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【インプレッション】機械式DISCブレーキの最高峰EQUALを試してみた&セッティング方法

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川崎店】奥平 総帆 24年06月24日

大手ブランドは手を出してこなかった最上位の機械式DISCブレーキ。
制動力が油圧に近く、ハンドル周りが軽くなるなど多くの利点が言われていますが、実際に整備し試乗、そしてセッティングを煮詰めてみました。

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GROWTAC EQUAL 機械式ディスクブレーキキャリパー

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商品紹介

キャリパー、ケーブル、パッド等のトータル設計により、油圧式ディスクブレーキにも引けを取らない高い制動力を発揮。さらには体重、好みに合わせてブレーキ力を調整できる、「ブレーキフィーリング調整システム」を搭載しています。
この商品があることで、リムブレーキ用のレバーでDISCブレーキの車体を組むことができます。
また、レバー回りが軽くなることにより、車体上部の軽量化にもつながり、車体コントロールが良くなる効果も期待できます。
また、カラーバリエーションも豊富で、今まで油圧ブレーキではできなかったドレスアップにも最適です。

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試乗した車体はこちら

インプレッション条件

車体:CIPOLLINI DOLOMIA

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ギア:WHEELTOP EDS XT-RA6000-GS

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ホイール:MACIV COSMIC SLR 32 リム内幅19C

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ローター:SHIMANO RT-CL800

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平均速度:23km/h
場所:多摩川サイクリングロード中心
走行距離:52km
好みの乗り味;加速性の良い車体が好き

普段使用しているギア:カンパニョーロ レコードEPS 2x11s

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結論から

まずは施工と試乗をして感じたメリットとデメリットを上げたいと思います。

メリット

油圧レバーを使わなくていいのでレバー回りを軽く仕上げられる。
エア噛みが起きない。
ブレーキパットスペーサーを使用しなくてもトラブルが起きない→輪行が楽
晴れの日の制動力は十分
メンテナンスが楽
手持ちのリムブレーキの部品を流用できれば安く済む

デメリット

セルフセンタリング機能がないので、ブレーキを多用する長距離では途中で停止してのブレーキ調整が必要
フルブレーキングでは油圧の方が指の力が制動力として伝わりやすい
レバーの引きが油圧に比べ重い
ワイヤールートが複雑な完全内装の自転車との相性は良くない場合がある

インプレッション

取り付け

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一番苦労したのがワイヤリングです。
このブレーキには専用の超硬質アウターワイヤが付属しており、ブレーキの形状と相まってワイヤーの動きが大変スムーズになるのが特徴です。
ただ、今回試乗車に選んだのがなんと完全内装。しかも、いままで組んだ内装ハンドルの中でこの車体についているハンドルは特段ワイヤーが通しにくいハンドルです。

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EQUALブレーキには2種類のワイヤーが付いています。ハンドル周りなどの曲がりがきつい部分には柔らかいワイヤーを、フォーク内部やフレーム内部などの曲がりが少ない部分には硬質ワイヤーを使用して、極力曲がりを少なくすることで、ワイヤー抵抗を少なくできるような工夫がされています。

ワイズロード川崎店で、EQUALブレーキを取り付ける際はワイヤーの引きが軽くなるよう、できる限りつなぎ目をなくしたいので、全体を硬質アウターワイヤーにて組むようにしていました。

今回のハンドルで硬質アウターワイヤーは絶対無理。そのため、マニュアル通り曲がりのきついハンドルステム内は柔らかいワイヤーで組んだのですが、それでも難儀するほどのきつい取り回しとなりました。フレーム、フォーク内部は硬質アウターワイヤーで組みました。
機械式DISCブレーキの最大の敵がまさにこのワイヤーの抵抗です。せっかく引きの軽いEQUALブレーキが、きつい曲がりのワイヤリングで台無しになるのではないかと心配していましたが、ギリギリ問題のない範囲で組付けることができました。
上にリンクを貼ったお客様の一台は外回しのブレーキラインのため、全部硬質アウターワイヤーで組むことができたので、非常に軽いタッチで仕上げられています。
フル内装で使用した場合のいい参考例が試乗車で作れたのではないかと思っています。

