッチ感度が正直言ってちょっと微妙です。
タップ操作はたまにもっさりする程度なのですが、スワイプ操作は結構しっかり入力してあげないとうまく反応してくれません。
本体の操作は、走り出してしまえば基本的にサイドボタンが多いので、個人的にはそこまで問題だとは思いませんでしたが、気になる方は店頭にデモ機があるのでお気軽に触れてみてください。
設定を終え、走り出してみてまず真っ先に感じたのが、メーターの数字が読みやすい!ということ。
ディスプレイサイズはRider 450とそこまで変わらないので、これはひとえに解像度の高いカラー液晶によるものでしょう。低解像度モノクロディスプレイとの差は、夜間だと特に顕著です。
解像度の高さがお分かり頂けるでしょうか。
この写真では中央上部に速度と走行時間、下部に小さく距離、登坂高度、勾配、平均速度を表示していますが、iOS/Android用にリリースされているbryton appを使用することで、自由にカスタムできます。
こんな感じで非常に分かりやすく直感的に操作できるようになっています。表示する項目の内容だけでなく、項目数も自由に編集可能(最大12項目)。
項目編集だけでなく、bryton appが非常に使いやすいのも立派な特徴のひとつです。
左から過去ログの参照、ルート・トレーニング関連、使用者プロフィール編集、デバイス設定とページが四分割されています。全てしっかりと日本語化されているのはもちろん、使い勝手もすこぶる良好です。
話が逸れてしまいました。さて、集合場所のコンビニまで近付いてきたものの、地図を確認しないと道がよくわからない...
そこで(横着して)ナビ機能を試してみました。
下位モデルのRider 450やRider 420にもルートナビ機能が付いているものの、正直なところあくまで簡易的なもの。どこの交差点を曲がる、などを確認するくらいには使えますが、ディスプレイのスペック的にマップとして使用するのは正直厳しいところがあります。
Rider750はというと、まずbryton app経由でのルート検索に加えて、本体のみでの検索も可能になっています。そしてなんと音声検索にも対応。ここはAndroidベースのOSの為せるところ。
そこで試しに音声検索を使ってみることに。特にハキハキと意識するようなこともなく、「セブンイレブン西京極」と、結構長めのワードを喋りかけてみます。音声検索って、スマホでも誤認識が結構あるイメージでしたが...
一発。何度か試してみましたが、やたらと精度が高いです。S○riより優秀かも。
集合場所からは車で淡路島まで移動し、橋のふもとの辺りからスタートします。再びRider 750を起動。
そこそこ直射日光の差す晴天下でしたが、ディスプレイの視認性は良好。輝度設定をオートにしておけば基本問題なく運用できそうです。
淡路市を抜け、洲本市に入ってしばらくすると、ちょっとした山岳地帯が続きます。コース自体の獲得標高はそこまででもないアワイチですが、中盤あたりにアップダウンが密集しているので結構ツラかったです。。。
山中でも途切れることなくしっかりGPS拾います。
基本的に地図はとても見やすいのですが、拡大・縮小の際には少しロードが入ります。ここはGARMINに一歩譲るところでしょうか。
山岳地帯を抜けると、しばらくひたすら海沿いを走ります。アワイチは海岸線沿いを走る距離が非常に長いので、普段自転車に乗る際あまり写真を撮らない私もつい一枚だけ写真を撮りました。
伝わりにくい写真になってしまったかもしれませんが、特に西岸の方はとても砂浜がキレイで、水も澄んでいます。
今回のライドで撮影した景色の写真、この一枚だけ...。無味乾燥なブログになってしまい申し訳ございませんが、もうしばらくお付き合いください。
先にも述べたルートナビですが、ログの記録中はbryton appを用いる形となります。目的地を設定すると自動でルートを作成してくれるのですが、これがまた優れもの。自転車に最適なルートを考えてくれます。
ルートの高低差を表示してくれるのも嬉しいところ。
