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スタッフの古閑森です。
本日は、【今更聞けない】パワーメーターについて(その2)です!
先日のブログでは【導入編】として「パワーメーターで分かる3つの事」をご紹介しました。
その続きとして、予告しておりました【FTP】【パワーウェイトレシオ】等の詳しいデータの解説と活用法法についてお話しして参ります。
このデータが無いと始まらないほどの重要事項 その①【FTP】
FTPとは「1時間継続可能な最大出力」の事で、パワーメーターを使用したトレーニングにおいては最も大切な指標とされています。
ただ、この数値は持久力が高い人ほど有利な傾向があり、脚質で言う所のルーラーがそれにあたります。
逆に、持久力が低いスプリンターには多少不利なデータが出やすいと言われております。
一般的な計測方法としては【20分間全力でもがく】という方法があります。
※ノンストップでの計測が前提となるので、20分ほどで登頂可能な峠を全力アタックするか、ローラー20分全力で回すことになります。
その平均出力に×0.95をすればFTP値が計算できます。
ただし、たった1回の計測で正確な数値は計測不可能なので複数回の計測を行い、その平均値が「より正確なFTP値」になります。
もちろん、実際に1時間全力走行をすれば、その平均出力はそのままFTP値になります。
このFTP値の上昇が【物理的には速くなった指標】と言えるでしょう。
パワーメーターを手に入れたならば、是非計測していただきたい大切なデータです!!
FTP値を基準とした強度区分【ゾーン】
自分のFTP値が分かれば「運動強度」をコントロールしながらトレーニングが可能になります。
レベル | FTP比 |
L1 回服走 | ~55% |
L2 耐久走 | 56~75% |
L3 テンポ走 | 76~90% |
L4 乳酸閾値 | 91~105% |
L5 VO2max | 105~120% |
L6 無酸素運動容量 | 121~150% |
L7 神経筋パワー | 151%〜 |
上記が一般的な区分けとされております。
※L3とL4の境目である88~92%は「効率よく有酸素トレーニングができる」と言われており
SST(SweetSpot Training)スイートスポットと呼ばれております。
ゾーンを活用した目標設定とトレーニング
【レースで戦う】と言う目標であれば、FTP値の底上げが課題として上がってくるので、日々のトレーニングが必須となるでしょう。
※ここのトレーニングに関しては検索で色々な情報が出てきますのでここでは割愛いたします。
私なんかより、よっぽど凄いプロや実業団レーサーの情報を頼ってください(笑)
【フィットネスや健康維持】でのトレーニングであれば、上記表下部の※に記載したSST(スイートスポット)でのトレーニングが有効と言われております。
概ねFTP値90%程度でのトレーニングは有酸素運動としては最も効率が良いと言われており、心肺機能を含めた基礎体力が向上する他、代謝もよくなるので免疫機能の向上も期待できます!
スイートスポットって名前は可愛いですが、地味にキツイです(笑)そんな方は無理せずL2〜L3で少し長めの時間走るのもOKです!
【ロングライド】でのトレーニングの場合は目標設定が大切になります。
「何キロのスピードで何時間走り続けたいか」の目標設定です。
ロングライドする事自体はさほど難しくありません。L2程度の強度で走るだけです。
活字にすると簡単ですが、実はロングライドは奥が深いです!!
問題となってくるフィジカルは【持久力】ですが、この持久力には、大きく分けて2種類あります。
【筋持久力】と【心肺持久力】
【筋持久力】とは筋肉の稼働時間がどれだけあるか?という事です。
LSDトレーニングが最もポピュラーなトレーニング方法です。
[LSDトレーニング]
例えば、マラソン選手の様な細い筋肉である遅筋のトレーニングです。
Long Slow Distance(ロング・スロー・ディスタンス)の略で簡単に言うと、ゆっくり長い距離を走るトレーニング手法です。長時間の運動になるので、心肺トレーニングにもなりお得です!
ゆっくりと言ってもダラダラと低出力でペダルを回すのではありません。
諸説ありますが、少し重いギアをじっくり回すのが私の個人的なイメージです。
ケイデンスも心拍も上げ過ぎずにゆっくりヒルクライムをすると良いかもしれません。
※強度を上げすぎると遅筋ではなく速筋のトレーニングになってしまうので注意が必要です。
※心拍もスピードも上げすぎたらNGですよ!!
