富士あざみライン
富士山の五合目まで自転車でいくルートというと
「富士ヒル」で有名な、山梨側から登る
富士スバルライン
距離25km 高低差1270m
平均勾配 5.2%
そして、静岡から登る
富士スカイライン
距離26km 高低差1800m
平均勾配6.9%
が有名ですが
もうひとつ
神奈川よりの静岡から登るルートがあるのをご存知でしょうか???
それが、須走口登山道まで登る
高低差は1100mと、さほどではありませんが
距離が11.5kmと短い。
つまり、平均勾配は11%
最大で、22%の超・激坂ヒルクライム
日本最大のステージレースである
ツアー・オブ・ジャパン
でも、勝敗の決まる場所として有名で
最近は、話題のロードレースを題材とした
高校生が主人公の某・マンガのインターハイのゴールとしても
知られるように。
「ちょっと乗り始めた」サイクリストであれば
脚を付かないで登りきっただけでも、称賛され
1時間20分を切った、といえば「登りに強い」ホビーライダー。
50分を切ると、公的に「クライマー」を名乗ることを許されます。
(本当か?)
日本人最速のレコードは、直前の全日本選手権タイムトライアルで
見事に連覇を果たした、西薗選手の
41分台。
ツアー・オブ・ジャパンでの総合優勝を決めた
オスカル・プジョルに至っては、38分台と
キ〇ガイじみた速さで登ってきます。
そこでわざわざレースしようってんですから
バカですね。
いや、マジで。
われらが実業団チーム・Y's Roadの西日本支部からは
クライマー 水野 E2クラス
登れるリックドム 服部 E3クラス
そして、梅林が参加。
本当は、このコースを大得意として
自己ベストとして46分台というケタ違いの速さを誇る
ホッシー弐号こと、星野貴大が優勝をE1での狙うべく
参戦予定でしたが、直前のケガにより見合わせ・・・
到着次第、まずは試走へ
ゴール直前まで続く激坂に苦しみながらも
梅林にとっては2013年以来
水野と服部選手にとっては初のコースを走った感想は
「リア30Tのローギアをつけてきて良かった・・・」
そう、ここでは日本のプロ選手ですら
リア30Tを用意するほど。
当然、我々も30Tの普段、使うことのないスプロケットを取り付け
水野に至っては、(珍しく)フロントのギアを
コンパクトの34Tで、クランク長を170mmと短くし
徹底的に激坂対策。
(すでに9年落ちのホイールを替えるという発想は彼にはない)
梅林もリアを30Tとし、フロントは迷ったものの
36Tの楕円の普段通りのままでいくことに
(ここに大きな勝負の分かれ道)
試走の結果
1時間10分
翌日に疲れを残さないようにしつつ
しかしそれでも、これが精いっぱい。
マシンは、霧の中でもやたら目立つ
BH G6PRO 「元喜号」
元の持ち主のチカラをちょっとでも分けて貰えるように、願う。
夜は
民宿の二階にて、タンパク質と
炭水化物をたらふく補給。
(あと、アルコール燃料もほどほどにね)
さて、一夜明けて
天気は・・・
雨。
夜明けくらいに、降ってる音で目が覚める。
うん、知ってた。
といか、梅林は富士山を自転車とそれに関わらず
登ったことで、雨以外の天候はない。
というか、有り得ない。
宿泊先のガレージを借りて、ローラー台にて
アップを開始。
20分ほどで、脚に疲労を感じないように
心拍だけ負荷をかけていくイメージで
インターバルと段階を踏んで
テンションを上げていく。
ボトルの中身は、いつぞやにご紹介した
グリコ クエン酸+BCAA
(左の黄色いの)
ゼリーぶち込み
グリコ ワンセコンドCCDを投入した
「クエン酸にて乳酸をエネルギーに変えつつ
カロリーも取る」
作戦。
おそらく、雨で水分補給はさほど必要としないものの
エネルギーは絶えず入れておきたいところ。
選手サイン、そして検車のあと
スタートラインへ。
E3クラス、パッと見は重量級でありながら
着々と登るチカラを身に着け
(というか西日本支部の練習に出ていると必然的にそうなる)
伊吹山もいいタイムで終わった感触により
本気で入賞を狙う服部選手。
E2クラス
最前列をキープする、水野。
今回のコースレイアウト的に、水野のような
「背が高い細身のクライマー」が絶対有利のため
実は優勝候補。
しかし、右横のイナーメの選手が
「いつもブログ見てます」と声をかけて頂くものの
「雨沢峠で、14分台前半」とおっしゃるので、
マジでビビる。
その後ろ
関東から数少ない参加の若林選手の後ろで
緊張感のない梅林。
いつも以上に、気負いはない。
6月に入ってから、風邪を引き。
5月はイタリアから帰ってきてから、体調もどらず。
その直前に拾った風邪が、イタリアで大暴れ。
そして、皆さんお忘れかもしれませんが
1月~2月には病院の天井を見つめていた、梅林。
どうも、レースの度に気負いすぎて自滅する傾向のあるので
今回は悪くても自分を責めることなく
ピークをとうに過ぎた、アラフォーのちっこいオッサンがどこまで
できるか?
