サイクリングをする時に必ず走る「公道」。殆どの方は自宅から1歩出ればそこは公道。当然公共の場所ですし、全員がルールとマナーを守って安全に利用するというのが共通の認識になります。
安全に走る為に何をすればいい?
私も生まれてからこれまで数えきれないほど公道を利用してきましたが、幸いにも命にかかわるような大きな事故やトラブルは無く今まで来れました。
サイクリングする立場と車などにのる両方の立場として、私なりに考えている安全に公道を走る為の考え方と、ある種の技術をお伝えするのが今回の話になります。
話をまとめやすいように
・共存の考え方
・走行に対するスキル
・必要な道具
という、3つを軸で私なりに話していきます。
公道で自転車が共存するために必要な事
まずは、ロードバイクに関わらず、自転車が公道を走るという事について、私なりの考えをまとめます。
最近青いレーンや自転車が走りやすいように別の区画で区切っている道が少しずつ増えているものの、圧倒的に日本の道は自転車に向いていないのが現状だと思います。
↑私が感動してついつい写真に収めた道(埼玉県北本市)
海外でサイクリングをしたことが無いので、日本国内で走っていて純粋に感じる不満をただぶつけるだけですが、とにかく、安全に走れる道がとにかく少ない事。
都内の新しい道は結構整備されてきていますが、私のホームグラウンドの埼玉では主要道路は規格も古く、比較的新しい国道路線でさえ自転車が走るのには本当に向かない狭い路肩の道しかありません!
自治体で管理している路線で駅に向かう為の道などは比較的整備がされている印象ですが、都市をつなぐような幹線道路に関しては「路側帯」も「車道外側線」も狭くて車が来た時に避けるスペースが無い道が非常に多いです。
特に道幅自体が狭い道では車にとっても追い越しが難しく、車側としてもそういう道では自転車との共存が難しいと思ってしまう事もあります。
自転車の立場でも、車に乗っている立場でも、そういう道はうれしくないものですね。
なので、公道を自転車が走る事に対して少なからず良い印象を持っていない車のドライバーもいるというのが実際の所です。
日本のルールで決まっている事なのでそれに従って走った結果危ない状況や、周りにストレスを感じさせる結果が生まれるのが現在の日本の多くの道路になっています。
何が言いたいかというと、
自転車が公道を走る場合、「ルール守っているよ!」という主張をしても、安全に走る事ができるわけではないという事になります。私の実感として安全に走れるような法整備と道路状況ではないからですね。
共存、譲り合いの気持ち
そこで、「共存をする」という考え方を持つことが一つ大切になります。
権利を主張するのではなく、公共の道をみんなで分け合っているという考え方をする事で、狭い道を走っていて「後ろの車さんに先に行ってもらおう」と考えて、少し路肩が広くなった場所で脇によって抜かしてどうぞという感じの合図を送ったりする気持ちの余裕が生まれてきます。
また、交差点で赤信号の列ができていたとして、その道の路肩が狭いのであれば、無理に停止線まで車を抜かずに、最後尾に並ぶなど「私もあなたたちと同じ立場で走っていますよ」という感じを出すことで、それをみて更にあなたの後ろに並ぶ人は安全に追い抜きをしようと優しい気持ちになってくれることで、車のドライバーにも共存を意識してもらう事ができるわけですね。
そういう積み重ねが公道で自転車が共存するために必要なのではないかと思っています。
こういう考え方を持つことがまずは基本です。
もちろん道交法を守るのは当然なので、一時停止や交差点での徐行、交差点の二段階右折などは必要な場所ではしっかり守りましょう!
