みなさんこんにちは。Y’s Road松山店 関です。
今回ご紹介するのは、
鬼ベアリング!!
皆様「鬼ベアリング」をご存じですか?
ホイールの回転をスムーズにし、ラクに、速く走れるようになるアップグレードパーツです!
ベアリングとは?
これがベアリング。この中に球が入っています。
ベアリングは回転部分の動きを滑らかにするためのパーツで、皆さんの使っている、ホイール、BB、ペダルなどに入っています。
このベアリングの種類やグレードによって回転の軽さが変わり、性能として現れます。
例えば、同じスペックのホイールでも、ベアリングが安かったり、傷んでいるとスピードが出にくかったり、足を止めるとすぐに減速してしまいます。
ベアリングの動きが軽ければ、自然と速度が出て、足を止めても減速しにくいので楽に速度を維持すれことができます!
鬼ベアリングはセラミックのベアリングを使用することでより軽い回転を目指した製品。
自動車と違い、自転車の動力は人間の限られた体力なので、少しの違いでも大きな違いが実感できます。
ベアリングのアップグレードは、頑張らなくても、ラクに速くなれる夢のアップグレードなのです!!
鬼ベアリングの特徴
鬼ベアリングは工業製品で実績のあるJTEKT(ジェイテクト)という会社が手掛ける製品です。
JTEKTはベアリング単体はもちろん、自動車や風力発電機のパーツなどより過酷な環境で使用される部品も手掛けるメーカーなので信頼性や工作精度は抜群。そんなJTEKTが自転車向けに参入したのが鬼ベアリングなのです!
JTEKTのベアリングは東京で開催された4年に一度のスポーツ大会のトラック競技でも使用されました!!
鬼ベアリングは皆様が現在お使いのホイールにインストールします。
現在は現行のMAVICディスクブレーキモデルに対応し、対応ホイールは今後増やしていく予定とのこと。
ホイール1セット分4個と交換工賃込みで120,000(税込)です。
今回は鬼ベアリングの開発者の方から直接製品の説明や質問させていただく機会を得ました!
ご自身もロードバイクに乗られているとのことで、大変興味深いお話が聞けたのでご紹介いたします。
鬼ベアリングの性能
今回はこんな実験装置も持ってきてくださいました!
ベアリングのみ違うホイールでを手で回し、回転の減衰する過程を実験します。
実験機械の裏側はなんとメカメカしい、、手づくりだそうです!
実験に使用するベアリングは左から、
MAVIC純正 A社(セラミック) A社の上位モデル(セラミック) 鬼ベアリング
A社は自転車のセラミックでスピードには自信のある超有名メーカー。
COATEDはその中でも特殊加工され、プロチームも使用するほどのものです。
(JTEKTさん、COATEDとか書いたらどこのメーカーかわかっちゃうじゃん、、、)
4つのホイールを手で同じくらい回します。
手で回したら誤差が出そうなものですが、回転数はPCでチェックできる仕組みになっています。
グラフの色は▼
MAVIC純正 A社(セラミック) A社の上位モデル(セラミック) 鬼ベアリング
グラフ縦軸が回転数、横軸が時間です。
手でホイールを回すと縦軸が上がり、時間とともにホイールが止まってくるとグラフが下がってきます。
MAVIC純正の状態では早々に回転が止まってしまったので再び手で回し、回転が上がっています。
1分30秒続けた結果がコチラ。
純正状態は45秒くらいで回転が止まってしまって追加で2回回しているのがわかります。
A社とA社のCOATEDはさすがによく回っていて、純正の3倍くらいは回りそうですが、1”30で回転数がだいぶ下がって止まりそうです。
また、A社とA社のCOATEDに大きな差がないのも興味深い。(耐久性や負荷がかかった状態では違いが出るかもしれない)
そんな中、鬼ベアリングはまだ開始時の3/5くらいの回転数を維持しています!
この調子なら純正の5倍、A社の2倍は回転しそうです!!
この実験は体重など負荷のかかっていない環境下ですが、負荷のかかった状態でも同様に他メーカーより良い結果になるようです。
実際のフィーリング
今回は試乗車もお借りして乗ることができました!
試乗車は乗ったことがあるCAAD13だったので違いも分かりやすいはず。
まず、漕ぎだしがスムーズに感じる。
そして(体感で)20~35km/hくらいの中速域の伸びがいい!
速度が上がるごとに普段感じるひっかりがないというか、ス~っと伸びていく感じ!
足を止めて惰性で進む状況が一番効果を実感できるかもしれないです。
まるでディープリムのホイールを履いたかのように速度が落ちずに気持ちよく進み続けてくれます!!