【心肺持久力】とは心肺機能や最大酸素摂取量(VO2max)がどれだけ高いか?が勝負です。
インターバルトレーニングが最もポピュラーなトレーニング方法です。
[インターバルトレーニング]
インターバルトレーニングは、サイクリストに限らず多くのアスリートが実践しているトレーニングで、低負荷と高負荷のサイクリングを交互に繰り返すトレーニングです。
一定時間の全力走と休憩を繰り返す練習法で、「40秒全力〜20秒休憩」や「2分全力〜1分休憩」等、行う時間は考え方によりアプローチは様々ですが、[ 全力走:休憩 = 2:1 ]の法則で概ね正解だと思われます。ご自身が最後まで全力で踏み切れる時間に合わせて設定しても良いでしょう。
これを、体力と体調に合わせて約5〜15セットほど行うトレーニング です。
※私は2セットでお腹いっぱいになり、5セット超えると翌朝後悔します(笑)
トレーニング強度がかなり高いですが、現在では「最も短時間で効果の高いトレーニング」とされております。
身体への負荷もかなり大きいのでトレーニング前後のウォームアップとクールダウンは忘れない様にしてください。
ロングライドでは、この2種類の持久力を日頃のトレーニングで鍛えつつ、L2で目標時間or短時間であれば強度をL4かL5まで上げて行うと良いでしょう。
このデータが無いと始まらないほどの重要事項 その②【パワーウェイトレシオ】
パワーウェイトレシオとは、体重1kgあたりに換算してパワー(W数)がどれだけ出せるかを表した値です。
表示は「◯◯w/kg」
計算方法は出力を体重で割るだけで計算できます。
前回のブログでもご紹介した私のデータですが、最大パワー:1256wです。(1.7馬力です♪)
現在の私の体重が105kgですので、パワーウェイトレシオは 1256w/105kg=11.962w/kg
いわゆるパワーウェイトレシオ約12倍ってやつです。
パワーだけ見ると1256wは高出力ですが12倍なので、体重50kgの方だと×12で約600w相当なので、実は全然凄くない事が分かりますね!(涙)
練習会等で、パワーメーター所収者が「今日はキツかったね!最後追い込んで○○倍で踏んだよ〜」なんて会話しているのはパワーウェイトレシオの話なんですね♪
運動強度を語るのであれば、何w出力したのか?ではなく、パワーウェイトレシオが何倍なのか?で語れば全員「同じ強度」になる訳です。
このデータが無いと始まらないほどの重要事項 その③【VO2max】
VO2maxとは、「V」は量、「O2」は酸素、「Max」は最大限を意味します。つまりVO2 Maxとは、運動中に体が消費できる最大酸素量と言う意味で、1分間に体重1kgあたり何mlの酸素を取り込めるかを表した値で。パワーウェイトレシオの酸素版みたいですね!!
VO2maxは心肺持久力の話でも出てきましたが、持久的な運動のキャパシティだと思っていただいて大丈夫です。
「どれだけの時間」「どれだけのパワーを出せるか」を計測するのに心拍数も加われば、より正確な身体面の強さを測れます。
単純な例ですが、同じパワーをより低い心拍数で出せれば、そのパワーの継続時間が長くなった可能性を示唆しており、VO2 Maxが高いほど、より効率的に体内で二酸化炭素を排出できる計算になるります。その結果、赤血球が運び込む酸素量も増え、筋肉の収縮運動を持続できるのです。
VO2 Maxの数値向上は健康偏差値の上昇?
