日本を代表するタイヤメーカー『BRIDGESTONE』が誇るロードバイクタイヤ『EXTENZA』がパワーアップしてリニューアル!
8年ぶりのモデルチェンジとなる今作は新ETRTO規格に準拠し、また業界の流れに合わせる為に『完全新設計』となっています。
なぜならこの8年間でロードバイクは『スルーアクスル』『ディスクブレーキ』『ワイドタイヤ』『ワイドリム』『チューブレスレディ』と足回りに関する変化が多く発生し、昨今ようやく既定路線が定まった形だからです。
ライバルメーカーが我先にとモデルチェンジを発表する中で虎視眈々と変化の潮流を見極めながら開発を続けてきたブリヂストン、最後発ゆえに完成度の高いタイヤに仕上がっているはずと期待せずにはいられません!
そこでスタッフは新たなエクステンザをメーカー様から提供頂き、クリンチャータイヤの『EXTENZA R2X』を2週間使わせて頂きました。
今回はこのタイヤのスタッフインプレッションを交えて紹介させて頂きます。
BRIDGESTONE
EXTENZA R2X 32c
[ysid 4977716009770]
¥8,200-
タイヤスペック
- クリンチャータイヤ
- 32c(リム内幅21mm基準)
- (推奨リム内幅:16mm~25mm)
- タイヤ重量:310g
- ケーシング:60tpi
- ナイロン製パンクプロテクター・スリックパターン
耐摩耗性・耐パンク性を重視したロングライドタイヤ『RR2X』の後継タイヤ。
転がり抵抗9%減少、耐摩耗性27%アップ、耐パンク性24%アップと『より速く、長く、強く』パワーアップ。
そしてトレッド幅が従来品から15%も広くなったことで路面環境に左右されにくくなり安定したコーナリングが可能。
私がEXTENZA R2X 32cを選んだ理由
提供を頂く段階で『R1X TLR』『R2X 28c』『R2X 32c』から選ぶことが出来ました。
多くの方にとって本命のタイヤはレーシングモデル『R1X TLR』かと思いますが、今回はあえて『R2X 32c』を使わせて頂きました。
その理由はインプレッションをする私にあります。
私はこの何年か子育てもあってレースイベントに参加せず、バリバリ走るという段階を終えて年間走行距離は大幅に減少し、身体もずいぶんたるんで太って来ました。
そうなると自ずと乗り方も変わってきて、たまの休日に100km以内の距離をスローペースでツーリングするという楽しみ方をしています。
『R1X TLR』がターゲットにしているのはレーサー、確実に私ではないなと思いました。
逆に『R2X 32c』はのんびりとライドを楽しむ私にまさにドンピシャなタイプのタイヤです。
その理由は『操作性が良くて安全』『体力が無くても乗りやすい』『パンクトラブルは避けたい』『乗る頻度的にクリンチャー』というのが主な理由です。
グリップの安心感はピカイチ
普段は『グラベルタイヤ・TLR・38c』を使用している為、同じ感覚で『ロードタイヤ・CL・32c』で曲がって倒し過ぎて横滑りしないか当初は不安でしたが、これは杞憂でした。
トレッド幅を従来品から15%拡充した恩恵、どれだけ倒してもトレッドの終わりを感じさせないグリップ感は38cのタイヤと感覚的な差が全くありません。
スリックパターンゆえにどこまで倒してもグリップ感は一定で、途中から急激にグリップ感が強くなったり腰砕けする事が無く非常にバイクをコントロールしやすいです。
このグリップ感を確かめるべく、何十周と8の字周回練習を攻められるだけ繰り返してみましたがどこまで倒してもグリップし続け横滑りする気配はゼロ。
コーナーでこれほど安心を感じるオンロードタイヤに今まで出会ったことがありません。
インプレッションで使用しているシクロクロス『one by ESU JFF 803』はクセのあるバイクです。
それはシクロクロスではよくあるペダリングしながら曲がる動作をハンドルを切るのに頼っていると前輪とつま先が接触するというクセです。
(意図的にそういう設計にされています)
しっかりバイクを倒して曲がれないと転倒する事もありますが『EXTENZA R2X』はどこまでも倒せるグリップのおかげでつま先にぶつかる事なく常にゆとりがあり、コーナーリングにハマってしまうほど楽しい旋回性を発揮してくれます。
新開発されたコンパウンドを採用されていますがエクステンザらしい少しねっとりと感じるグリップ感は健在、タイヤが路面を掴んでいる事を感覚的に味わえるのも安心感に繋がっているのだと思います。
開発者トークで『乗り手の感覚を重視したもっと倒せるタイヤ』と書かれていましたが、まさにその通りなタイヤですね。
路面が気にならないタフさ
シクロクロスやグラベルを嗜むサイクリストはロードバイクでもオフロードに突撃してしまう悪癖がありますが、ご多忙に漏れず私もそのタイプです。
クリンチャー?