をテーマに、地獄の激坂を楽しもうと
割と楽な心境。
雨が強くなる中、
E1クラス、そして女性クラスのあとに
スタート。
ここからは、前日の試走の際に撮った画像を交えて
コース状況と共にお伝えしていきます。
スタートして、2kmはこんな感じで
まっすぐの道を登ります。
カーブがなく、景色も変わらないので
錯覚しがちですが
実はここですでに、6~7%の勾配。
勝負を狙う数人が飛び出し、あっという間に
一列の棒状に。
スタート1分で、心拍は92%へ。
試走の段階では、体重比3.6倍くらいで踏んでますが
レースでは、5倍~6倍で全力。
先頭を回しながら、そのローテに水野が入っており
いいペース(ちょっと速い)で進行していくと・・・
スタート前に話していたイナーメの選手が
先頭でそのままペースアップ。
前週にあった、栂池ヒルクライムでいきなりE3クラスから
昇格してきた脚の持ち主で、やはり要注意。
追うの??
優勝候補はどうするのか???
と、思っていたら意外と差が開いていく。
ここは、諦めて(?)
水野の前に出て、詰める動きを。
振り返りつつ、「追うよ」というサインと共に
へばりついて耐える。
共に逃げる動きと思われたのか?
先頭を交代する要求をされるが、
いや無理っす。
くっついているだけで、精一杯っす。
ちらちらと、心拍が95%付近なのを見ながら
後続が差を縮めてくれるのを確認して
スタートから、2kmあまり
最初の大きなカーブ辺りで、終了。
最初の10分、つづら折りに入るまでで
平均の出力が5.2倍超。
先頭が6人程度になっているのを確認しつつ
あとは、水野がそこに残っていけることを祈る。
追いついてきた二人と、
前からこぼれてきた一人との後ろでヨタヨタしながら
いよいよ本格的に勾配が、厳しくなる
「馬返し」へ。
最大勾配が20%を越え、
ひたすら激坂が続く区間へ。
この区間に入るなり、リアはローいっぱいの30T。
体を揺らしながらの立ち漕ぎで誤魔化していくが
そんなに長くは続かないので、
シッティングに切り替えるが・・・
すでに脚は終了しているため、ギアが足りない。
この画像、試走の段階で水野が下を向いてますが
レース中、ほぼ全選手がこんな感じ。
脚がいっぱいになってしまっており
心拍主体の回転に切り替えたいが
36×30Tでもすでに、ケイデンスは50~60rpm・・・
やはり、迷わずコンパクト34Tに交換すべきだったが
今は、後の祭り。
蛇行しながら身もだえしている、
E1からこぼれてきた選手をパスしながら
時間にして40分を進行したあたり。
なんと、バイクに先導されてE3のトップの選手が!!