高速スプリントやコーナリングを十分に試すことはできませんでしたが、機材供給を受けているプロ選手によると、コーナリングなどバイクがねじるる動きに強くなったとのフィードバックがあったそうです。
▲機材供給を受けるマトリックスパワータグの選手たちのサイン
鬼ベアリング、軽さの秘密
データ上も、実際のフィーリングも格段に良い鬼ベアリング。
回転の軽さの秘密はどこにあるのでしょうか?テック担当としてはそこが気になります!
超高精度セラミックボール
ベアリングの一番大切な部分、硬く、より真円に近いセラミックボールに技術の粋が詰まっています。
言葉でいうと簡単ですが、そう簡単なことではありません!JTEKTの積み重ねてきた技術力が詰まっているのです!
大径ベアリング
ベアリング球のサイズを大きくし、数を減らすことで駆動抵抗を減らすことができます。
軽量リテーナー
リテーナーとは、ベアリング球が内部で等間隔を維持するための保持器です。
一般的には金属が使われることが多いですが、これを軽量な素材にすることで、ベアリングの転がり始めの抵抗を減らす工夫がされています。
特殊構造の軸受け
ボールを支えるシルバーのリング部分も専用設計の特殊構造となり、回転が軽く、高負荷にも耐えられるようになっています。
ここは企業秘密なのか詳しくうかがうことができませんでした。
非接触型シール
ベアリングの黒いリング部分は、内部構造に水やゴミが入らないようなシール(パッキン)になっています。
ここは防水、防塵性が高い接触型(シールが軸受けに接触している)と、
圧倒的に回転が軽い非接触型(シールと軸受けの間にわずかな隙間がある)があり、
鬼ベアリングは非接触型を採用しています。
特殊なグリス
ベアリングの駆動抵抗のうち、大部分はグリスによる抵抗です。
どんなに精度の良いベアリングでも、耐久性を重視し、ベタベタなグリスをたっぷり入れては回転が重くなってしまいます。
しかし、グリスなしでは著しく耐久性がなく、100kmも持たないでしょう。
ベアリング単体を触ると、セラミックを含め、ほかのベアリングとは回転の軽さが違う!
絶対にグリスが入っている重さじゃない!どちらかというとカンパのCULTのようにオイルしか入っていないような回転の軽さです。これでグリスが入っているとは信じられない!!聞いてみたところ、
通常はベアリング球自体やベアリングの通る軌道にグリスが封入されていますが、鬼ベアリングではベアリングの軌道上にグリスはなく、その外周部に特殊なグリスを封入。少しづつグリスがしみだしてくることで、回転の軽さと耐久性を両立している。とのことでした。
そんな技術があるとは!!驚きです。
この小さなベアリングに、このような専門的メーカーだからこそできる、ありとあらゆる工夫が詰め込まれ、完成したのが鬼ベアリングなのです。
自転車パーツの中でも高価な部類に入りますが、速く走りたい、もっと遠くに、ラクに走りたい、自分だけのカスタムがしたい方には非常におすすめのカスタムとなっています。
耐久性
性能が良いのはご理解いただけたと思いますが、気になるのが耐久性。
コチラが純正のベアリング。
展示期間中に表面が黒っぽくサビているのがわかります。
コチラが鬼ベアリング。ステンレス製でサビ一つ見られません!
このように外側の耐久性は非常に高い素材が使われています。
また、ベアリング自体も強度・耐久性ともに純正品の1.5倍の強さを誇りますので、すぐにダメになることはないでしょう。
ベアリングの消耗は乗り方や体重、メンテ頻度などによって大きく変わるので具体的な目安はありません。
当店でメンテナンスを見させていただく方だと、純正ベアリングで2~3年おきに交換する方が多い印象です。
その1.5倍とすれば3~5年が目安でしょうか?
また、MAVICの場合は雨天走行後や半年おきなど頻繁に定期点検・メンテをするほうが圧倒的に寿命が延びます。
なんにせよ、ベアリングは消耗品、どんなに良いものでも傷んだ状態では性能は下がります。数年使ったら消耗品と割り切る心は必要でしょう。
この素晴らしい鬼ベアリングは現在、一部のワイズロード店舗のみでお取り扱いしております。
松山店でも取り扱いが始まりました!
▼こちらから作業依頼が可能です
[ysid 22193889]
交換作業を熟知したスタッフが丁寧に作業させていただきます。
お使いのホイールが対応するかはご相談くださいませ。
(備忘録 6902、6903ベアリング対応)
近日中に店頭在庫も届くはず!?お楽しみに!!
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