サイクリングを快適にする専用ウェア
これから自転車に乗り始めるという方も、今までは普段着で自転車に乗っていたけどそろそろ自転車用のウェアを着てみようかな?とステップアップをお考えの方も。
尋ねられることが多いのが、『サイクルウェアって着た方がいいの?』『何が違うの?』といったもの。
『サイクルウェアを着ることで、自転車がもっと快適になる』ため、是非着ていただけたらというものなのですが、これじゃざっくりしすぎていて何がどう快適なのかよくわかりませんよね。自転車を始めたばかりの初心者さんにとっては未知の世界すぎて「本気っぽくなってしまうのでは…」と尻込みしてしまう方や、そもそもまったくイメージできないという方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回はギモン解消シリーズとして、『サイクルウェアとはどういうものなのか』『着ることで何が変わるのか』について簡単にご案内していきたいと思います!
サイクルウェアといえば…ピチピチピタピタ!?
サイクルウェアを身に纏って走るサイクリストさんやプロ選手を見たことがある方は、ピチピチでピタピタのウェアをすぐにイメージされるかと思います。
こんな感じに、体のラインにピタッとフィットするのが基本的なサイクルウェア(ジャージ)の着方。
昨今では日常風景の中でスポーツタイプの自転車に乗るスタイルも確立し、サイクルウェアも多様化していて街着そのままっぽいデザインのものやルーズフィットなサイズ感のウェアも増えていますが、基本はやっぱりこのピタピタスタイル。
Q.サイクルウェアはなぜピタピタなのか??
サイクルウェアがピタピタな理由は、空気抵抗の軽減。自転車に乗った時に強く感じる風がもたらす影響は、スピードが上がるほど大きくなっていきます。スピードが出るスポーツ自転車ではかなり強く影響を受けます。空気抵抗はそのままペダルを回す上での重さとなり、空気抵抗が強ければ強いほどペダルは重く、速度も下がり、体は疲れてしまいます。
空気抵抗の多い衣服を着ていた場合、服が風でバタつくことで疲労感も必要以上に増してしまうので、楽しいサイクリングがストレスだらけに!そのため、タイムを争う競技ではもちろん普段のサイクリングを楽しむ場合でも、ピチピチピタピタのサイクルウェアが活躍するのです。
とは言え、街の中をのんびり走っておしゃれなカフェに立ち寄ったり観光を楽しんだり、という遊び方がメインなら、必ずしもピタピタが一番!というわけでもありません。ちょっとゆったりめシルエットのウェアや、普段着風のデザインのウェアもどんどん増えているので、ご自身のライドスタイルに合わせてご覧いただけますよ~!!
パールイズミのシティライドフィットシリーズや、
KAPELMUUR、rin projectといった、街乗りに合わせやすいおしゃれなデザインやカジュアルタイプのウェアを多くラインナップするブランドもありますので、ピチピチスタイルやスポーティなウェアはハードルが高いな…って感じてしまう方や、普段着感覚で着たいという方はそちらがおすすめ!!
ピタピタすぎないゆったりめフィットであっても普段着よりもストレスを与えにくい設計になっているので、街乗りなどゆったりライドの時でもサイクルウェアを着ていただくと楽ちんですよ♪
Q.派手なものが多いのは??
視認性を向上させ安全を確保する、という側面があるのですが、最近は通勤/通学で自転車を使用される方やグラベルライドを楽しまれる方が増えていることから、各ブランドアースカラーやシンプルなデザインのもの、普段着っぽいカジュアルなデザインのものが増えている傾向があります。視認性というより単純にデザイン性での派手さもあるので、ここはある程度好みのお話になるかと思います。
シンプルデザインのものでも、袖や裾、プリントデザインの一部などに反射素材を配置しているものがほとんど。車道を走る自転車だからこその安全面がしっかり考慮されています。
ちなみに…初めはシンプルなものからスタートした方が徐々に派手になっていく…というのも自転車あるあるです。
サイクルウェアの大きな特徴①
これぞサイクルウェアの真骨頂!とも言える大きな特徴は、この前後の丈の違い。
スポーツ自転車は上半身を深く前傾させて乗車するため、普通の服では前が余り、後ろは寸足らずになって背中や腰が見えてしまいます。そのため、サイクルウェアは前を短め、後ろを長めにして、前傾姿勢をとっても快適に着用できるパターンとなっています。
以前、普段着でロードバイクに乗っている人と一緒に走りに行った時、目の前を走る方の腰もパンツも後ろから丸見えだったため正直とても目のやり場に困ったという経験があったりするんですが…サイクルウェアならそこもしっかりカバー!!このようにピタピタタイプのジャージはもちろん、カジュアルタイプのものもちゃんと後ろ丈が長めになっています。
カジュアル系のサイクルパンツなども前側を浅く、後ろ側を高く設計してあるため腰やおしり、下着などが見えにくいようになっていますよ~!
サイクルウェアの大きな特徴②
こちらも大きな特徴のひとつ!サイクルジャージや一部のサイクリング用シャツなどの背面にはこのようにバックポケットがついているものが大半。これがめちゃくちゃ便利なのです!