安全走行に対するスキル
安全な走行はご自身の走行スキルも影響があります。
凄く当たり前ですが、「まっすぐ走ってふらふらしない」これはとても大切です。
また、走る路面の状況をしっかり判断する事が大切です。路面をよむスキルって感じでしょうか。
例えば白線の上やそのすぐ内側は割と路面が凸凹していることが多いです。ふらふらしないという事も、実は平らな路面をしっかり選んで走るという事が大前提になる為、状況によって端っこを走らないという事が重要になってきます。
一番端っこギリギリを走っていて不意にアスファルトの穴があったりして中央側に避けたりすると端っこにいるからと安心して抜かそうした車にぶつかってしまうなんて事も考えられます。
100m先までとは言いませんが直近20~30mぐらいの路面と、後続に車が来ているかどうかを認識しながら余裕を持ったライン取りをする事が安全に走るという事につながってきます。
車が怖いからギリギリを走るは100点ではなく、状況により少し車道中央よりにラインをずらすことも大切です。
というわけで、真っすぐラインを守って走るという技術は単純な操作の技術だけでなく、路面などを見て後続の車との間隔を考えて適切な位置を走る事が大切です。
また、先ほどの話でも出ましたが、交差点で無理して車の前に出ないで列に並ぶ、狭い道路では車に譲れそうな広い場所があったら積極的に活用して先に行ってもらうという事も大変重要になります。
譲ってもらったドライバーはきっと、自転車のやつ良いやつだなって思ってくれるはずですよ。
自転車はマナーが悪いなと思われないように紳士的なふるまいをする事も安全に走る技術と言えると思います。
それと、根本的な話ですが、交通の多い道路や路肩の狭い道路はなるべく走らない。通勤時間帯などを避ける、平日土日で使う道を変えるなど、積極的に道を調べておくとルートを作る時にそもそも危険度の低い道を使うという事ができるようになります。
埼玉県内の場合はサイクリングロードがあちらこちらに張り巡らされており、殆ど車と並走することなく目的地付近まで行くこともできます。
↑荒川サイクリングロードから眺める吹上のポピー
何気なく走っているサイクリングロードは時期によっては思わぬ絶景と出会う事もありますよ。
公道といえば公道ですが、車の存在しない道もあるのでそういう場所では少しリラックスして走る事ができますね。
運転テクニックではないですが、根本的な解決策ですね。
私の場合はコロナ下で遠くにあまり行けない間や冬場などは荒川の支流をひたすら巡って、どこの土手が良い感じに走れるのかを把握する事にだいぶ時間を割きそれが近年の安全なサイクリングにもつながっています。
惰性でいつもの「怖い道」を走って嫌な思いをするのではなく、様々な道を覚えてより安全に楽しく、気持ちよく走る事ができるように準備する事も大切な技術になります。
安全走行の為の道具を活用
安全に走行するためにというと、実際どんなアイテムを思い浮かべますか?
代表的なのはヘルメットだと思います。そもそも努力義務という事でもはや必須になっているのでこれは被っている事が前提になります。
ヘルメットの役割としては「安全に転ぶ」為という事があげられますが、それ以外にもヘルメットをかぶっている存在が走っているという異物感を後続のドライバーに与える事ができるというのも役割としてはあげられるでしょう。
↑例えば蛍光色のヘルメットなど被っているとそれだけで目立ちますよね
写真が雨の日の写真ですが、こんな人が走っていたら気が付かないわけはないですよね。ヘルメットというだけでも世間からすると異物感あるのに、目立つ色のヘルメットなんかは特にドライバーからの認知が得られると思います。
自転車は車から見落とされやすい
TREKなど安全に関する研究をしているメーカーのデータから自転車は実は車のドライバーから認識されていない可能性があるという話も以前聞いたことがあります。
大型トラックから物理的に見えていないという事ではなく(これも大事なんだけど)、普通車からでも視界に入っているというだけでは実は脳では自転車と認識していない場合があるという事です。
例えば60km/hで走る車に乗っているとして、運転に集中する程対向車や交差点からの飛び出し、後続車などを確認するためにミラーに視線を移したり、そもそも路面の状況や信号だったり自身の車速だったりと結構マルチタスクで処理をしなくてはいけません。
更に言うと、250km/hで走る新幹線のすぐそばを通過する駅の看板とかって読めますか?(これは関係ないかな?)
スピードが上がるにつれて視界に入ってくる情報量が膨大になり、その中から間引いて情報を処理する必要が出る為、速度差のある車からは不要だと思われるものは認識されないというのが実際に起こってしまいます。それを逆にこちらが認識していないと危険な場合もあります。
小さく存在感の薄い車両でしかも道の端っこを走っていると見えていても気が付かれないなんて事が起きてしまうんですね。
その為目立つという事がとても大切です。カラフルなウェアを着るというのも大切ですが、実はもっと簡単に視認性をあげる方法があります。
日中用ライトを使う
デイライトと言いますが、太陽の光で明るい時間帯でも明るく目立つ点滅のライトを使う事で車からの視認性を高める事ができます。
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最近はLEDで高出力でバッテリー容量も多いライトがどんどん増えています。それらには大抵フラッシュライトモードが備わっています。更にはデイライトモードとして設定しているモデルもその中にはあります。
基本的には夜間用で暗い道を照らすという事がメインで開発はされますが、点滅パターンなどを特徴的にする事で対向車へのアピールをする事ができる場合もあります。
また、テールライトなどでも同様に点滅をさせる事で視認性を高めて車のドライバーからの視認性、認識性を高める事ができます。
↑こんな感じで最近メチャメチャ明るいモデルが増えています。
正直うっとおしいぐらい明るいので、夜間は対向車などに配慮して少し出力を落として使う方が実は多いです。
土手とか真っ暗な所では全開で光らせると穴等を発見する事ができるので、明るいライトはとてもいいですよ。
こういったライトを日中に使う事で太陽の光に埋もれることなく正面から何か光ってるものが近づいてくるな、正面に赤いライトを光らせている何かが動いているな、そういう認識を車のドライバーに持ってもらえるように、性能の高いライトをつける事が安全走行に大きくつながります。
リアビューレーダー
後方からの車両接近を知らせてくれるレーダーというのがある事を皆さんご存じですか?
