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【スタッフバイクカスタム】ダウンヒルバイクで街乗りは可能なのか?「KONA PROCESS X CR」をカスタムしてみた。

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上野本館】 24年05月28日

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MTBシーズンの到来に備え、新しく購入したKONAの『PROCESS X CR』。フロント170mm/リア162mmのトラベルを備えた本格的なグラビティバイクは、トレイルでは抜群の性能を発揮する反面、その大きさと鈍重さから街乗りには全く向いていません。それでも、そこまで頻繁に山へ出かける余裕のない私としては、もう少し日常的に気軽に使えたらいいのにな……と感じていました。そこで今回は多少の無理を承知の上、普段使いしやすい仕様にカスタムしてみることにしました。果たして、ダウンヒルバイクで街乗りは可能なのか?

カスタムのポイントは

①街中をクロスバイク感覚で軽快に走れるようにすること。
②最小限の部品入れ替えでトレイル仕様に戻せること。

今回は特にこの2点を念頭に置いてカスタムパーツを選定してみました。

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ホイール

WH-M8100-TL-F15-B-29_C219_1_750_750

フロント / シマノ WH-M8100(29インチ)
¥32,875

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まずはホイール。アクスルがフロント15×110mm、リア12×148mmのブースト規格なので、基本MTB向けのホイールしか使えません。国内ですぐ入手できるものがそもそも少ないのですが、今回は無難いシマノのDEORE XTグレードのXC系ホイール「WH-M8100」を選択。元々スペックされているホイールのリム外幅33mm、内幅30mmに対して、外幅27.9mm、内幅23.8mmとやや狭めの設計で2.00~2.35インチのタイヤに最適。重量も846gと比較的軽量です。

WH-M8100-TL-R12-B-275_C219_1_750_750

リア / シマノ WH-M8100(27.5インチ)
¥40,384

[ysid 4550170449384]

フレームがリアのみ27.5インチの「マレット仕様」に対応していたので、リアホイールはバイクの取り回しやすさ+足つきの改善を狙って同グレードの27.5インチモデルにしてみました。

タイヤ

marbella05

IRC MARBELLA 29×2.25 / 27.5×2.25
1本¥7,920

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走行感に与える影響が最も大きいのがこのタイヤ。小さなノブデザインで街乗りでもスムーズに走れること。2.2インチ以上とそれなりの太さがあってエアボリュームが確保できる+MTBバイクとしての外観が崩れにくいこと、29インチ/27.5インチ両方のラインナップがあること、といった条件で探して一番良さそうだったのがコレ。何より1本あたり550gという圧倒的な軽さが魅力です(元タイヤは1100gくらいありました)。チューブレス非対応ですがクリンチャーで使う私の場合は問題ありません。

チューブ

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ECLIPSE オフロードチューブ
1本¥4,180

軽量化を狙って、ロードバイクでもお世話になっているECLIPSEのTPUチューブを使ってみました。公称重量69gとなっていますが、実測してみたところ55gしかありませんでした。元々入っていたブチルチューブが196gあったので、前後チューブだけで282g軽くなる計算になります。

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ディスクローター

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シマノ RT-CL900
203mm:¥12,799
180mm:¥11,607

[ysid 4550170232764]

ホイールを交換したため、ディスクローターの規格が6ボルト→センターロックへと変更に。変換アダプターを使って使い回す手もありますが、毎回付け替えるのも面倒なので思い切って新調。前後のブレーキパワーのバランスを取るため、リアのローター径を203mm→180mmにサイズダウンしてみました。

ハンドル・ステム

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ハンドル・ステムは以前ロードやクロスバイクで使用していたものを再利用。ハンドルは歩道を走行可能な600mm幅のものを、ステムは前傾姿勢を確保するために110mmと長めのものを選んでみました。

