大定番モデル「CORSA」の存在感がとにかく大きすぎて、イマイチ影が薄い
気がする「コントロール」の方。
春の(石畳系)クラシック向けに開発された由緒正しきレーシングタイヤの
はずなんですが・・・
肝心のパリ~ルーべは秋に延期になってしまいましたが、インプレの機会に
恵まれたので通勤メインで100kmくらい乗ってみました。
履き替えた直後の印象は・・・重い。
交換前のタイヤがIRCのASPITE(24C)だったので、1本あたり約60gの増。
加速がワンテンポ遅れ、踏む足にもいつも以上に力が必要になります。
さらに乗り味が硬い。
まずは様子見ということで、ASPITEと同じ6.8気圧に合わせてみたのですが
コルサっぽいしなやかさはあまり感じられない・・・
というわけで、第一印象は正直あまり良いものではありませんでした。
20~30km走ると段々とタイヤの違いにも慣れてきます。
そうすると、次第にコルサっぽさが顔を出すようになってきました。
一つは「転がりの軽さ」。
同じG2コンパウンドを使ったルビノも転がりは軽いのですが、接地感がやや
希薄。その点コントロールは転がりが軽いのにグリップ感も高い。
320TPIというしなやかなケーシングがキレイに変形することで、この独特な
転がりのスムースさにつながっているのでは・・・と予想。
30km/hを超えるとそのスムースさがさらに際立つ辺りに、レーシングタイヤ
としての矜持みたいなものが感じられます。
もう一つは「コーナリングの気持ち良さ」。
タイヤの素直な変形特性に加えて、丸さの強いタイヤ形状とG2コンパウンド
のグリップ力の効果もあって、コーナリングがとにかく自然。
普通に交差点を曲がるだけなのになんだか楽しくなっていたという。
空気圧を前6.5気圧、後6.8気圧くらいに調整すると、乗り味の硬さも普通の
クリンチャー並みに収められるようになりました。
タイヤの傾向が見えてくると、最初は「重くて硬い」と否定的だった厚手の
トレッドも「パンクに強そうだ」に変わってくるから現金なものです。
コルサをベースにして耐パンク性能を高めたタイヤ、という製品コンセプト
を考えれば、その完成度は「極めて高い」と言っていいでしょう。
ただ、コルサという名前に何を期待するのかによってその評価がはっきりと
分かれてくるのも事実。
「乗り心地のしなやさかさ」が好きというユーザーとは相性が良くなさそう。
「転がりの軽さと素直なハンドリング」が重要というユーザーなら十分アリ。
個人的にはこういった「狙いがはっきりしたタイヤ」はどうやってその良さ
を引き出すかを考える余地があるので・・・結構好みです。