学びは日常にある
当ブログをお読みの皆様こんにちは!
新宿クロスバイク館の藤平です
私は「自転車は消耗品である」という事をブログ投稿でも店頭でも強くお話するようにしているのですが、なかなか伝わらず自分が販売した車体が修理入庫した時の状態にガッカリする事も多いです
普段自転車を使用していても「壊れる物である」という意識を持っているユーザーは少なく、走れない状態になった後に「なんで自転車が壊れるんだ!」と考える方さえ珍しくありません。
私は自転車と関わって長いので「まぁ使ってれば壊れますよね」という考えが当然のようにありますが、逆に言えば自転車以外の物については一般人と同じです
最近「あぁ、これって消耗する物なんだ・・・」と実感した物のお話をしましょう
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日常的に使用している物に意識は向きにくい
自転車店で働いていて使う事の多い物トップ3に入るのが「ボールペン」
お客様との契約書類の作成や、スタッフ同士でのメモのやりとり、POP作成などでも使うのでどんどんインクが減りますが、根幹であるボール部分はインク交換に伴い新品になりますし、内部構造も単純なので「グリップ(ゴム)部分の摩耗くらいしか傷む事は無いだろう」と思っていました
しかし先日新品を出したところ全然違う感触に衝撃を受けました
新しい方が明らかにカチッとしたクリック感で手応えがしっかりしています。
内部をバラして確認したところ、バネがヘタって短くなっていました(※左が新品)
使っていれば消耗するのは当たり前の事なのですが、日常的に使う物であればあるほど感覚が慣れてしまうので気が付かないんですね
これが一般的なユーザーの自転車に対する感性と同じなんじゃないか
そう思うと動作しなくなるまで使い切ってしまうというのもなんとなく納得してしまいます
気付かなければ直そうという考えは沸いてきません。
壊れてから直すよりも・・・
今回はボールペンという単価が安く修理するよりも買い替えた方が簡単な物でしたが、自転車の場合そうはいきません
全体が消耗品である自転車ですが、減り具合(消耗速度)はパーツによりまちまち
交換頻度の高いパーツの代表格はブレーキ、タイヤ、グリップ(バーテープ)
逆に、あまり意識されないのがチェーンや歯車などの駆動系やベアリング類
自転車は構造として複数のパーツが噛み合い動作しているのですが、片方のパーツが消耗している状態で動作を続けると接触先のパーツにもダメージを与えてしまい、早めに交換するよりも維持に掛かるコストが高くなる事が多いです。
当店の作業依頼で多いのがブレーキバッド(シュー)が完全に摩耗したまま使用を続け、制動面(ローターやリム)を削ってしまった物
2~3000円程度で交換出来る物をケチった結果リム面まで削ってしまい、リム(ホイール)交換で3万円を超える修理になる事も珍しくありません
自転車店に行く、自転車を預けるというプロセスはとても面倒に感じると思いますが、「まぁ使えるからそのままで良いでしょ」という考えは後に大きな出費を伴う可能性が高いです
メンテナンスは快適性にも影響する
自転車のメンテナンスで一番重要なのは「安全性」です
軽装で乗り速度も出やすい二輪車であるスポーツサイクルは、走行中に何かが起きれば大きな怪我や命にも関わる乗り物なので正常に動作するという事はとても重要
「ちょっとブレーキが効きにくいけど大丈夫でしょ」「なんかちょっとガタつくけど走れるから良いか」なんて考えが、自身だけでなく周囲の人間をも脅かします
安全に乗れるよう整備された自転車は、音も静かで変速やブレーキもちゃんと動作するので状態の悪い物に比べとても快適に運用出来ます
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人間は慣れで感覚が鈍化してしまうので状態が悪くなった事に気が付きにくいですが、気持ちよく乗る為にメンテナンスを欠かさずしましょう