Go○gle Maps(伏せ字が意味をなしてないですね)などのスマホの地図アプリのナビ機能だと、なかなか思うようなルートを生成してくれないことも多いんですよね。設定が自動車だと自動車専用道路を使うルートになっていたり、徒歩だと住宅街の細い裏通りを通るようなルートにされてしまったり...など。その辺りの痒いところにもしっかり手が届くようになっています。
肝心のナビ機能ですが、これも非常に出来が良いです。
そもそものマップのクオリティが高いことも大きいでしょう。高精細なディスプレイの賜物で、スマホの地図をいちいち取り出さなくても大丈夫なレベルです。拡大すれば地名表示もしっかり出ます。
直射日光下で撮影したので見にくいですが(申し訳ございません)、比較的落ち着いた色で表示されるマップに対して、ルートの線はビビッドなピンクで表示されるのでとても分かりやすいです。
高低差の表示にも対応しています。
また、曲がる地点の交差点に近づくとピピッと通知音を出して教えてくれるので、うっかり通り過ぎるといった心配はありません。
GPSで残り50mの地点で鳴るようになっているのですが、これが絶妙。
GPSの位置情報が機器に送信され、更にそれを機器が地図に反映するまでは少しタイムラグがあるので、機器上で残り50mの時には実際にはもう少し進んでいることになります。例えば速度が時速30km、タイムラグがざっくり3秒とすると、その間に自転車はおおよそ25m進みます。
残りの25mを減速含めて平均時速20kmで進むとすると、経過する時間はおよそ5秒弱。
これが、通知音を認知→旋回準備→旋回開始、までのプロセスに必要な時間にちょうど良いんですよね。開発チームはこの辺結構煮詰めたんじゃないでしょうか。あくまで個人の感想、そして邪推ですが...。
アワイチの後半は、ほとんどアップダウンがなく、海岸線沿いに平地をひたすら走るのですが、海が近いので風が強い!追い風だったら良かったのですが、運悪く行きも帰りも向かい風でした。。。
ラスト20kmくらいには、街灯どころか本当に明かりが全く無く、完全な暗闇の区間もあるので、日没前に帰れるスケジュールを立てるか、相当に明るいライトを用意してゆくのが吉ですね。VOLT400だと相当不安でした。
帰りの都合で道中15km程ショートカットしたのですが、無事帰ってこられました。
ログをすぐ本体で確認できるのも750の美点のひとつですね~
GPSサイクルコンピュータで気になる要素のバッテリー持ちですが、公称は20時間。
今回は約10時間使用のうち、半分以上晴天の下ディスプレイの輝度高め、ナビ使いっぱなしとそこそこ過酷な条件でしたが、ライド終了時に3分の1はバッテリー残っていました。
このRider 750のちょっとした欠点としてバッテリー残量が数値として表示されないという点があり、ざっくりした判断になってはしまいますが、公称20時間というのはあながち間違ってもいないかと。
ブルベなど、超長時間のライドではモバイルバッテリーが必須とはなりますが(充電しながらの使用も可能です)、日帰りのライドならば基本的にバッテリーの心配は必要なさそうですね。
ちなみにこのRider 750、メールや電話、一部SNSの通知表示にも対応しています。
このような感じで、下部にポップアップ通知が来ます。この辺りの視認性も非常に高いです。
さすがに返信機能などは付いていませんが、メッセージの確認はバッチリできます。
いかがだったでしょうか。
ディスプレイは見やすく、操作性も良好、優秀なナビ機能に、バッテリー持ちも問題なし...個人的には大満足な一台でした。
ただ先に述べたようにタッチパネルの感度は手放しに褒められるものではないので、気になる方は購入前に一度実機を触れてみることをお勧めします。
ちょっとした瑕疵はあるものの、ここまでのスペックをこの価格で実現できているサイクルコンピューターはなかなかないですよ!
450を買ったばかりの私も、つい欲しくなってしまいました。
京都店にはbrytonユーザーのスタッフが多数在籍しておりますので、ご来店の際にはお気軽にご相談ください!
デモ機も置いてお待ちしております。