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【PIRELLI】P ZERO RACE RS ピレリ史上最速のレース用TLRタイヤデビュー!!【石川ライドインプレ】

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上野アサゾー店】石川 康輔 24年05月17日

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話題のピレリ新作タイヤのご紹介です。実際に使ってみてのインプレッションも合わせて製品の特長を私なりの視点で見ていきたいと思います。

最速のタイヤとは

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ピレリのタイヤは最近のモデルに関しては地元イタリアにて生産をしている関係で、より密に製品のテストや設計などがおこなえる環境にあります。

現在ジロで好調のリドル・トレックからのフィードバック、実績のあるモータースポーツからノウハウを共有する事でレースにとって必要なタイヤとは何かをいち早くフィードバックする環境が整っています。

今回、従来モデルからの引き継ぐ部分と、レースモデルとしての性能を取捨選択して最適なバランスのタイヤに仕上がっているようです。

その為、製品名として”RS”を堂々つける事になったのでしょう!!(自転車用タイヤではSUPERCORSAっていう名前は使わないんですかね。)

ピレリ史上最速のタイヤとしてデビューを迎えました。

まずは商品の紹介から

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PIRELLI P ZERO RACE TLR RS

価格:¥14,400‐税込

ラインナップ:700×26c、700×28c、700×30c

重量:270g(26c)290g(28c)310g(30c)

タイヤタイプ: TUBELESS READY

ケーシング:120tpi

コンパウンド:SmartEVO2 COMPOUND

ストラクチャー:SpeedCORE™

フックレス対応:28c以上*最大空気圧5bar/73psi

SmartEVO2 Compound
革新的なパフォーマンスの向上を実現。スピードとグリップの特性が改善し、ドライでもウェットでも、ハンドリングの精度とコントロール性能が更に向上。Made in ITALYのロードタイヤ用最高峰コンパウンド。

SpeedCORE™
タイヤのゴム層内にアラミド粒子を追加した独自のケーシングテクノロジー。チューブレスケーシングの中で最も高い性能を発揮。P ZERO™ RACE TLR専用設計。

 

使用用途についてもターマックレース用のタイヤである事が明確にされています。

耐パンク用のレイヤーを省くことでしなやかで速いタイヤに

↓こちらがP ZERO RACE TLR SPEEDCORE

上下の画像の違いとしては茶色いシート状の素材が省かれているのが今回のRSモデルの特徴となります。

構造だけを見ると、軽量化重視の耐パンク性の低いTT、ヒルクライム用の決戦タイヤの様にも感じるかもしれませんが、

そもそもベースとなるタイヤ自体の耐パンク性能が高すぎる為、それを省いても他社のレース用タイヤを上回る耐パンク性能を持っていたというのが裏話です。

ピレリタイヤ耐パンク性能高すぎ問題ですね。

スタッフインプレッション

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まずは、使用条件についてですが

ライダー:石川ライドの人体重80kg

乗り方:ツーリング、ロングライド

機材:FULCRUM RACING ZERO CARBON COMPE DB(C19)

タイヤは28cをもちろんチューブレスで使用しました。

走行距離は230kmぐらい。

シーラントはMUC-OFFをかく40mlずつぐらいです。

今回F4.2-R4.5barで走っています。(メーカー推奨気圧は6.5barとなっています)

TLRタイヤ遍歴は多すぎるのでここ最近に使用している主要なモデルで紹介しますが、

AGILEST TLR 28c、GP5000STR 28c、POWER CUP TLR 25c、CORSA PRO 28c、CORSA PRO CONTLOR 28c、BLACKBIRD TLR 30c、がコンペティション系で使って比較対象になりそうなものになります。

ピレリタイヤはチントゥラートの28cと32cを使っているぐらいでレースモデルは実質未使用なのでピレリ内での比較は今回ありません。

 

フィッティング

取り付けはかなり硬かったです。ホイールとの相性もあるでしょうが、最近使っているタイヤと比較してもだいぶ硬かったのでタイヤレバーを使う事になりました。同一条件ではないですが、感覚としては昔のGP5000TLぐらいでしたね。

ビード上げは普通のロード用ハイプレッシャーポンプで普通に上がりました。

ビード上げ後のエア漏れが全くなかったので、特別な事は何もせず、いつも使用しているマックオフのシーラントを入れました。

気密性の高さはスピードコアという構造がものすごく気密性が高く、ぶっちゃけノーシーラントでも運用できそうでしたが、馴染むと流石に抜けるので普通の量のシーラントを入れました。

