【インプレ】PINARELLOの最新・最高峰を試乗してきた!【F10】&その他
常に革新的なテクノロジーを開発し続けトレンドを作るPINARELLO。
ASYMMETRIC(左右非対称)をバイク全体に取り入れたのもPINARELLOがいち早く、推進力の効率化へ絶え間ない進化を続けています。
「F10」はF8の後継にあたるハイエンドモデルでF8の基本とF8 Xlightのカーボン成型技術を用いて、TEAM SKYの選手の要望を実現したバイクになっています。
そのF10をPINARELLOがショップ向け試乗会を開催したので乗ってきました。
TEAM SKYカラー。横ラインのデザインが速さを象徴しているかのようです。
F10ではカラーリングが一新され「MAGIX」とPINARELLOが呼ぶドット柄のグラフィックがメインになっています。(*チームモデルのみデザイン違いです)
ASYMMETRIC(非対称)もF10用に進化している。それは伝統的スタイルのバイクに対して+16%、ペダリング時の応力バランスが整えられている。
F10がよく進むのはこの左右非対称の作りが大きく影響している。
クイックエンドのフィン「ForkFlap」、これは空気の整流効果により10%の空気抵抗を減少する。
TTバイク「BOLIDE」のテクノロジーを使っていて、重量増との兼ね合いによりBOLIDEよりは小さいサイズで落ち着いた。
ダウンチューブはボトルゲージとボトルを包み込むような形状でコンケーヴ(凸型)と呼ばれF8に対して20%ものエアロダイナミクスの向上につながっている。
また最新の電動システムにも対応したフレームでエアロダイナミクスを損なうことなく綺麗に収まる作りとなっている。
カムテイル形状の「FlatBack」を随所に採用して空気抵抗の減少につなげている。
またレース機材ということでレース現場で作業しやすいノーマルのブレーキが採用されている。
試乗会のほうはまずは全体の流れとその後簡単に技術説明が行われた。
かいつまんでいくと
・DOGMAの系譜の10代目なのでF10となった。
・F8を進化させるに当たり3つの目標が立てられた。1つエアロダイナミクスの向上、2つハンドリング特性をキープ3つ美しいデザイン。これらはチームスカイからの要望でもある。
・目標の1つエアロダイナミクスの向上はTTバイクBOLIDEの技術を多数採用することで大きく改善させている。
・目標の2つハンドリング特性はフレームの剛性アップと軽量化をさせながらも「カーボン積層」の仕方をF8Xlightの技術を使用したりしてキープさせている。
・目標の3つ美しいデザイン、F8である程度完成された美しさもありパッとみの変化をさせずに進化させてきた。また今までとは違うデザインを採用して美しさを際立たせている。*イタリアでは速くてもかっこ悪いのはダメだそうです。
・DOGMAは3大コンポメーカーの電動(Di2/EPS/Etap)の発表時に使われている。それはDOGMAが最新のコンポにすぐ対応してフレームを設計しているからである。
以上と上記フレーム紹介のところの内容を合わせて+αといった説明をうけました。
説明を聞いたところでいよいよ試乗タイム!
