♪ うす紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽だまりに揺れている・・・♪
という、往年の名曲と共に今回ご紹介するのは
今期、大幅なモデルチェンジを果たした
タイヤメーカー・VITTORIA
その、自信作であるカーボンクリンチャーホイールと合わせて
インプレしたいと思います。
ヴィットリア、というと梅林的には
「タイヤ オブ タイヤ」
ちょうど、自転車に本格的に関わり始めた頃は
「タイヤはまず、ヴィットリアを使っておけ」
というのが鉄則だったくらい。
当時は、この
エクストリームというシリーズが、特にお気に入りで
チューブラーも、クリンチャーも廃盤後も使用してました。
そもそも、ヴィットリアは「クリンチャータイヤ」という呼び方はせず
あくまでも、「オープンチューブラー」という表記をします。
ヴィットリアの考え方としては、
「ロードのタイヤはチューブラーが基本だろ」
なんだと思います、たぶん。
しかし、そうは言っても世の中の流れは
「チューブラー<<<クリンチャー」で
ミシュランや、コンチネンタル、シュワルベといった海外メーカーはもちろん
国内でパナレーサーやIRCのように
チューブラーを作っておいて、クリンチャーに置き換える
のではなく、
「クリンチャーをクリンチャーとして開発する」
メーカーが台頭してきたのは事実。
かくいう梅林も、「時代はカーボンクリンチャーです!」
を謳い、ここ数年おし進めていっ次第です。
(今年は、そこからさらに「カーボンチューブレス」になったわけです)
その間も、ヴィットリアとて 手をこまねいていたわけではなく
一応は、「CORSA CX Ⅲ」としてバージョンアップをしておったわけですが・・・
実際に使ってみた感想としては
「・・・・・・古臭い」
オープンチューブラー、というだけあってチューブラーっぽい
タイヤの断面での円が変形しながらグリップ感を伝えるのがウリでしたが
特にドイツ系のタイヤメーカーに見られるような、
サイドのケーシングをガッチリ保持した乗り味に慣れてしまうと
どーにも、腰砕け感というか頼りなさに思えてしまい。
加えて、昔ながらの造り方によるものか
センターのグリップが希薄に感じ、そこの接地感を出そうとして
空気圧を落としていくと再び、腰砕け感を味わうという
悪循環・・・・・・。
正直、ここ数年は
「ヴィットリアかぁ・・・」
というネガティブな感想しか抱けなかったんですが
これまで、ン十年変わることのなかったトレッドパターンまで
新しくしてきた、CORSA CX
グラフェンという、透明なシート状のピュアカーボンを使用することにより
全ての性能の向上に成功したとか、ナントカ・・・
実際に装着してみます。
今回は、タイヤとホイールとの総合でのマッチングをテストするために
ついにホイールにまで参入してきた、VITTORIAの自信作
QURANO 46 クリンチャー
も併せての、試乗です。
こうしてみると、ゴム色の「雨サイド」のタイヤが
昨今は珍しくなっていたので、
このタイミングでこのカラーに戻したVITTORIAは
一周回って、「カッコいい」!!
通勤朝練のコースとしての定番、
森林公園の周回で全力で踏んでみたり
ロングの大きなアップダウンのあるコースで
切磋琢磨しながら、限界まで試してみたり。
感触としては、タイヤとしては
昔のVITTORIAのイメージそのままですね。
タイヤを形成するケーシングから、「グニ」っと変形して
グリップを生み出す感覚は
「おぉ、ヴィットリア」と懐かしくも頼もしい。
やはり、クリンチャーではなくあくまでも
「オープンチューブラー」と表記するVITTORIAの拘りを示してくれます。
それでいて、いままでとは圧倒的に違うのが
グリップの良さ。
どうしても、これまでのコルサシリーズは他のメーカーが
「クリンチャーをチューブラーとは別物として考える」
開発から違うところにおり
センターのグリップの抜けが気になったのですが。
今回の、大きく変わったモデルは明らかに違います。
試乗ホイールの中に入っていたのが、
ラテックスチューブというのもあるでしょうが
走りが軽くしなやかでありながら、ギュッとグリップしてくれます。
この タイヤは、かなりアリです。
いま現在、絶賛愛用中のIRCの新型チューブレス・FORMULAを
除けばクリンチャータイヤの中ではここ数年で、
いちばん気持ちよく梅林の痒い所をついてくれます。
(チューブレスとクリンチャーを比べるものかどうかは、さておき)
一方で、このホイール
QURANO 46
46mmという絶妙に、微妙なリムの高さと相まって
かなり使いやすいです。
リムを形成するカーボンの種類として、かなり剛性が高いですが
そこはやはりイタリアメーカー。
どこかでうまく逃がしてやるように造ってあり
それが、スポークで感じます。
横方向は、しっかりと剛性がありながら
縦方向、進行方向にはスポークのタメがあってから
伸びを感じさせるバランス。
そもそも、今年の梅林の使用ホイールが
タテにも横にも非常に硬いので
余計にそう感じるのかも知れませんが
「グニ」っと変形してグリップを生み出すタイヤと相まって
「ギュン」と前に進んでいく、このホイールの感覚だと
ストップ&ゴーが連続するようなレースやコースよりも
同じ負荷をかけ続けるエンデューロや、
回し続ける緩い下りや平坦で、気持ちよく走れるかと思います。
できれば、普段使用しているホイールが
リム高30mmなので、VITTORIAから出ている
QURANO 30 という同じ条件で試してみたいところではありますが・・・・・・。
いま、目下の悩みは
今週末に迫った、鈴鹿エンデューロ4時間ソロに
このVITTORIA QURANO 46C で出るか
普段のホイールで出るか
悩ましいところです・・・・・・