VO2 Maxの向上は、アスリートだけではなく本来の健康全般にもメリットがあります。最大酸素摂取量が増えるので、心臓が1回鼓動した時の酸素運搬量が増え、全身の筋肉に酸素が送り出せるようになるり、安静時心拍数が下がります。つまり、心臓血管系全体にかかる負担が少なくなるのです。
VO2 Maxの数値が高くなると言う事は=健康になっていると考えることができます。
諸説ありますが一部では、喫煙や高血圧よりも心肺機能が低いことの方が、死亡リスクを予測する指標として有力だとしているデータもあります。
VO2 Maxの改善トレーニング
トレーニング方法は前項で記載した【心肺持久力】のトレーニングです。
※以下再掲
【心肺持久力】とは心肺機能や最大酸素摂取量(VO2max)がどれだけ高いか?が勝負です。
インターバルトレーニングが最もポピュラーなトレーニング方法です。
[インターバルトレーニング]
インターバルトレーニングは、サイクリストに限らず多くのアスリートが実践しているトレーニングで、低負荷と高負荷のサイクリングを交互に繰り返すトレーニングです。
一定時間の全力走と休憩を繰り返す練習法で、「40秒全力〜20秒休憩」や「2分全力〜1分休憩」等、行う時間は考え方によりアプローチは様々ですが、[ 全力走:休憩 = 2:1 ]の法則で概ね正解だと思われます。ご自身が最後まで全力で踏み切れる時間に合わせて設定しても良いでしょう。
これを、体力と体調に合わせて約5〜15セットほど行うトレーニング です。
トレーニング強度がかなり高いですが、現在では「最も短時間で効果の高いトレーニング」とされております。
身体への負荷もかなり大きいのでトレーニング前後のウォームアップとクールダウンは忘れない様にしてください。
トレーニング計画の指標【TSS】
TSSとは「トレーニング・ストレス・スコア」の略称で、その運動で身体にかかった負担の大きさを数値化したものです。
※職場や家庭でのストレスは計測されません(笑)
心拍等の外的要因や体調に左右されることなく、実際に出力したパワーを基に算出する事で、今までは感覚的なものでしかなかった疲労感を数値化する事ができます。
回復に必要な時間や回復食の摂取量も適正に管理ができるので計画的にトレーニングしたい方にとっては必要不可欠なデータです。
※TSSの算出方法はかなり難しいので、自動算出機能付きのサイクルコンピューターをお買い求めいただき、各種データ入力に加えて、心拍計とパワーメーターをご使用ください。
まずは把握しよう!自分のTSS
今回ご紹介したトレーニング(FTPのゾーントレーニング)を実際に行って【どのくらいのTSSだったのか】を把握しましょう。
概ねTSS150を超えない範囲内であれば、毎日行えるトレーニング(一晩で回復可能)と言われておりますが、もちろん年齢や回復力等の個人差があります。※私だったらTSS150は一晩じゃ回復は無理です(汗)
自分の行ったトレーニングがTSS70だったら“足りない”と感じるかもしれませんが、それが適正な方もいらっしゃいます。
いわゆる“ガチ”なトレーニングでTSS300超える方もいれば、それがTSS150という方もいます。
そう言う意味でも、あくまでトレーニング計画の指標だと言う事を忘れないでください。
とは言え【完璧では無い】TSSの注意点
自分に合ったTSSの管理ができる様になっても気を付けていただきたい事があります。
極端に言うと、“低強度・長時間”と“高強度・短時間”はTSS的には同じ事になります。
※FTP換算で、100%1時間 ≒ 70%2時間 ←TSSはほぼ同じ
たとえTSSは同じでも、得られる効果もトレーニングの目的も全く違います。
TSSでのトレーニング管理もあくまで指標だという事を忘れない様にしましょう。
“1回”のトレーニングではなく、“1週間”のトレーニングで「TSSこれくらい」とか中期的に無理なく計画を立てる方法もありですよ!!
パワーメーターのデータから日々のトレーニングを管理する
ここからは、今までの総論的な内容になります。
日々のトレーニングにパワーメーターを取り入れデータを計測し、自分の取り組むべき課題を見つけてトレーニングメニューを組み、そのトレーニングの成果でFTPやVO2maxの基礎的数値が上昇すれば、同じトレーニングをしてもTSSの数値は下がり「強度が足りない」と言える様になります。
そんな時には、トレーニングの最後に「インターバルトレーニング」を何本か追加したり、ちょっとした峠をコースに追加するのも良いでしょう。
そして、新たなメニューでのTSSを再び把握して管理していきます。
目的に応じてメニューを組み換えて“ヒルクライムメイン”だったり“平坦基調メイン”だったり一週間の中でバリエーションを持たせたトレーニングメニューで取り組むと、より楽しくトレーニング が可能です。
今回のブログでお伝えした内容(トレーニングデータ)を組み合わせて、多角的な視点でデータに見る事で、より効率的なトレーニングを行う事ができます。
パワーメーターは決して安い買い物ではありません。
しかし、きちんと使いこなせば必ずあなたの自転車ライフを豊かにしてくれる商品です。
レースで戦える様になる事も
ダイエットで結果を出す事も
楽に遠くに走れる様になる事も
昨日の自分と比較して一歩でも前に進む事が結果につながります!
ちなみに、2022/2/1現在Y'sRoad福岡天神店に在庫しておりますパワーメーターは
【ペダル型パワーメーター GARMINシリーズ】
LOOK KEOクリート Vector™ 3 S ¥86,900-
※詳しくはこちら(価格は当時の価格で現在は変更されております)
SPD-SLクリート RALLY RS 100(片側計測) ¥86,900-
SPD-SLクリート RALLY RS 200(両側計測)¥140,800-
SPDクリート RALLY XC100(片側計測) ¥91,080-
SPDクリート RALLY XC200(両側計測) ¥151,800-
ご来店お待ちしております。