ファビアン・カンチェラーラと言えば。
最近はこのスパルタクスカラーの「マドゥウン(本国風発音)」に
乗ってるイメージが強いのですが・・・
いやいやいや。
カンチェといえば「ドゥマーニ(本国風発音)」でしょう!!
というわけで。
毎年恒例、酷暑の京都で開催された「TREK WORLD 2017」で、
リニューアルされた新型の「DOMANE」に乗ってきました!!
進化した「アイソスピード」の効果はいかに?
〇TREK DOMANE SL6 ¥410,000-(税込)
近年の命名トレンドに合わせて「SL」というモデル名になりましたが、
要は今までの「5シリーズ」。
なのでカーボン素材は、程よい硬さの「OCLV500」。
メインコンポは機械式アルテとミドルグレードど真ん中の仕上げです。
〇まずは見た目。
長めのホイールベースが特徴の「エンデュランスジオメトリー」、
ラウンドしたフレーム形状、高めのハンドルなど見事に「ドマーネ」してます。
正直パッと見では、単に色が変わっただけのよう。
最大のトピックは、ステアリングコラムに搭載された「フロント IsoSpeed」。
リアの「IsoSpeed」もオフセット無しの新型のものに変更されていますが、
スライダーによるアジャスト機構はなし。
このピボット位置の違いが、乗り味にどう影響してくるのか。
実は小西。
旧型の「DOMANE 5」に乗っています。
なので、この新システムがどれほどの効果を見せてくれるのかに興味津々。
(一番羨ましいのはケーブルルーティンが普通になったことだったり。)
試乗車のフレームサイズは56。
ショートのシートマストを目いっぱい上げても2㎝サドル高が低いですが、
いつものことなので、そこは構わず試乗開始です。
〇乗ってみての第一印象。
新型の方がフレームにちょっと硬質感を感じます。
良く言えば、ダルさが減ってキレが出た感じ。
カーボン素材は同じ・・・やはり設計が新しいからか?
〇わざわざ道の悪いところ走ってみる。
ドマーネといえば石畳(パヴェ)。
なので路面がキレイな所ではなく、あえて路肩を走ってみます。
金属の網や舗装の継ぎ目、マンホールの蓋、浮いた砂、白線の上・・・
このような路面コンディションでも、大きな挙動の乱れを見せずに
「トントンッ」と踏み越えていってしまうのは流石。
前後IsoSpeedや28Cタイヤなど「快適バイク」ならではのギミック満載の
ドマーネですが、そこに違和感のようなものはほとんど感じられません。
旧型より新型の方が、この点がさらに洗練されているような印象で
特に構えることなく普通のロードバイクの様に乗れてしまいます。
〇普通の道を走ってみる。
じゃあ路面が悪くないとダメなのか?
といえばそんな事はありません。
当たり前ですが、普通の舗装路の上でもキチンと走ります。
同サイズのエモンダ比で10mm低いBBと25mm長いホイールベースゆえ、
スパッと倒してクルッと曲がる、みたいな乗り方は苦手※ですが。
重心が低くて乗り心地が良い(跳ねない)フレーム設計なので、
下りでスピードが上がっていく時の安定感は抜群。
(※調子に乗って下っていると曲がり切れない危険はありますが)
また、舗装路でも後輪がしっかり路面を捉えているので加速は良好。
登りではリア三角がやや撓みながらも、きちんとトラクションがかかり
「クイッ」とバイクを前に押し出してくれるような感触があります。
試乗してみて。
改めて「DOMANE」の持つ懐の深さを感じました。
こんな路面の継ぎ目に不用意に突っ込んでも、トンッといなしてしまう
路面追従性の高さと抜群の乗り心地の良さ。
小西が初めての道を走る時には、結構ドマーネの出番が多いのですが、
それはその「なんとかなってしまう」安定感の高さを当てにしているゆえ。
(ブラインドコーナー途中でいきなりこんな継ぎ目が出てきた日にゃ・・・)
また、トレックのロードバイクの「SL」グレードに共通する特徴として
「硬さ・軽さ・しなやかさ・のりやすさ」のさじ加減が絶妙で
並足ライダーの小西には、誠に丁度いいバランスになっています。
カリカリな「SLR」グレードに比べて、バイクに「もっと速く走れ」と
せっつかれる感じは薄いので、大多数のファンライドユーザーには
この「SL」がオススメかと。