10万円台ではもはや敵なし?
エントリークラスにベストバイモデルが遂に登場か?
デュラエースで絶賛された走りはセカンドグレードにも宿っているのか?
話題の新型ホイール、アルテグラ「C50」&「C36」に乗ってみました!
50mmハイトらしい骨太の巡行能力!
SHIMANO WH-R8170-C50 ¥157,300-(税込)
〇まずは見た目
こうやって引きで見るとロゴが全く見えない・・・
シマノホイールです!といった主張が少なめなので、どんなフレームでもどんなコンポでも、これなら合わせやすいはず。
〇ゼロ発進
出足は普通。見た目通りの重さを感じます。
50mmなのに軽い!とか思ったより軽快!といったイレギュラーな感じは一切なしという潔さ。
〇加速
踏んだら踏んだだけしっかりと進む感じは好印象。
踏み込みポイントは13時~16時くらいと結構広め。雑に踏んでも普通に加速してくれる懐の深さがあるので、見た目の割りに乗りやすい。
ただ50mmなりの反応の鈍さ・ルーズさのようなものは感じます。
〇巡行
30km/hを越えてからの伸びが気持ち良い。40km/hを維持するのも容易なので、明らかに中~高速域に振った特性が与えられています。
コギ自体は重くも軽くもなくなんというか普通。剛性が程々で脚当たりは良いのですが、気づいたらそれなりに脚を使わされているので、スピードを維持するためにはやはりある程度のパワーが必要です。
〇総括
デュラは50mmがベスト!みたいな噂を聞いていたので、アルテにもその感じを期待していたのですが・・・正直「普段使いもOK」とは言い難いキャラクターだったのが意外でした。
ただ裏を返せば、イマドキ珍しいすごく真っ当な50mmホイール。
35km/hで巡行が出来る人、もしくはその速度域で走ってみたいという、スプリンター/ルーラー気質のライダーにはベストマッチかも。
最近よくある「剛性が高すぎる」感じはしないので、50mmハイト入門としてもオススメです。
36mmハイトならではの軽快な走り!
SHIMANO WH-R8170―C36 ¥157,300-(税込)
〇まずは見た目
こちらもグラフィックはシンプルそのもの。
テストバイクがCAAD13なのでフレームとのバランスは良好。ただ本格的なエアロフレームが相手だと、もう少し足周りのボリュームが欲しくなるような気がしなくもない。
〇ゼロ発進
出足は軽快そのもの。C50と比べると明らかに軽い。
とはいえ超軽量ホイールでたまに見られる「低速域での落ち着きのなさ」みたいなものは感じないので、スルッと普通に走り出します。
〇加速
動き出したら30km/hくらいまではあっという間。そこからの伸びは若干落ちるものの40km/hくらいまでは十分に実用域。
踏んだら踏んだだけ良く進む特性や、踏みどころが広くて雑なペダリングでもそれなりに加速してくれるあたりはC50とよく似ています。
〇巡行
C50と比べるとペダリングは軽快。サクサクと脚は回るものの適度な踏みごたえがあり、後輪がきちんと路面を蹴っている感覚もあるのでスピードの維持も容易。
ホイール剛性は程々。たわみや粘りが良い方に出ていて、コギ味は意外とマイルド。C50ほど足を削られる感じはないのでサイクリング的な使い方も出来そうです。
〇総括
軽快感とエアロ性能のバランスが良い36mmホイール。
普段乗り~35km/hくらいまでの速度域なら文句なし。脚力に自信のないビギナーでも十分に使いこなせる扱いやすさも備えています。
まさに万能の一本。気になる点があるとするなら見た目のボリューム感がちょっと物足りないくらいでしょうか。
ただこれが40mmになったりするとこの絶妙なバランスが崩れそう・・・
どちらのホイールも「〇〇だけど〇〇みたいな走り」的な二兎を追うようなことはせず、リムハイトなりの性能の追及に絞ってきた印象です。
それぞれのキャラクターも明快そのもの。登りも含めたオールラウンドな性能なら「C35 」。平坦重視のスピード系なら「C50」。
コストに制限のあるミドルグレードホイールだからこその、良い意味での「割り切り」みたいなものが、このわかりやすい個性と価格以上の走りに繋がっているのではと感じました。