ロードバイクにおいて重要なフィッティングを場所ごとに3回に分けて紹介していく第一弾!
長々と書いてますが、悩んでいる方は項目から気になるところだけ、つまんで下さい。
まずはペダルの種類と特性について知っておこう
ここはサクッといきます。
https://ysroad.co.jp/ochanomizu/2024/10/21/99026
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SPDなど2本止め
MTB(マウンテンバイク)や街乗り用で「歩けるシューズ」に使用するビンディングペダルです。
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LOOK
スキーのビンディングから生まれた「元祖ビンディング」ペダルです。
3つの穴を使ってクリートを取り付けます。
軽量なモデルが多いです。
軽量でソールが硬いロード用シューズを使います。
専用なので歩きにくくなっています。
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シマノ(SPD-SL)
LOOKをベースに作っているので3つ穴をつかい、クリートの遊び幅などLOOKと同じような特徴を持っています。
大量生産もあり、比較すると安価です。
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TIME
3つ穴を使います。
クリートが左右にスライドするようにもなっていて、膝などへの負担が少ないです。
軽量なモデルが多いです。
少ない力でクリートをくわえるので、体重が軽い方でもペダルにクリートが着けやすいです。
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SPEEDPLAY/WAHOO
4つ穴(アダプタで3つ穴対応)を使います。
クリートが円運動できるように動くので、膝への負担が一番少ないです。
両面踏みできるモデルもあるので、クリート着時に楽です。
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クリートの左右位置
骨盤の幅によってある程度決まる
基本は「股関節-膝-足首がまっすぐになる位置」にクリートをセットしましょう。
「股関節より広い」と、膝が内に入りやすくなり力が逃げます。膝への負担も増えます。
「股関節より狭い」と、膝が外に開きやすくなり力が逃げます。膝への負担も増えます。
O脚の人は位置を変えよう
骨盤-足首のラインに対して「膝」が外になる人はO脚です。
力を入れることでO脚が改善する人は、矯正が可能です。
O脚に合わせて骨盤-足首ラインよりも「やや外側」に足部が来るようにクリートを付けます。
(クリートを内側に取り付けて足部が外側に位置するようにする)
X脚の人は位置を変えよう
O脚同様です。
X脚に合わせて骨盤-足首ラインよりも「やや内側」に足部が来るようにクリートを付けます。
(クリートを外側に取り付けて足部が内側に位置するようにする)
シューズとクランクが当たらないように注意して下さい。
X/O脚の補足
X脚の方は「ニーイン トーアウト」になりやすいです。
腸脛靭帯炎・内側半月板炎・足関節内反捻挫・内反小趾などのリスクがあります。
O脚の方は「ニーアウト トーイン」になりやすいです。
鵞足炎・膝内側側副靭帯損傷・外側半月板炎・シンスプリント・足底腱膜炎・外反母趾などのリスクがあります。
Qファクターの話
クランク自体の幅
クランクの左右のペダル取り付け間の距離のことです。
シマノは146mmが多いようです。
幅は広げることはできても狭めることは限界があります。
フレームやクランクによる制約があるので、ある程度までで、狭くする方向は諦める必要もあります。
ペダルスペーサー
広げる分には、クランク-ペダル間にスペーサーを入れることで広げることが出来ます。
あまり入れすぎるとネジのかかりが浅くなるので危険です。
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ペダルブランドによってはペダル軸長を変えることが出来るものもあります。?
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クリートの前後位置
基本となる位置
拇趾球と小趾球の間にペダル軸が来るようにクリートをセットします。
これが基本となります。
ペダリング時のかかとの高さで軸の位置関係も変わるので注意が必要です。
前に付けるとどうなる
稼働する足首から遠くなるので、少ない可動角度で踏み面が大きく動くことになります。
ペダリング時に足首の角度変化が少なくても大きく動くので、円運動を妨げないように補正も大きくなります。
きれいなペダリングでなくても、足首の稼働でアジャストしてくれる量が増えるということです。
足首から遠くなるので足の裏の筋肉などに大きな力がかかってしまうことにもなります。
後ろに付けるとどうなる
稼働する足首に近くなるので可動角度に対して動く範囲が小さくなります。
きれいな円運動をさせないとうまくクランクが回せません。
力点「ふくらはぎの筋肉」-支点「クリート(ペダル軸)」-作用点「かかと前(重心)」と考えると支点と作用点が距離が小さくなるのでふくらはぎなどの下腿の力がかかりやすくなります。
*ふくらはぎは「第二のてこ」の人体の代表的な筋肉です。「力のてこ」とも呼ばれて、ジャンプや着地で大きな負荷に耐えるための構造になっています。
実際はクリートの調整範囲なんて1cmくらいなので大差はないと思いますがそういう傾向があるということを頭に入れると違うと思います。
「ケイデンスも関与」するところなのでまずは低いケイデンスでペダリングをしてみて、だんだんとケイデンスを上げた時にどう感じるかを考えながら、クリートの前後も考えましょう。
