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【メンテナンス】ブレーキローターの摩耗は0.2~0.3mmまで!!実はあなたのローターも用交換のタイミングかも!?【ディスクブレーキ】
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- 【横浜ワールドポーターズ店】松野 望士 24年03月02日
横浜ワールドポーターズ店松野です。
なんか最近メンテナンスネタが多めですが、今回もディスクブレーキのメンテに関する記事です。
ブレーキローターの摩耗
ディスクブレーキの消耗品と言えば真っ先に思い浮かぶのはブレーキパッドですよね。ブレーキキャリパーの中に納まっており、偏摩耗する事もあるので消耗の度合いが分かりにくい事があります。
パッドよりも摩耗のスピードが遅い(交換頻度が低い)のですが、ローターだってもちろん摩耗していくんです。
と、いう訳でブレーキローターを三枚用意しました。
一枚目(SM-RT70)はほぼ新品で馴染みすら出ていません。
二枚目(RT-MT900)はしっかり使われた感じです。
三枚目(SM-RT800)はかなり使い込まれて表面が荒れています。穴の縁にバリも出ているしなんだか様子が少しおかしいですね…。
当然ですが摩耗するとローターは薄くなります。厚みを計測すれば摩耗の度合いが分かりそうですよね。具体的な数値としましては、SHIMANOの新品のローターの厚みは1.8mmで、摩耗の限度は1.5mmです0.3mm摩耗したら交換という訳です。
もちろんメーカーに寄って異なり、SRAMの1.8mmローターは1.55mmまでで2.0mm厚のHS2ローターは1.85mmまで
MAGURAの2.0mm厚ローターは1.8mmまでとなっています。
一枚目のローターをノギスで実測したところ1.725~1.75mmと言ったところでしょうか?プレス加工なので場所によって誤差がありますし、ノギスの計測誤差も含まれているので1.8mmよりもわずかに薄く計測されました。
二枚目のRT-MT900も同じように測ってみると1.65mmです。ほんのちょっと減っていますね。
明らかにヤバそうだった三枚目のSM-RT800は1.75mm。あれ?新品とほぼ変わらないですね…。
摩耗の限度は1.50mmですので、3枚ともまだまだ大丈夫そう……!?
ノギスでは測れません!!!!
気づいた方もいるかもしれませんが、ローターの摩耗の度合いはノギスで正確に計測することは難しいんです!
上記の計測はこんな風にノギスで挟んだのですが…
よく見るとノギスの先端が摩耗していない部分を挟んでしまっています。当然ながら新品とほぼ同じ数値で表示されてしまいます。
じゃあもっと浅く挟めば摩耗している所の厚みが測れるじゃん!と思うかもしれませんが…
ブレーキローターは制動面の中央が凹むように摩耗します。上下のフチはあまり摩耗しないので、よく見るとノギスの先端部分が浮いてしまっています。
じゃあどうやって計測するのかと言うと…
マイクロメーターを使います!名前の通りμm単位まで測れる精密な計測器具です。
鏡面加工された計測部分にペーパーウエスの糸くずを乗っけて挟んでみると…
0.01mmと計測されました。(画像クリック/タップで拡大できます。)
ブレーキローターの厚みを測る時はここまで精密である必要はないのですが、摩耗が大きい中央部を挟んで計測することが出来ます。
注意点として、今回使ったマイクロメーターの測定部分は直径6.5mmの円柱形状です。少し太い為最も薄い部分は計測できません。
よく見ると測定部分の中央が浮いてしまっていますね。なので本来の最も薄くなっている部分は計測よりも更に薄いはずです。
マイクロメーターで測ってみた
ではマイクロメーターを使ってさっきのローターを計測してみましょう。
ほぼ新品の一枚目は1.74mmでした。ノギス計測とほぼ同じですね。
0.5mm単位のスリーブの目盛り(横)に、0.01単位のシンブルの目盛り(縦)を足した数値を読みます。上の数値はスリーブ 1.5+シンブル 0.24=1.74mmとなります。
二枚目のしっかり使われたローターは1.545mmです。そろそろ交換のタイミングですね!
三枚目の荒れたローターはなんと1.13mm!?!?!?限界を超えていて危険なレベルです!
鉄とアルミのサンドイッチ構造であるSHIMANOのICE-TECHローターなので、ここまで摩耗すると真ん中のアルミの層が表面に出てきてしまい荒れたように見えていたわけですね…。
目視でも明らかに薄いのが分かります。気が付かずに使用しているとどんどん薄くなっていき最後はローターが破損します。破損した際にキャリパーに引っかかってタイヤがロックされて大転倒…なんて事にもなりかねません。
さっきも書きましたが、限度の厚みは1.5mmなので0.3mm摩耗したら交換という訳です。じゃあその0.3mmがどれぐらいなのかと言うと…
コピー用紙を二回折った厚み(=4枚分)が0.35mmでした。紙4枚分の厚みでもう交換のタイミングを迎えてしまうんです。
簡易チェックもできます!
そこまで精度が必要ではないので、数千円程度で売られているマイクロメーターを買ってしまうというのも一つの手ですが、簡単にチェックする方法もあります。
一番簡単なのは摩耗によるローターの段差を確認する方法です。爪でも良いのですが、皮脂を付けたくないので竹串や爪楊枝を使うと良いです。
内周側の摩耗跡の境目を行ったり来たり、カリカリと触ってみてください。摩耗が進んでくると明らかな段差を感じるはずです。あと、ローターは内側と外側で均等に摩耗するわけではないので反対面も同じようにチェックしてください。
あとは定規を使ってもチェックできます。今回はスマホのカメラでもわかりやすいように反対側から光を当てて撮っています。
中央部が凹むように摩耗するので光が漏れています。
新品はほどんど隙間が無いですね。
危険なぐらい摩耗したローターは光が漏れるどころの状態ではありません……。
この方法では具体的な厚みは測れませんが、さっき書いた通り紙4枚分の摩耗で交換のタイミングを迎えます。簡易チェックで摩耗による段差が見られたらぜひご相談ください!!
意外と見落としがちなブレーキローターの摩耗。実はあなたのローターも交換のタイミングかも……!?
パッド交換のタイミングで一緒に確認してみるのがオススメです!!