[インプレ]
比較しやすいように当社販売のCIPOLLINIのRB1000で自走で参加。
現状走れてない上自走の為脚がくたびれ気味で乗ったので脚力ないと思ってる方や疲労後の感じ方の参考にもなるかもしれません。
*あくまで個人の感想です。全ての人が同じ印象を受けるとは限りませんのでより多くのインプレを参考にするといいかもしれません。その際はインプレした人や状況を踏まえるとよりよいです。
*基本サドル高のあわせのみで全体的に落差が出てない状態での試乗。
*写真は別撮りで乗った車体ではないのもあります。
F10
軽い・硬い・進む!第一声が「やばい」でした。薀蓄云々すっ飛ばして声がでました。
まずは軽さ。ピナレロはスペック的にも持った感じもいまどきの軽量バイクほど軽さを求めていない感じでしたがF10は持って軽くて走って軽いです。良い意味でピナレロらしくないバイク、重厚感ある感じが受け付けなかった人にもお勧めです。
硬さ、いやな硬さはないのですが今の私の足では硬さの上限を探るスタートにも立てないくらい懐が深いです。プロユースとあってフレーム剛性に不満が出る人はいないでしょう。
よく進む。入力に対してそれ以上の推進力が出ている感じがします。よく後ろから押される感じがするというのと同じことかと思います。かるーく漕げばスーと進み、がんがん漕げばぐいぐい進んでいきます。
空力もいかに人間の空気抵抗が多いかよくわかる程で、漕いでフレームが進むが体が後ろへ引っ張る感じで抵抗になっているのがわかります。試乗中はそこそこ風があって向かい風などよくわかる感じです。逆にわからなかったのが横風の影響、8の字状のコースなので向かい風があればどこかが横風なのですが影響を感じませんでした。周りの木や柵等で風が弱まっていた可能性もありますが。
ハンドリングはクイックでハンドル操作した瞬間にすぐ反応します。慣れるので問題はないですが後々乗ったK8との反応の差で不安定になったりしました。それくらい機敏な動きが可能ですがふわふわしてる感はなく剛性をしっかり確保しているだけありクイックながら安定しているという印象です。
さてここまで見るプロユースならではのハイエンドモデルで終わりそうですが、F10のすごい所はのんびり短時間サイクリングするのにも適している。というところ。軽くて推進力があるのでのんびり走っても非常に気持ちがよく走っていて楽しいです。
個人的には成績を狙いたいレースでは使わないでしょう。ハイスペック過ぎて脚が付いていかないからです。でも上記のとおりのんびり走りを楽しみたい時には使いたいです。贅沢な使い方ですが。
F8
F10の比較として今まで試乗したことがなかったので乗ってみました。
致し方ないことですが最新モデルと比較してしまうと一段落ちるというかF10が劇的に向上し過ぎな面があるのでやむをえない感じです。
ただしピナレロらしい重厚感はF8のほうがありますし巡航時の粘りある速度維持感はF10にはないよさでした。
重量面では負けているものの剛性感は私としてはこちらのほうがあっている感じ(それでもしっかりトレーニングしないといけませんが)でしたので、現状レース走るならこちらでしょうか。
F10が出たからこその感じですがなければ文句ない気もします。
K8
グランフォンドバイクの最高峰シリーズのDOGMA K8 。写真とってませんが扁平加工された極太(横に)チェーンステーが目をひくモデルです。
快適性も重視してるだけあって非常に乗り心地良くそれでいながらF8とまではいきませんが鋭い加速も可能です。
直進安定性が高くハンドルの操作がマイルドで切れ過ぎる感じがありません。
一定ペースで走るのに優れていて快適性もあるので耐久系レースやロングライドに向いているモデルです。
ちなみに本場ヨーロッパのグランフォンドの先頭集団はプロ並みの速度で走ります。それにも対応出来るモデルということなので国内ののんびり系グランフォンドを意識するとフレームが硬く感じるかもしれません。
K8-S
キワモノバイクといっては失礼かもしれませんが、K8にリアサスペンション付けたのがK8-Sです。
基本的にK8と同じ印象ながらより振動吸収性能に優れたモデルです。ただし加速感はやや減衰されてしまっている感じ、まぁサスが付いてるのでしょうがないですね。
ただ日本の道路だと(諸外国に比べると綺麗な道が多い)ほとんどのところでオーバースペックな気もしました。補修のされてないひび割れだらけの道とか走ると本領発揮できるのかもしれませんが試乗コースのちょっとした振動箇所ではK8でも十分な感じです。
少しでも快適性が欲しい方や道の荒れが続くようなところを多く走る方にはこちらもお勧めです。
一番目玉のF10が一番印象的でそちらに偏って他はやや片手間な感じな感想ですが参考になれば幸いです。
ちなみにF10で私のサイズにはなかったので乗りませんでしたが付いているホイールがフルクラム・レーシングゼロとレーシングゼロ カーボンが付いてる車体ではだいぶイメージが違ったそうです。どこのフレームにも言えますがホイールとの相性などもありそうです。ちなみにレーシングゼロのほうがよかったようです。私の乗ったバイクは全部レーシングゼロに25Cタイヤでした。
まだまだ勉強中ですが、ほか気になるとこあれば村松までお問い合わせください。
F10いいです!ご予約おまちしております。