どれほど準備しても長丁場のレースやイベントで起こり得るハンガーノック。
今回は私のレース中に発生したハンガーノックについてお話しします。
あまりに悲しい結果となってしまったので自戒も込めて投稿します。
長距離イベントにチャレンジする際の反面教師(笑)になれば幸いです。
原因:未知の距離×強度に挑戦
今回99Tにてミドルトライアスロンに初挑戦し、
1.9kmのスイム後に90kmのバイクが待ち構えていました。
しかしながら事前練習として
280kmのロングライドをした自分は高を括っておりました。【詳しくはこちら】
補給食がmag-on2つと明らかに不足していました(結果論ですが4つは必要でした)
確かに280kmと比べれば90kmは短いですが、高強度で90km単走は経験がありませんでした。
そうした過剰な自信などこれぐらいでいいか、という甘い見積もりが
レース中のハンガーノックを招きます。
準備は事前の想定+2個はあると良いでしょう。
写真は明らかに速度が下がってしまったグラフです。
2周回のコースなので紛れもなく出力が落ちています。
反省点:前日、当日の補給
前日にはモルテン320を飲み、当日はレース3時間前にうどん、モルテン、恵根餅などを摂りました。
カーボローディングとしては万全で、これ以上はないといえるほどの準備はしました。
やはり途中の補給食が足りていなかったことが原因だと思われます。
さて、そんなハンガーノックですが(個人的には)
初期症状、兆候がいくつかあったので参考になれば幸いです。
初期症状①:集中力が無くなる
これはおよそ45km(2周回目開始直後くらい)で起きました。
人の集中力は1.5時間がおおよそのリミットではありますが
集中力の原動力である糖分が切れて注意力が散漫になってしまったと考えられます。
あと何キロだとか、あと何分位かとか考え始めてしまうのは症状の一つかもしれません。
また、真っ直ぐ走れず多少ふらつきが出てしまうのも一つの症状です。
今回は高速道路且つ時間帯が良かったのでほぼ誰とも並走しませんでしたが、
公道などでそうなってしまうと大事故につながりかねません。
集中力も一つの休憩ポイントとして考えても良いと思います。
初期症状②:おなかが減る
これは50kmを通過した時点で感じましたが、
「ハンガー」とあるように強い空腹感に苛まれます。
空腹時によくある「お腹が鳴る」現象がレース中に発生してしまいます。
実はハンガーノックは2度経験していたので
空腹を感じた瞬間に「やばい!!」と感じました(笑)
ここから出力低下までは意外と早いもので
あっという間にパワーが出なくなってしまいます。
主な症状①:出力が大幅に低下する
写真のグラフを見ても明らかなように
出力が大幅に低下してしまいます。
急激に低下した出力ではギアが踏めず
TTバイクでまさかのフロントギアをインナーにいれる事態に。。。
休めるも何も体力の充電手段がないので
どうにかしてエイドまで耐えるしかありません。
向かい風の最中でしたので時速は20を割る事も・・・
せっかく60km地点までAve36.2km/hだったので
非常にもったいない結果となりました。
主な症状②:心拍が大幅に低下する
パワーメーターが無いお客様もサイコンに出せる
ハンガーノックの症状として心拍の大幅な低下も挙げられます。
心拍が上がる事でパワーも出せますので、
長距離ライドに出られる際はあると間違いなく指標として役に立つでしょう。
レースペースでは175~185くらいの心拍もこのありさま。
150まで下がってしまい、
ジョギング、回復走レベルまで低下してしまいました・・・
主な症状➂:ありとあらゆるところがつる
ここまでくると本格的に危険信号です。
端的に表現すれば「意識が保てる限界ギリギリ」です。
大きな筋肉から小さな筋肉まで余すことなくつってしまいます。
正直パワーメーターがなければ確実にリタイアしていました。
他のスタッフの経験談でもありますが
「何とか動けるギリギリライン」の指標が可視化されて漕ぐことが出来るので
なんとか次のエイドまでもつことが出来ました。
エイドに補給食がある事を知っていたのでさながらゾンビの如くエイドまで走りました(笑)
また、余談ですが吸収の速い補給食も
分解されてエネルギーとして変換されるのにはおよそ30分のタイムラグがあります。
補給食の目安は「疲れたら飲む」ではなく「疲れる前に飲む」を意識すると良いでしょう。
次回に向けての反省
サポーターによると世代別2位のゴールも中止で
NOFとなってしまいましたが、
もしちゃんと準備できていたなら公式記録で間に合ったかもしれません。
(13:20時点で落雷のため中止となってしまいました。
ギリギリまで運営頂いたスタッフの皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。)
ありきたりな結論ですがやはり初心を忘れず謙虚に過剰なほどの準備をするべきでしょう。
初めてで・・・というお客様も是非ご相談下さい。
失敗してからでは後悔する結果に終わるかも知れません。