ライトはあくまでも車のドライバーに対してのアピールですが、こっちが接近に気が付かない事で危ない状況を作ってしまう事もたくさんあると思います。
とは言え、それなりのスピードで走っている為何度も後ろを振り返るわけにもいきません。
そんな中すごく便利な商品が登場しました!これが登場したことで安全という概念のレベルが飛躍的に向上しました。
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GARMIN ( ガーミン ) VARIA RVR315 リアビュレーダー
今ではいくつかのブランドから発売されていますが、後方から近づく車両を検知するレーダー装置がGARMINから発売されました。使っているライトが別にあるのであれば正直センサーだけあればいいと思います。シートに2個物をぶら下げたくないのであればライト付きの上位モデルでもいいと思います。
センサーだけのモデルはこの315だけだと思うのでコンパクトさを重視する方は是非。
それで、このセンサーが何の役に立つのかという事ですが、
共存とか安全走行のスキルとか話したわけですが、後方から車が近づいてくるかどうかを気付くことができるかというのがとても重要になります。
その為には背中方向に意識を向けて車のエンジン音やタイヤの擦れる音などに耳を澄ませたり、単純に安全なタイミングで後ろを振り返るという動作をする必要があります。
意識して車の気配を感じるという能力は実は本当にすぐ近くまで来ないとわからない場合もあります。
私の感覚では20~30mぐらいで感じられればいい方で、風が強かったりノイズが多い場所では5mぐらいまで気が付かないなんて当たり前です。最近の車静かですし。
後ろを振り返るという動作も、そもそも、瞬間的に進行方向から目をそらすわけなので、慣れないうちはそもそもできない動作だと思います。
今は安全だなと確信が持てる状況でないと後ろを振り返るのはむしろ危険を増すことになります。
そこで活きてくるのが「リアビューレーダー」
私の使っているGARMIN EDGEの最新モデルEDGE1040SOLARではこのような形でディスプレイに「距離感」と「数」を表示、色はどのぐらいの速度差で近づいてくるのかを知らせてくれます。視覚情報ではより正確な情報を得る事ができます。
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ディスプレイを見る余裕が無くても、ご安心ください。
音で知らせてくれるというのが一番助かる機能です。
結構しっかりとした音量でアラームが鳴るので、工事現場とかにいるわけでなければ、まず聞き逃すことはありません。
直線道路では最大で150mぐらいの距離から感知をしてくれますし、カーブの連続するような場面でも少しでも車が見える状況であればレーダーは反応してくれます。
ミリ波レーダーという技術を使っているのですが、自動車などで自動運転などに用いられるような技術です。
自家用車でもピーピーうるさい知らせてくれる便利な機能をすでに体感している方も多いと思いますが、それを応用した、速度差をもって近づいてくる(近づくのだから速度差があるわけですが)モノを検知するとてつもなく便利なアイテムです。
私も今までは自分自身の肉体センサーが優秀だと思って導入を遅らせていましたが、人間の能力なんて大したことないんだなと思ってしまう程、後方の情報を知らせてくれるサイクリングには欠かせないアイテムとなりました。
結構感度が高いので高架橋の上を走る車とかにも反応します。とにかく走る為には車が近くにいるのかどうかをより早く把握する事が大切になります。
センサー無しでの公道走行はもう考えられない!
このセンサーがあれば、安全走行に対するスキルも飛躍的に向上します。
人間の能力だけでは到達できない領域の後方感知がこれを導入するだけで100倍ぐらい向上します。
後ろを振り向く回数も圧倒的に減りますし、前方により集中する事で路面を見る事に割けるタスクも増えます。
センサー単体では意味ないので専用のサイクルコンピューターと合わせて使いましょう。
選び方も難しいのでよろしければアサゾー店までご相談にお越しください!
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