うひー、はえぇ・・・
と見ていると・・・
難所である、三番目のグレーヂング
道路を横切る排水溝の金属のフタで
そのE3の先頭がズルッと。
危ない!
と思ったときには、どうにかペダルから脚を外して
転倒を避けるものの、今度は再スタートに手こずっている。
うわー、もったいねぇ~~~。
と思いながら、自分は滑らないように
注意して踏んでいく。
景色は変わらず、濃い緑と
荒れた路面。
すると、さきほどのストップしたE3のトップを抜いたであろう
後続が・・・・
梅林の、10秒ほど後ろに。
ん・・・???
なんか、先頭は青いジャージに
体がデカいぞ・・・・???
服部さんだ!!
嘘だろ!!??
伊吹山で、梅林よりも良いタイムで登ったので
「今日も、追いついちゃうかもね」
と笑ってたが、本当にそうなるとは!!
おそらく、5人くらい。
間違いなく、優勝争いをしている。
サンデーライドに参加し始めたころは、
体重も90kgちかくあり、ちょっと勾配が厳しい登りでは
吐きそうになっていた、服部さんが!
日本有数の激坂ヒルクライムで、トップを登ってくる。
その経緯を知っている梅林は、ちょっと感動して。
自分の順位よりも、最後の戦いが見たくて
ペースを緩めて待つことに。
しかし・・・・
なかなか追いついて来ない。
どうやら、ここまでハイペースで登ってきて
さすがに無理が来たよう。
それを知ったのか、他の選手がアタック!!
2人程、加速していく。
続く、もう一人。
服部さんも来るのか???
と、思うが苦しそうなうめき声を聞こえてくるが
差は詰まってこない。
とりあえず、特等席?
でE3の優勝争いを見学。
最後の大きなカーブを曲がり
残り500m
最大心拍97%まで踏み切ってのダンシングでゴール!!
結果
53分2秒の、13位。
できれば、51分台でいきたかったですが
今はこれが精いっぱい。
そして
水野が、48分43秒にて
堂々の2位!!
これまで、4位が三回もあったので
ようやくのE1へ昇格です!!
さらに、服部選手も梅林の姿が見えたところで
腹筋が攣ってましたが
6位入賞!!
最初はドムでしたが、いつの間にか素早く動ける
リックドムへと進化し
今では、リック・ディアスを通り越し
シュツルム・ディアスになりました!!
(たとえがわかりづらい)
表彰式
最初にペースアップを図ったイナーメの選手も
競り合いの末、3位に。
しかし、さすがにこの激坂ヒルクライムになると
みんな細いなぁ・・・。
水野の激走を支えた脚をすぐさま回復させる
リカバリーアイテム。
COMPRESSPORT
Y's Road名古屋ウェア館にて、間もなく
スペシャルキャンペーンが開始されますので
お待ちください。
20%以上の「馬返し」でも
返されなかった、水野の笑顔。
E3表彰
重量級から、驚異の減量と
進化をみせた服部選手。
来月からのニューマシンと共に、
シーズン後半もやってくれます!!
「パワーで押し切る走り」を実証した
服部選手をすぐさま回復させる
リカバリーアイテム。
COMPRESSPORT
Y's Road名古屋ウェア館にて、間もなく
スペシャルキャンペーンが開始されますので
お待ちください。
序盤から競り合った二人の
笑顔。
右側の選手は、Y's Roadの誇るフィッテングサービス
バイオレーサー5000
のお問合せも頂いておりますので
お待ちしています!!
もう一度
ついにE1への昇格を果たした、水野
やったぜ!!
これで、シーズン後半の
アップダウンの激しい2連戦
輪島ロードレース
南魚沼ロードクラシック
に向けて、実業団チーム・Y's RoadのE1クラスの駒が
スーパー星野ブラザーズ 壱号&弐号
パーマ先輩こと利田選手
に加え、水野も揃ったぜ!!
登りの、水野とホッシー弐号
登りももちろん、平坦速度のホッシー壱号
そして、スプリント炸裂のパーマ先輩・利田選手の
活躍に
ご期待ください!!