数年続いてきたOLTRE XRシリーズに別れを告げ、デザイン新たにエアロを突き詰めた新型OLTREシリーズの最上位に位置するOLTRE RCが入荷しました。なかなか平面では伝わりにくい魅力をできるだけお伝えできたらと思います。
OLTRE RC DURA-ACE DI2
今までの形状を一切捨て、空力性能に全振りした独特の形状になっています。
軽量高剛性なハイモジュラスカーボンに、今までのハイエンドバイク全てに搭載されていた、振動除去機構のカウンターヴェイルをあえて無くし、軽量性を追求。まさに究極を目指したレーシングバイクです。
かっこいい角度のあるデザイン
特徴的なフレームデザイン。そのデザインの観点から以前にブログを書かせていただきました。
個人的にはこの角度がかっこいいと思っています。空気の流れを感じられる形状です。
エアロのこだわり
数字が語るパフォーマンス
エアロを人馬一体で考える
空力を考える時、機材の占める割合は20%、人体の占める割合が80%となっています。
ということは、バイクだけエアロ効果を高めてもすぐに限界が来てしまいます。
そのため、新型OLTREは人とバイクを一つのユニットと考え、総合的に空力を改善させることを考えました。
また、単に空力を考えた形状にするのではなく「整流」することで空気の流れを支配し、意図した空気の流れを作り出す形状になっています。
エアディフレクター
今回の新型OLTRE、一番の特徴がこの「エアディフレクター」と言うエアロカバーだと思います。
これはヘッド周りに来た空気を整流し、意図的に負圧のエリアをライダーの足回りに作ることで、ペダリングにより一番の空気が乱れる足回りの空力改善を行っています。
このカバーは、UCIルール適応のレースに使用することはできませんが、外すことでルール上、問題なく使用することができるようになっています。
ほとんどの一般ライダーにはUCIルールは関係ありませんので、ルールに縛られない高機能は、大歓迎でいいのではないかと個人的には思っています。今後このようなバイクがたくさん出てくることを期待したいです。
ちなみに、ルール適合のためにエアディフレクターを外した後は、後述するヴォーテックスジェネレーターの形状がカバー台座を兼ねているため、整流効果を一部残せるような工夫がされています。
ヴォーテックスジェネレーター
ハンドル上部、フォーク先端、エアディフレクター台座の3か所に涙目型のエンボス加工がされています。
車のデザインにも取り入れられているので見覚えがある方もいらっしゃるかもしれませんが、これは、空気が流れる際に流れを乱す原因となる境界層剥離の発生を意図的な形状で防止し、狙った空気の流れとすることで、空気の乱れを整える効果があります。
実は、境界層剥離の発生を抑える工夫がもう一つあり、「つや消し塗装」も同じような効果があるそうです。
専用エアロハンドル
エアディフレクターと同じ効果をハンドル周りで狙った構造です。
穴に入る空気と上面のを流れる空気の速度さにより発生する負圧を利用して空力を高めています。ハンドルにもヴォーテックスジェネレーターが付いています。
ハンドル、ステム形状
スペーサーを外すとトップチューブとステムが流れるような一体感のある形になります。ポジションの問題もありますが、スペーサーをなくすと非常に美しい形状になります。
特殊な構造ではないため、通常の内装ハンドルのバイクと同じように作業できそうです。
コラムは1インチにシムをかませて、オーバサイズ径になっています。コラムサイズを変更することでホースを通すためのクリアランスが設けてあります。
専用サイコンマウント
ハンドルの特徴的な穴の位置部を使用して専用マウントを取り付けるようになっています。穴は完全にふさぎません。
GARMIN、WAHOOに対応しており、マウント下にはライトやアクションカメラを取り付けられるGPマウントが付いています。
ギア周り
R9200系デュラエース、無線電動2x12速ギアを採用しています。最上位にふさわしいレーシングコンポーエントです。
デュラエースのパワーメーター付きクランクが標準装備されています。
ホイール
ビアンキオリジナルブランドReparto CorseのフロントCARBON SPB 50mm リア CARBOM SPB 65mmハイトの前後異形リム、内幅21cを採用。
チューブレスレディーに対応しており、より 1540 gr (+/-5%)と軽量に、よりグリップ高く、乗り心地良くすることでできます。
写真ではわかりにくいですが、艶ありブラックのカーボンリムは凝ったカラーリングになっており、外周部に向けて薄くカーボン目地が見えるようにグラデーションがかかっています。艶消しのフレームに艶ありのホイールのコントラストが美しいです。
サドル
ビアンキオリジナルブランドBIANCHI RC139 CARBON AIRサドルを採用。3Dプリンディングフォームとカーボンレールにカーボンベースと168gと軽量なサドルです。
インプレ時に、スタッフ達から単品で欲しいとたくさん声が上がっていたほど評判が良かったです。
インプレッション
振動除去装置のカウンターヴェイルがないためまさにレーシングバイクといった硬い踏み心地のバイクです。
一つ下のPROは少し優しさがありましたが、カウンターヴェイルなどの余計な機能を配して買ってすぐにレースで最高速を狙える一台と感じます。
入荷サイズ
サイズ 50(適応身長サイズ165cm前後)
[ysid 8032809075417]