スリックパターン?
ロードバイクタイヤ?
でもいけるでしょう、だって32cもあるんだから。
太さは絶対的に正義、太い、ただそれだけで路面環境を気にすること無く走れます。(限度はあります)
硬く踏みしめられたハードパック・草が伸びたグラスエリア・小さな石が敷き詰められた軽グラベル、ドライコンディション向けのオフロードタイヤと同じくらいにはしっかり直進する事は出来ます。
(サイドを使うことを意識して蛇行や曲がると小さい石でもタイヤが取られてしまうのであくまでも直進のみ)
軽めにオフロード走行を7回程度行い、また一度だけ異物が浮きパンクがしやすい強い雨の降る中でオンロード走行も行いました。
意図的に大きめの木の枝やドングリなどこの時期路面に多く落ちている異物を沢山踏んでみましたがパンクする事はなく、タイヤの裂けや目立った傷は無し。
これだけで耐パンク性の高さを判断する事は勿論出来ませんが、おおよそオンロード走行だけでは生じない悪路走行や異物踏みを繰り返しても目立ったダメージ感が無いのは好印象です。
中々無茶な遊び方にも付き合ってくれる懐の広さがあるので、グラベルバイクのオンロードタイヤにもいいですね。
中速域で光る転がり
R2Xはロングライド・ツーリングに最適な耐久性重視のタイヤ、ゆえに走りの軽さは期待はしていませんでした。
ですが思ったより印象が良かったのは初速の軽さと中速巡航性能です。
初速の軽さは信号で停車してからの再発進でストレスが少なく、ロングライドでは重要視したいポイントです。
そして中速域の順行性、主に25km/h~30km/hで流すのが非常に快適です。
太いおかげで路面の凹凸にタイヤを跳ねられる感覚が小さく、一定のペースを保ったペダリングが行いやすいですね。
この初速の軽さと中速順行性は新コンパウンドにより転がり抵抗を9%も削減したことが大きく影響しているのは明白。
本来しなやかさの少ない60TPIのナイロンケーシングですが、ねっとりと感じるほど柔らかいのに抵抗を軽減しているコンパウンドとワイドタイヤ化による低圧での運用性(スタッフは4.5barで使用)の組み合わせが気持ちよく快適な走りに繋げているのだと思います。
高速域を目指して踏むと頭打ち感が生じるものの、特に良かったと思うのは登り坂です。
タイヤ自体に重さがあり速く登れる訳ではありませんが、登り坂でリアタイヤに集中する荷重を広いトレッドがしっかりと支え、ペースを保って踏み続けやすくペダリングに安定感がありました。
インプレッションであまり聞くことは無い言葉ですが、言うならば『ふんばり感』でしょうか。
柔らかくねっとりとした新コンパウンドが路面を常に掴んで踏み込んでも滑る事なく力を伝えていると感じます。
トラクションがしっかりとかかる路面との足つきの良さが力をロスすること無く登りの推進力に繋げている気がします。
R2Xをオススメしたい人は?
レースの速さよりも『スリップしない旋回性』『疲れても漕ぎ続けやすい安定性』『路面環境に左右されにくい快適性』を重視しスポーツサイクリングとして末永くロードバイクを楽しみたいホビーサイクリストにオススメなタイヤです。
最近ロードバイクでも最大38cまで使用できるエンデュランスロードバイクが続々と出ており、今や32cは最初についてくる標準サイズ。
サイズそのままにより優れたグリップと転がりを持つEXTENZA R2Xにする事で、 より無理なく気持ちよくスポーツサイクリングを楽しめる様になると思います。
スポーツサイクルが世間に広く浸透し、レース以外の楽しみ方も広がった令和の時代。
速さ以外のベクトルを重視したレベルの高いタイヤの選択肢が増えたことは非常に喜ばしいことですね。
前作よりも価格は上がりましたが、その分性能だってもちろんアップ!
『長く使える』『パンクに強い』『操作しやすい』『快適に走れる』この要素を求めている方には使って頂きたいです。
今回テストしたのは最も太い32Cですが、人気の高い25Cと28Cもラインナップされお好みのタイヤサイズをしっかり選べますので、次のタイヤにいかがでしょうか。
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