内幅19mmのリムなので外寸28mmになっていると思います。取り付け直後は27.8mmぐらいでしたがたぶん馴染んで28mmになっているはずです。

 

走行フィーリング

走りに関してはなるべく強度の高い走行を行ってみて性能を確かめてきました。

前述したように、メーカーの推奨値から比較するとかなり低い値で乗っていますが、私自身の好みとしては経験的にどんなに高くても5bar以下にはしています。GP5000STRなど硬めの乗り味のタイヤはフロント4.5barリア4.8barと高めにして変形を少なくする意識で使いますが、このピレリはフロント4.2barリア4.5barで乗って丁度いい路面のトラクション感覚が得られました。弾力があるタイヤは気圧が高いとボールの様に路面から弾みやすくなるので低い方が良いというのが持論です。

走行フィーリングとしては、しっかりと路面とのコンタクトによる変形をコントロールしているタイヤなので、ある程度タイヤをつぶせる空気圧の方がしっくりくると思います。路面に食いつく感触もコットンのCORSA PROの様なしなやかな感じではなく、弾力感とかコシとか踏ん張りのある路面からの反力のあるタイヤというのが走行フィーリングとしてはあります。

乗り心地は特別優れているという事は無いですが、空気圧なりに路面の凹凸を吸収してトラクションのロスを減らしてくれている感覚です。

 

高い巡航性能

平地巡行については、通勤1時間TTを行いましたが、思った以上にスピードも維持できて、速度が高い状態でトルクを上乗せしようとした際の反応が非常に良かったのを感じました。

最終的に仕事終わりの疲れ気味の身体なので終わり間際ハンガーノック気味で足をつりそうになってしまいましたが、ペースを維持して走り切ることができ、30分パワーのベスト3の記録が出ていたみたいです。(あんまり30分測らないからね)

速度の上がっている状況でも、バイクが跳ねない事でパワーロスを減らして確実にバイクを前に進める能力が高いと思います。

転がり抵抗を感じるのは綺麗なベロドロームにでも行かないと本当の比較は分かりませんが、ターマック上の高速走行において(つっても35~40km/hですが)、エネルギー損失が少ないと感じるというぐらいの比較では私の歴代1位のミシュランPOWER CUP TLR25c(旧ETRTO)に並ぶ感触の良さでした。(このタイヤ使っているときは自分自身の調子が良かったので思い出補正”強”です)

 

山岳性能

登りも下りもですが、タイヤの性能としては下りが重要ですからまとめちゃいます。

タイヤのグリップ性能はドライ条件のダウンヒルしか試していませんが、食いつきがすごく良く高速度下でも安定して下ることができます。

体重が重いので最近はスローインファーストアウトの基本を守ってあまり突っ込まないようにしています。

勿論レースに出ているわけでも無いので安全マージンを取りつつ気持ちの良い速度で下ります。

ワイドリムに対応する最新のタイヤはトレッド幅が非常に広いのでバイクを傾けても端っこまで使い切らずに安定してダウンヒルができるので新ETRTO規格のタイヤはやっぱりいいですね。

その分重量自体は重くなるのですが、下りの安定感が段違いなので最新のディスクブレーキと合わせて下りも楽しく下れるようになると思います。

新ETRTOでトレッド幅が広いというだけでなく、すごくコシの強い反力を感じるタイヤで、フロントタイヤを路面にグッと押し付けても腰砕けにならないのでタイトなコーナーを攻めるときに特に良さを感じると思います。

この辺はモータースポーツであんなに傾いているバイクを安定させられるタイヤを作るノウハウが活きているのでしょうね。

反力の高いタイヤという事もあり、後輪のトラクションも抜群に良く登りの加速もかなり良かったです。

重量自体は軽くないので(普通ですけど)、身体の軽い人のヒルクライム決戦用には向かないかもしれませんが、パワーをもって加速する場面ではこのタイヤの良さを十分に発揮できると思います。

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まとめ

まだ、数回の走行ですが、新品タイヤだからというだけの違いではなく、明らかにタイヤ変形をコントロールしている感触が得られブランド史上最速のタイヤの意味が分かった気がします。

私にとっては各社のフラッグシップと比較として同格以上であるという事を結論としてしまっても良いのではないかと思います。

テストライドなので忖度は確かに無くはないですが、いいか悪いかの話で嘘はつかないので素直に速いと思います。

ここまで書きましたが、私のインプレよりミランのスプリントを動画で見た方がよっぽど説得力ありますよね。

ジロ・デ・イタリア皆さんも是非見てください!

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