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【インプレッション】話題の電動ギアWHEELTOP-EDSを試してみた

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川崎店】奥平 総帆 24年06月20日

Videotogifギア周りを低価格で電動化できると話題のWHEELTOP EDS。
50kmほど実走してきましたので、使えるのか使えないのか、忖度なしで感想をお伝えしようと思います。

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WHEELTOP-EDSとは

中国の老舗コンポーネントブランドのWHEELTOPが販売するフルワイヤレス電動ギアです。
なんといってもその特徴はフロント2速、リアが7から13速まで使用でき、なおかつギア周りだけで10万円少しと高いコストパフォーマンスが特徴のコンポーネントとなっています。

結論から

シマノをはじめとした三大ギアブランドと比べてしまうと変速性能、レバー形状や、整備性はどうしても劣ります。
ですが、最大のメリットは、この二つ。

●電線やバッテリーの内臓にフレームが対応していなくても電動化できる。
●シマノや他ブランドにはない段数を電動化することができる。

この2つに魅力を感じるのであればお勧めできます!

試乗した車体はこちら

インプレッション条件

車体:CIPOLLINI DOLOMIA
ギア:WHEELTOP EDS XT-RA6000-GS
ホイール:MACIV COSMIC SLR 32 リム内幅19C
平均速度:23km/h
場所:多摩川サイクリングロード中心
走行距離:52km
好みの乗り味;加速性の良い車体が好き

普段使用しているギア:カンパニョーロ レコードEPS 2x11s

変速性能 

リア変速

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リアはかなり素早い変速だと思います。
後述しますが、かなり細かなセッティングが必要なので、決まればかなりいい変速をしてくれますがかなりシビアです。
今回の試乗車には最新の12速105のチェーンとスプロケットを使用しています。
段数が多くなると必然的に変速調整はシビアになりますので、もしかしたら、少ない段数の方がそこまでシビアな変速調整にならない可能性もあります。

変速モード

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上の動画を見ていただくとわかると思いますが、リアの変速モードがあります。
正直、乗車していて変速モードの差がわかりませんでした。
動画をよく見てもらうと、レースモードの方が若干早いかな?くらいだと思います。
レースモードはスピード重視になるので、変速がオーバーストローク気味になることがあり、1段飛ばして入ってしまうことがありました。
それをなくすようにセッティングするには、整備台の上だけでなく、実走して変速調整が必須だと思います。
個人的には、それほど変速スピードが遅くならず、確実に変速している感じがあるので、カジュアルモードで使用するのが間違いないと思っています。

ちなみに、フロント変速はモードを変えても変速スピードは変わりません。

 

フロント変速 

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最新のシマノを経験してしまうとフロントの変速スピードは正直ゆっくりだと感じます。
(シマノが異常にFD性能が良すぎるというだけなのですが、、、)
速さより確実な変速、そしてバッテリーの持ちのバランスをさせた結果とのことです。
決して変速しないわけではありませんが、トルクをかけた変速や、レースユーズでの変速には物足りないと思います。

 

変速調整

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先程も書きましたが、各ブランドがギア段数を固定することで変速性能を担保しているのと違い、あらゆるギア数、様々なギアブランドに対応するようにできているため、それに対応するように細かなセッティングがある分、作業が煩雑です。
色々な組み合わせや、車体の状態に合わせるため、一段一段ギア位置を設定します。
リアディレイラーの設定手順としては、
1、アプリでトップギアの初期位置を設定
2、アプリで段数を選択
3、アプリで12段のプリセットされている数値を仮設定
4、アプリで1段ずつ変速させて本設定。
  小さい数値がトップ側、大きい数値がロー側に寄ります。
  擦れず、綺麗に変速する位置になるように繰り返し、数値を変更します。

上の画像はスマホアプリの設定画面ですが、
画像左側が全部の段数位置が一覧で観られるものになります。
画像右側がアプリ上でRDを変速させながら一段ずつ数値設定する画面です。

