チャーリー店本日の作業は『バラ完』。
ケーブルフル内装仕様の軽量オールラウンダー、トレック『エモンダSL』を組み立てます。
近年のセミエアロなフレームは油圧ディスク、電動コンポ前提なものも多いですが、トレックはパーツ選択の自由度が高いので、今回はブレーキも変速も機械(ワイヤー)式にて組み立てていきます。
まずはホイールから
オーナー様は当店で何台も組み立てをご依頼いただいているので、今回、ホイールは以前組み立てた車体から流用することに。
マビック『キシリウムプロカーボンSLCディスク』にコンチネンタル『グランプリ5000』を装着し、軽量オールラウンダーにふさわしいハイクラスな足回りを奢ります。
お持ち込みいただいたホイールは、フロント15mmスルー、リアQR仕様。
少し前の規格のフレームに取り付けられていたため、まずはハブキャップを組み替えていきます。
2018年以前のQRMハブは、ハブシャフトの外側にネジが切られていて、15mmスルー用のエンドキャップがねじ込まれているので、切り欠きに細長い棒(今回は3mmの六角レンチ)を当てがって回します。
どちらか一方のキャップを外すとシャフト本体にも切り欠きがあるので、反対側のキャップも同じように外します。
リアのキャップはシャフトに差し込んであるだけなので、すぐに外れます。
勢い余ってフリーボディの中身がバラバラになってしまわないように注意。
QRMハブは、現行の“QRMオート”ハブと違い、左右のキャップに区別がないのでわかりやすいですね。
いよいよケーブルルーティングへ
ケーブルはデュラエース用のポリマーコーティングケーブル。
抜群の滑らかさを誇るのはもちろん、社外品の高級ワイヤーほど細く削りこまれていないのでカッチリしたタッチに仕上がります。
フルアウター仕様のフレームなのでセットに含まれるアウターケーブルだけでは長さが足りず、別途長いアウターを買い足す必要があります。
フレーム内部には特にケーブルを固定するクランプなどはなく、がらんどうになっています。
この手のフレームで気を付けなければいけないのが、BBより上にケーブルを通すこと。
万一、無理にケーブルが引っ張られたとき、ケーブルが食い込んでBBのスリーブが破壊されるのを防ぎます。
今回、補助ブレーキレバーを取り付ける為、ハンドル周りは外装仕様で組んでいきます。
ハンドルは軽量なTNI『エルゴスウィープカーボン』。
上体がリラックスしたフラットバーポジションでヒルクライムを楽しむため、あえて幅広めを選んでいます。
好みに合わせて細やかなパーツチョイスを楽しめるのもバラ完の魅力ですね。
補助レバーを動かしたときのケーブルの可動域を確保するため、ブレーキアウターの取り回しはこんな感じ。
意外とスッキリとまとまっています。
流石デュラエースのケーブルだけあって、かなりきつい取り回しでも動きはスムーズです。
ポイントはシマノ純正のケーブルグリス(テフロン入りの白いグリス)をしっかり塗る事。
ブレーキは、つい最近ワイズロードでも取り扱いを再開したTRP『スパイアSLC』。
こちらのスパイアシリーズは機械式のディスクブレーキでは唯一とも言える『対向ピストン』のブレーキ。
一般的な片押しのメカディスクと違い、左右のパッドがまっすぐ均等に減るため、摩耗した際の微調整が非常に容易で、パッドも長く使えます。
今回は最上位グレードのカーボンアーム仕様をチョイス。
コンポは2×11速の機械式アルテグラ、『R8000シリーズ』。
油圧式と比べレバーが圧倒的に軽いので、重量的には現行のアルテグラにも勝るかも?
近年の高性能なケーブルでは、フルアウターが一番スムーズに動くので、精度もバッチリです。
(インナーがアウターに出入りする部分が一番抵抗になる為、アウターが途切れている箇所が多いほど引きが重くなっていきます)
いよいよ完成!
補助レバー付近に端処理のテープが巻いてあると握りづらいので、上ハンからバーエンドへ向けて巻く、いわゆる逆巻きにしてあります。
ケーブル内装のクリーンなルックスと、シンプルなモノトーンの配色が相まって精悍な一台に仕上がりました!
この度はご依頼いただきありがとうございました!またのご来店をお待ちしております。
バラ完のご依頼はぜひ池袋チャーリー店まで!