グリップ

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DMR DEATHGRIP
¥3,600

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せっかくなのでグリップも交換してみました。指がかかる部位によってブロックパターンが変化するDMRの「DEATH GRIP」。お店にあるグリップを素手で握り比べてみたところ一番グリップ力がありそうだったので選びました。グリップエンドまでゴムで覆われているので、バーエンドバーを取り付ける等のカスタムには不向きですが、うっかり壁にぶつけたりしても傷つけにくいのがGOOD。(MTBは大きいので家の廊下を通るときとか結構あちこちぶつけます……)

取付してみました

BEFORE

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AFTER

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こんな感じになりました!タイヤ幅が2.5インチ→2.25インチとなり、足回りが大分スッキリした印象になっていますが、比較的太めのサイズを選んだのでそこまで違和感なく仕上がっているのではないでしょうか。リア27.5インチ化も一見しただけでは気付かない程度の違いとなっています。

BEFORE

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AFTER

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前後ホイール+タイヤ+チューブの合計重量は4788g→3016gと大幅に減少。漕ぎ出しの軽さや加速のしやすさが劇的に改善されました。ダイヤ目状のノブが並ぶトレッドはオンロードでは重さを感じることがなく、写真のような土の上を走る程度なら多少荒れていても安心感があります。

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後輪を27.5インチにしたことで、コーナーをより小さく曲がることができるようになり、来た道を戻る時なども大きく旋回する必要がなくなるなど、取り回しが良くなりました。また、地面からホイール中心までの高さが4cm程下がったことで重心が低くなり安定する効果も。カスタム前はドロッパーポストを上げると地面に足が届かず、止まる度にポストを下げるか、サドルから降りる必要があったのですが、そのままでもなんとか足がつくようになりました。

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ハンドルはこんな感じになりました。サスペンションフォークの長さと比べるとちょっとアンバランスな気もしますが、78cmあった横幅が60cmになったことで、クロスバイク感覚で街乗りできるようになりました!ステムは長めのものを下向きで使った結果、ハンドルが前に出て前傾姿勢を取りやすくなったのですが、ハンドリングが思った以上に重たく、細かいコントロールがしづらく感じました。110mmステムを下向きにつけたのはちょっとやり過ぎだったかも?この辺りは今後試行錯誤していきたいと思います。

結論

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今回、足周りとコクピット周りのみのカスタムとなりましたが、街乗り自転車としてもある程度は使えるという結論に達しました。ハンドルバーを狭くしたため、せまい道でのすれ違いなども問題なく、感覚的にはかなりクロスバイクに近づけることができていると思います。
とはいえ、やはり元々はダウンヒル系のバイク。ヘッド角度が63.5度、ホイールベースが1200mm以上あるので、同じMTBでもXC系のスピードを重視したバイクとは全く違った乗り味となっています。車体重量は16.0kg→13.7kgと相当軽くなりましたが、それでも一般的なクロスバイクよりはかなり重く、空気圧を高めにしてもダンシング中は前後サスがかなり動いてしまうため、高速走行に向いていない感は否めませんでした。ギア比も軽すぎて下り坂があるとすぐに踏み切ってしまいます。あと、とにかく車体が大きいので玄関の出入りや駐輪場所など地味に困る場面が多かったです。
それでも、あえてこのバイクで街乗りするメリットがあるとすれば、その圧倒的な安定感と快適性。ホイールベースの長さは直進安定性の高さに直結しますし、緩いヘッド角度と大径のタイヤで多少の障害物はものともせずに乗り越えていくので、路上に何かが落ちていても、大きな溝があってもほとんど気にせず走っていられます。もちろん路面が雨で濡れていたり、ちょっと雪が積もったりしていても走れますし、サイクリングロードを淡々と走っている時に、ちょっと気分を変えて草むらの中や砂利道を走ってみたりもできるなど、全天候型の遊べる移動手段としては、なかなか面白いバイクに仕上がったような気がします。
ちなみにこのバイク、前後ホイール・ステム・ハンドルバーを交換するだけで元の状態に戻せるので、慣れれば10分程度の作業で本格ダウンヒル仕様に切り替えが可能。フルサスペンションのMTBを押し入れで眠らせてしまっている方、簡単カスタムで有効活用してみてはいかがでしょうか。

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