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【How to】ラチェットの仕組みとグリスアップ

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池袋本館】 22年08月23日

ワイズロード池袋本館の実走派スタッフ村中です!
今回は低頻度でメンテナンスが必要なラチェットシステムのグリスアップについてのお話です。
使えば使うほどグリスの粘性や性質が変化し本来の性能を発揮できない場合があります。そのため定期的に清掃とグリスアップが必要になります。予期せぬ破損を防ぐためにも定期的なメンテナンスは欠かせません。今回はMAVICやDT SWISSなどのラチェットシステムについてお話していこうと思います。

ラチェットシステムの仕組み

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MAVICホームページより写真を引用
これがID360の中身です。左からハブ本体、ゴム×2、ラチェット嚙み合わせ部品×2、バネ、フリーボディ、フリー抑えです。ハブ本体とフリーボディに切り欠きがありその切り欠きがラチェット嚙み合わせ部品とはまっています。ラチェットは正回転方向には回らず反回転方向には回転するようになっています。そのため走行中に足を止めてもホイールは回転し続けています。この空転の際に嚙み合わせ部が摩擦しているためグリスが必要になります。適切なメンテナンスを行っていないホイールだと音が大きくなり噛み合わせ部の金属が摩耗し、最悪正常な動作ができなくなってしまいます。

MAVIC ID360

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これがMAVIC ID360の実物です。ラチェット嚙み合わせ部品に付着している白いグリスがMAVICの純正グリスです。メーカーからはこの純正グリスを使用することが推奨されています。他のグリス等を使用しての破損などは保証対象外となる可能性がございます。MAVICの場合はグリスが小分けにされ販売されているため使用する分量が分かりやすくなっています。色が白の為、グリスに汚れが混入した際に一目で判別できるようになっています。

DT SWISS 

RATCHET EXP

RATCHET SYSTEM 
DT SWISSホームページより写真を引用

 

DT SWISSは独自のラチェットシステムを採用しています。最新版のRATCHET EXPでは前のラチェットシステムよりも部品点数を減らし軽くシンプルな構造になりました。駆動効率の向上と部品点数が減る事によるメカニカルトラブルなどの発生が低くなっています。7613052329710

DT SWISSはこのスペシャルグリスをラチェットグリスとして使用することが推奨されています。他のケミカル等を使用した場合はメーカー保証対象外になる可能性がございます。このスペシャルグリスは皮膚に刺激を与える可能性があるため手袋等を付けて使用しなければいけません。こちらは小分けではない為、メーカーマニュアルに基づいて塗布する必要ございます。マニュアルにはラチェット噛み合わせ面とフリーボディ、ハブ嚙み込み部に薄く塗布するようにと書かれています。マニュアルでは筆を使用し塗布していました。

メンテナンスをしないとどうなるのか

ラチェット噛み合わせ部品が浸入した水等で錆が発生し通常の動作が出来ない可能性がございます。また、ラチェットグリスは空気等と触れるため酸化や劣化を起こしグリス本来の性能を発揮できない可能性がございます。グリスが本来の性能を発揮できなくなるとラチェット噛み合わせ部分が消耗し鉄粉が発生。その鉄粉により削れがどんどん進んでいきます。最悪ラチェット噛み合わせ以外の部品まで消耗させてしまうことも。

まとめ

 今回は代表的なMAVICとDT SWISSのラチェットシステムとグリスアップの必要性について書かせて頂きました。MAVICやDTSWISSのホイールを使っているけどメンテナンスしていない方はこの機会にメンテナンスしてみてはいかがでしょうか?

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