実際にセッティングしてみて思ったのですが、作業台で設定して完了しても、実際に乗ると変速が飛んでしまうことがありました。毎回なるわけではないくらいシビアだったので、走行しながら変速の状態を確認し、変速不良を起こしたらすぐにそのギアを上画像右側のアプリ画面を使いながら設定するのがいいと思いました。

また、レーシングモードとカジュアルモードで若干挙動が変わるようです。
作業台でレーシングモードでざっくり設定。どちらかというとロー側に寄せる方向で設定

作業台、カジュアルモードでざっくり設定。

作業台、レーシングモードでしっかりと設定

作業台、カジュアルモードでしっかりと設定

実走、レーシングモードでおかしな動きの場所がないか確認、設定

実走、カジュアルモードでおかしな動きの場所がないか確認、設定 

というのがいいと思っています。

チェーンの長さはアウターローで2から4リンクとなっていますが、長めの設定がいいようでした。

レバー形状

シマノをはじめとする三大メーカーに比べてもう少し煮詰めていただきたいと思いました。

大きさ

私の手の大きさにはちょうどいい大きさだと思います。
手の小さい方には少し大きめだと思います。

レバー位置

シマノと比べてもそれほど違ってはいませんが、リムブレーキレバーにはリーチアジャストがついていません。
(油圧DISCブレーキレバーにはついています)
手の小さい方には少し遠く感じるかもしれません。

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握りの形状

レバーブラケット形状が少し残念でした。

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赤い印をつけた部分のエッジが気になります。ゴム部分を握ると気になりませんが、レバー根元を指三本で握ると薬指に食い込みます。 
下のような握り方をすると気になりません。

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レバーフードの形状も少し角ばっでおり、特に親指の付け根に少し食い込みます。
耐久性はありそうですが、ゴムが固く感じます。

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これは解決方法があります。
グローブをすることでグリップと、角張を軽減することができます。
下の写真の位置にパットが入っているといいのですが、、、

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そんなオススメのグローブがこちら

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ワイズロード のオリジナルグローブなのですが、グリップ力と、親指付け根の痛みを軽減するためのパットの位置が絶妙です。

ボタンの形状

シマノDi2に比べると、ミスシフトをしないようにするためか、指の腹でまっすぐ奥まで押し込まないと変速しません。
これにはそれほど不満はないのですが、トップギア用のボタンの滑り止めのためのつぶつぶの突起が結構飛び出ていて、ボダンを押すときに指先に食い込んでちょっと痛いです。長距離使うときになるので、上から何か貼るか、削りたいと思いました。

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サイクルコンピューターへの表示

サイクルコンピューターにギアのステータスを表記できます。
大事なバッテリーの量や、ギア位置を表示します。
今回はGARMINと連携させたのですが、ギアの位置がなぜかトップとローの表記が逆になっていました。
(下図を見ると、フロント50Tとなっているのに図の表記はローになっています。リアも同じです。)

これは今後のファームウエアのアップデートに期待しましょう。

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WHEELTOP-EDSラインナップ

[ysid 4977323097665]

[ysid 4977323097672]

[ysid 4977323097689]

[ysid 4977323097696]

[ysid 4977323097719]

 

試乗ご希望のお客様へ

※イベント等でない場合もございますのでご来店前に試乗ホイール在庫のご確認をお願いいたします。
※試乗ご希望の場合は顔写真入りの身分証を必ずお持ちください。未成年のご希望者場合は親権者の同意が必要となります。
※店頭試乗ホイールの貸し出し時間は約30分です。

 

最後に

色々悪いところを書いてしまいましたが、普段整備でシマノDi2を触っている、一専門家として素直な感想です。
最初にも書きましたが、WHEELTOP EDSの最大の利点は電動に対応していないフレームや段数を最低限の部品変更と低価格でできることです。そこに当てはまるのであれば、今すぐに買いでしょう。
WHEELTOP EDSは中華ブランドですが、非常に改善に貪欲と聞いております。今後のバージョンアップにも期待をしたいと思います。

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