Q.後ろのポケットって何を入れるの?
よく訊かれるんですが、何を入れるという明確な決まりはありません。財布や鍵、携帯や地図を入れている方が多いかと思いますが、バッグを持ち歩かない方の場合はパンク修理用のチューブや携帯ポンプを入れていることもありますね。
サイクルジャージのバックポケットは意外と大容量なので色んなものが入っちゃいます。落ちないんですか?とも訊かれますが、自転車は前傾姿勢になりますし、ポケットは結構深いのでよほどバランスの悪い長いものを入れない限り落ちません!最近はファスナー付のポケットのあるものも増えているので、鍵など落としたら困るものはそこに入れてしまうことも可能だったりします。
あとはエネルギー補充用の補給食!
↑の写真でポケットに入れているのは人気の補給食『スポーツようかん』です。
あと、バナナとか?(・∀・)
一般サイクリストさんでは少ないと思いますがサイクルロードレースではバナナは人気の補給食なので、ポケットに刺さってるのもよくある光景です。
私はだいたいスマホとタオルと補給食を入れてます。私の友人は親戚の畑で貰った野菜(大根とかゴーヤ)を詰め込んで走ってました。(聞いた時めちゃくちゃ笑いました)手ぶらでサイクリング可能な優れた設計なのもサイクルウェアの特徴です。
サイクルウェアの最大の特徴
サイクルウェアの最大の特徴は、おしりを守るパッドが搭載されたパンツでしょう…!!
ロードバイクをはじめとするスポーツ自転車は衝撃吸収の機構がなく、細いタイヤに高い空気圧、細くて硬いサドルで構成されています。これらの仕様によって乗り味を硬くすることでペダリングの力をロスせずに推進力に変えることができ、少ない力で速く走ることが出来ます。
でもこの硬さが曲者。路面からの衝撃を車体で吸収できず、すべて自分の体で受け止めることになります。中でも一番負担がかかるのがおしり。人によっては慣れるまではかなりの痛みが出ますし、走行距離・時間が長くなってくると慣れた人でもそれなりに痛みが出ることも。
そのためのアイテムが専用のパッド付パンツです!!
緩衝素材でできたパッドがサドルとおしりの間に入ることで、衝撃を和らげおしりの痛みを大きく軽減してくれます。スポーツサイクルに乗る上での必携アイテムですね!厚みやパッドの形も様々なので、自分のおしりの形にぴったり合うものを選ぶのがポイント。これひとつで安心感が全然違いますよ~!
↑の写真はいわゆる『レーパン』と呼ばれるレーサーパンツ。
これ1枚で走れるピタピタシルエットのパンツで、ベーシックな膝丈のもの、7分丈、10分丈と丈の長さだったり搭載されているパッドの厚さだったり色々なタイプがあります。ピタピタシルエットであることで、ジャージ同様に空気抵抗を軽減したり、足の筋肉の振動を抑えて疲労を軽減したり、布の摩擦によって生じるストレスを軽減したりしてくれる優れもの!
使い回ししやすいシンプルなデザインのものから、ジャージとセットアップのデザインで着ることでカッコ良さ増し増しのコーディネートも楽しめます♪
普段着やカジュアルウェアと組み合わせられるよう、下着にパッドが付いているインナーパンツもあるので、ピタピタパンツはちょっと…って方もしっかりバッチリおしりをサポートできますよ!!
ピタピタすぎないハーフパンツ風のパッド付パンツや
カジュアルパンツにパッドが縫い付けてあったり、パッドが簡単に着脱できるものも増えてきています。
自転車用のカジュアルパンツは硬いサドルと接するおしり部分の生地を2重にしていたり、強度を上げていたりするのも大きなポイント。私服で乗っていたら股~おしりの生地が薄くなってしまった!なんてこともあるので、パンツだけは自転車専用設計のアイテムに変えているという方もいらっしゃいますね。(私はパッド付タイツと重ねばきしていたデニムのショートパンツに穴があきました)
機能性にも優れています
また、サイクルウェアはスポーツウェアなので、大量の発汗や筋肉の動きにも対応できる高い機能性を備えています。通常の衣服よりも遥かに吸汗速乾性が高く、伸縮性と通気性に優れたものが多いのも特徴です。
メッシュ生地を大きく配置したものから、普通のTシャツやポロシャツ風のものまで多種多様ですが、いずれもさらりとした肌触りで速乾性が高いものがほとんど。汗による不快なベタベタも少なく、とっても快適なんです!(汗処理に優れたインナーウェアとの併用がおすすめです!)
サイクルウェアのススメ
ざっくりとした案内となりましたが、いかがでしたか?普段着でももちろん自転車には乗れるけれど、気づかないうちに不快感や疲労感の元になってしまうこともあります。それらの問題・ストレスを解決し、よりサイクリングを楽しく、快適にしてくれるサイクルウェア。是非取り入れてみてくださいね!!!
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