足首の柔軟性を知ろう
柔軟性チェック(実際にプレミアムフィッティング時に指標にしていました)
柔軟性=抗負荷チェックとして考えています。
柔軟性が高い=強い力で保持する必要があるので、さらなる筋力が必要。
保持できないと不必要なアンクリング(足首と可動が必要以上に大きくなる)が起きてしまいます。
柔軟性が低い=筋・腱などで保持されているので、筋力自体が必要十分にある。
チェック方法
少し足を開いた(こぶし一個)状態で立つ
↓
そのまましゃがみ込む
↓
かかとが浮かず、尻もち付かずにお尻とかかとが付くくらいしゃがみ込めれば「柔軟性が高い」
*硬い人は、お尻とかかとが30cmくらい離れる人もいます。
(よいフリー素材が無くて黄昏てますが、これが出来れば柔軟性高い方と判断して下さい)
柔軟性が高い人は、かかと寄りのクリート位置を試す
上記チェックで柔軟性が高い方は、足首が柔らかいので自然と円運動にアジャストします。
動きすぎないようにかかとよりに付けます。
くわえて踏み込みに対して力を発揮しやすいようにかかとよりに付けます。
まずはかかとよりにクリートを取り付けて、少しでも下腿の筋力を発揮しやすい位置にセッティングしましょう。
クリート-かかと間の距離が近いのでペダリング時のアジャスト距離が減りますが、そこは柔軟な足首で対応できちゃうと思います。
柔軟性が低い人は、つま先寄りのクリート位置を試す
上記チェックで柔軟性が低い方は、足首が硬いのでペダリングをスムーズに行うためにまずはつま先よりにクリートを取り付けましょう。
足首が硬いので保持する筋力への負担はそれほど大きくないはずです。
それよりもペダリング時にうまくアジャストするように可動範囲を広げてあげた方が、回しやすくなると思います。
つま先よりでは拇趾球まで、かかとよりでは小趾球までの範囲で取り付けて下さい。
クリートの角度
プロを見ても極端に角度をつけている人はほとんどいません。
自転車という機材により、かかとを内向きに角度を付ける限界があるためだと思います。
逆にかかとを外向きに角度を付けると膝へのストレスが増えるため、このようにセッティングする人もいません。
フィッテングの教科書
「足先が自然に向く方向を考慮してクリート角度を付けましょう」となっているものもあります。
↑自分の自然と立っている時の足の向きです。右足が大きく外を向いています。
その場で足踏みしたりして、意識しないで立ちった状態が上の画像です。
これに合わせた角度にするとかかとがクランクに当たります。
何よりもペダリングがしにくく膝の挙動が安定しませんでした。
力も逃げている感じで感触が良くありませんでした。
ペダリング運動をから考える
各筋肉が協調して動いています。
膝の向きと足先がペダリング運動と一致している方が力が伝わります。
上の図の①から荷重をだんだんと前にかけて③が荷重最大になりあとはどんどんと荷重を抜いて後ろに持っていきます(次は反対側の足が同じことを繰り返します)。
ペダルは前後方向に回っているので、足先や膝の向きも前向きが力を伝えやすいです。
常に前後方向に重心移動(荷重移動)させながらペダルを回しているので、進行方向につま先を向けます。
自分のように足先が外に向きそのままでセッティングすると「ニーイン トーアウト」になり膝の負担が増えたように感じます。そのため膝の不安定感と力(荷重)がうまく乗せれない感じになってしまいました。
クリート角度「基本は真っすぐ」!!
初めてのクリートの取り付け方
クリートを仮止めしてクリート面を地面に付けてシューズを履く
シマノの場合、クリートに目安の線があります。
これを目安に仮止めします。
メーカー想定のかかとが若干高くなる状態、クリート面が地面と接する角度でシューズを履きます。
拇趾球と小趾球の位置をマーキングします。
真上から見てマークします。
クリート取り付け用に裏から見えるようにもマーキングします。
拇趾球と小趾球の間にペダル軸が来るように、まっすぐにクリートをセットします。
マーキングの間にペダル軸がくるように、クリートのマークを上下の真ん中にセットします。
ソールのメモリを見ながらまっすぐになる様に取り付けます。
これが基本となります。
左右幅は、車体に乗った時に前から見て「股関節-膝-足」が縦一直線になっているかをチェックします。
後は「走りながら微調整する」のですが、一回の走行でちょこちょこ変えないようにして下さい。
セットしたら”大きな違和感や痛み”が無ければ数回走行してから、微調整をして違和感をつぶして下さい。
痛みが出たら戻せるように、クリートをマーキングするのも大切です。
初期位置が分からなくなりがちなのではっきりと分かりやすくマークしましょう!
その他:「かかとの高さ」と「アンクリング」について
ペダル1回転中にかかとの角度が大きく変わることを「アンクリング」といいます。
アンクリングすると下腿や足部の筋肉の負担が増えるので、過度のアンクリングはしないようにして下さい。
大腿部の上下動がきちんとできていれば過度なアンクリングは起きにくくなります。
かかと自体の高さは人によります。
かかとを上げてつま先立ちみたいにした方が回しやすい人もいますし、かかとを下げて(横から見て少しかかとが上がっているくらい)の方が回しやすい人もいます。
回転数が高い人・トルクかける人でも違ってくると思います。
やってみるとわかりますがかかとを過度に上げると上死点を超えにくいですし、クリートよりもかかとを下げたら力が乗らない(荷重がかかと側に逃げる)感じになります。
シューズの反りがあって各ブランドクリートを水平にした時にかかとが10-15度くらい高くなるように設計しているようです。
かかとを下げてもこの反り以下にしない方が良いと思います。
長かったです・・・
次回はサドルの位置についてです。
「痛い」シリーズもよろしくお願いします。