試乗

実際に乗ってみた感想としては「セッティング次第では油圧DISCブレーキと遜色ない制動力が得られる」といった感想を持ちました。
今回の車体は新品のローターとブレーキパットだったため、最初はならしが必要です。強めにブレーキを使用しつつ、30kmほど走ったところでだいぶブレーキがなじんできました。
セッティングに関しては次の項目で説明しますが、なじみが出たはずなのに制動力が思った以上に上がらないことに気づきました。
その場で工具を取り出し、セッティングを変更したら油圧DISCブレーキ並みに感じる制動力となりました。

セッティング

最初は基本的に、マニュアル通りに組み付けました。その後乗りながらセッティングを変えてみました。

 
↑組付けマニュアル動画

セッティングを変えた部分はレバーを握り切ったところです。
EQUALブレーキは「ブレーキフィーリング調整システム」というレバーの引きが奥に行けば行くほどストッピングパワーが強くなるようになっています。
レバーを引いた時に「!」マークの位置まで引き切ってしまうと制動力が高くなりすぎてしまいます。その一歩手前にセッティングをしてみたところ、「おお、まるで油圧ブレーキのあの感触」となりました。ライダーの体重や好みによりこの位置は変わると思いますが、自分的にはこの位置がベストポジションでした。

1のコピー

油圧のブレーキとは違い、パットが外側片方しか動きません。
これもマニュアル通りなのですが、タッチを軽くするコツとして、
●動かない内側パットとローターの隙間は狭く
●動く外側パットとローターの隙間はレバーストロークやブレーキフィーリングを優先した隙間
こうすることで、ローターが押し曲げられる距離を少なくすることができ、かっちりとしたセッティングができます。
また、このブレーキに限らずですが、ローターとパットが平行に当たるようにすることもローターにパットがまっすぐ当たるため、レバータッチがかっちりとします。
このポイントを押さえると機械式ブレーキは驚くほどいいブレーキにセッティングすることができます。

今回の車体はシマノのブレーキローターを使用しましたが、より良いブレーキタッチには硬いローターがベストです。
ワイズロード 川崎店でオススメしているローターがSWISS STOP CATALYST DISC ROTORです。
かなりローター剛性が高く、機械式のレバータッチがかっちり決まるのでおすすめです。

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まとめ

油圧DISCブレーキの最大のメリット2つは、パットクリアランスの自動調整機能と、レバータッチが軽く、安定して高い制動力が得られるところです。
レバータッチの軽さを追求したEQUALブレーキであればかなりいい線で軽くできると思います。
ただ、自動調整機能だけは構造的に難しいと思いますので、この部分を妥協できるのであれば、EQUALブレーキは最強の機械式ブレーキだと思います。

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個人的に、最高の機械式DISCブレーキがEQUALであることに異論はありませんが、EQUALブレーキがやっている

●セッティング
●ワイヤールート
●ワイヤー自体の性能

の3つをEQUALブレーキと同じようにやることで、実は他社の機械式DISCブレーキでもEQUALブレーキ程ではないですが、かなりいいところまでセッティングができます。

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個人的にもシクロクロスでTRPの機械式DISCブレーキを使用していますがかなりいい線のセッティングができています。
機械式DISCブレーキが付いている車体を持っているオーナー様はぜひ参考にしてみてください。
ただ、ブレーキ本体の構造や剛性は、最上級の機械式DISCブレーキを目指したEQUALブレーキには敵いません。

油圧に不満がある、今の機械式ブレーキをグレードアップしたい、レバー周りを軽量化したい、ドレスアップしたいと思っている方はぜひEQUALブレーキをご検討ください。

 

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