そもそもタイヤインサートとは?
オフロードライディングでは、チューブレスタイヤは“超低圧”で運用されるのが常。「中にチューブがないからリム打ちしてもあんしん♪」・・・なんてことはなく、強い衝撃を受ければタイヤそのものに穴が開く場合もあります。
それなら、タイヤが潰れきるの防ぐ『クッション材』を入れてしまおう!というのが『タイヤインサート』。
これは新しい!『31~40㎜』の“細いタイヤ”に対応するインサート。
実は私、結構長いことタイヤインサートを使っています。(以前取り付けの様子をご紹介したブログ記事はこちら)しかし、MTB界隈から生まれたトレンドのため、今までのインサートはあまり細いタイヤに対応していませんでした。上の写真のエフェットマリポサ『タイヤインベーダー40』も、適応タイヤ幅は『42~54㎜』。色々試してみましたが、40㎜くらいのグラベルタイヤがギリギリ取り付けられる限界かな~?・・・といったところです。
しかし今回、急遽細めな『700×35c』タイヤへの交換が必要になったため、新しいタイヤインサート、ビットリア『エアライナーグラベル』を試してみることにしました。(去年11月発売と聞いて10月に注文。ようやく先月届きました・・・なんと1年待ち)
こちらのインサートは対応幅『31~40㎜』。つまり、シクロクロス競技などに使われる、33cタイヤにも使用可能。より軽く、転がりの良いタイヤでも、今まで考えられなかったようなハードなオフロードライディングが可能になります。
早速取り付け…の前に。インサート入りタイヤの取外しは結構大変。
まずは古いタイヤを取り外します・・・が、しばらく使ってシーラントの渇きかけたタイヤは、インサートとガッチリくっつき、完全に一体化してます。
張り付いたインサートがつっかえ棒になりタイヤが潰れません。当然、ビードをセンターに落とすこともできず、レバーを差し込む隙間をつくるのすら一苦労です。逆にこれは低圧時にタイヤが捩れたり、外れてしまうのを防ぐ効果もあるのかも・・・?
べりべりとはがすと、少しインサートの破片が残ってしましました。本来、インサートはシーラントが染み込みにくい(≒くっつきにくい)素材のはずですが、あまり長期間同じインサートを使い続けるのはよくないかもしれませんね。
いよいよ取り付け!ホイールサイズに合わせインサートをカット。
『エアライナーグラベル』はフリーサイズの為、ホイールに合わせてカットします。 結構伸びる素材なのでホイールにしっかり密着するよう、若干短めにしてみました。
柔らかい素材なのでカッターで簡単に切れます。さらに、両端をつないで輪っかにするため、穴をあけます。あまり端にあけるとちぎれてしまうので2㎝くらいは間を取ったほうがいいでしょう。
付属のナイロンバンドでつないで・・・タイヤを傷つけにくく、という観点では接続部はリム側にしたほうが良かったかも・・・?)単体でリムに嵌めるとこんな感じ。
タイヤにセット。ちょっとコツが必要です。
インサートとリムはあまりタイトにしすぎないほうが・・・?
まずはバルブのセットから。上からインサートが被さってもちゃんと空気が入るよう、サイドに穴の開いた専用バルブが付属します。
片側のビードを嵌めて、インサートを中に入れます。クリンチャーにチューブを入れるのとほぼ同じ感覚です。
問題はここから。チューブと違い、インサートは潰すことができないので、ビードをセンターに落とすのが結構大変です。タイヤの中で、インサートをリムから引っ張りあげるような感覚で隙間をつくり、両サイドのビードがしっかりとセンターに落ちるよう意識しないと、全周をはめ込むのはかなり難しいでしょう。
つまり、インサートがリムから全く持ち上がらないほどきつく嵌っていると、タイヤがセットできないかも?逆に、単なるパンク防止アイテムとしてだけでなく、低圧時のタイヤの変形を抑え、ビードを保持するストッパーとしての役割もかなり期待できそうです。
シーラントはノン・アンモニアが望ましい。ですが、今回はあえてコレ。
タイヤをセットし、ビードを上げたら次はシーラント。ビットリアは『エアライナーグラベル』と合わせるシーラントは「ノン・アンモニアが望ましい」と言っています。
アンモニアは天然ゴムの凝固防止剤。スタンズなど『ラテックス系』シーラントの、あのツーンとする臭いですね。当然アルカリ性なので、腐食性があります。
ビットリア純正シーラントなら天然ゴム不使用なので問題ありませんが、今回はあえて、ラテックス系のパナレーサー『シールスマート』を使ってみることにしました。
『PANARACER シーラント剤 120ml』≪商品はこちら
こちらの『シールスマート』は“弱アルカリ性”なので、一般的なラテックス系シーラントよりも腐食性は少ないそう。(その分シーラントとしての耐用期間は短いですが)
また、固まる際に芯材となるクルミ殻粉末が配合されていて、大きなパンク穴でも塞がる可能性がぐんと上がるのもポイント。・・・本当はクルミ殻が詰まらないよう、バルブからでなく、直接タイヤに注いでからホイールに取り付けるのが正しい手順。今回はタイヤ取り付け中にこぼすリスクが大きかったので、無理やりインジェクターで流し込みました。
完成!
できました。元の『グラベルキングSK TLC700x38c(430g)』+『タイヤインベーダー40(53g)』=『483g』から、『グラベルキングSK TLC700×35c(380g)』+『エアライナーグラベル(47g)』=『427g』へ、片側あたり『54g』の軽量化。
走りは軽快になりつつ、走破性はしっかり維持・・・できてるといいのですが。関東平野は冬も雪が降らないので、どんどんグラベルライドに行きたいですね!
グラベルロードのタイヤのご相談もぜひ池C店まで!