スタッフおおもとです。
前回『準備編』をお送りした私の手組ホイール計画、今回は『完成編』です。
ネジ山を洗いスポークプレップを塗布して乾燥、スポークを編み編みして仮組み、テンション上げ~の振れを取り~のテープを貼って~のでタイヤをセットして完成です。
二行ぐらいで済んでますがトータル的には中々手間も時間もかかる作業、家で合間を見ながらやっていたのでなんだかんだで10日ぐらいかかってしまいました。
どうしても欲しかった内幅21mm
今回わざわざ手組みホイールを組んだ理由は前回ご説明した通り『40cグラベルタイヤを思う存分使えるホイールが欲しい』
リムブレーキ対応のメーカー完組みホイールでは内幅21mmのワイドリムが存在しないのです。
オンロード・オフロード、どちらも走れて快適な40cグラベルタイヤ、しかしこの太さをリム内幅の狭いホイールに組み合わせて使うのはタイヤに生じるヨレや衝撃により内圧変化でリムの割れる可能性など色々不安があります。
そもそもリムブレーキでそんな太いタイヤを使う事なんてまず無いので需要がないと言えばそれまでなのですが、その需要は私にあったんです。
こんな稀有な需要に応えてくれたのはサイクリストに愛され続ける東京サンエス、私は未来永劫、東京サンエスを称えずにはいられません。
フレームカラーに合わせて
手組みホイールの醍醐味は取り付けるバイクに合わせてオリジナリティを出せること。
私の愛用するシクロクロス『JFF 803』はメタリックアップルグリーンカラー、今回はこのカラーに合わせて『アルミニップル』と『チューブレスバルブ』をグリーンにしてみました。
1つ1つは小さなカラーパーツですが、車体に取り付けて眺めてみると個性的な存在感を放ってくれています。
このバイク専用に作ったホイール感があり、満足度は100点です。
ちなみにチューブレスバルブは『Peaty’s ×CHRIS KING』のコラボモデル、豊富なカラー展開と3種類のバルブ長がラインナップされていますよ。
このアイテムはバルブキャップが3.4mmのニップル回しとバルブコアツールになっているのもポイントです。
王冠マークがチラリとするのがカッコいいですね。
このハブ、中々に低爆音。
6爪60ノッチのフリー機構でかかりの良さが売りの『TNI SIX60 HUB』は足を止めた時に『ジィーーーー』と低い音で鳴り続ける低爆音系。
細かい音が押し寄せるようなラチェット音は耳障り感がなくどこか心地良いですね。
どのタイミングで踏んでもダイレクトに推進力に繋がってる感じがペダルを踏む楽しさを与えてくれます。
シーラントはこだわりのチョイス
『CADEX』の正規代理店を務める当店、ロードバイク使用しているタイヤ『CADEX RACE』が非常に素晴らしかったので期待してグラベルタイヤ『CADEX AR』をチョイスしました。
そしてこのセットアップにはシーラントに『フジチカ マクハル』を使用しています。
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マクハルは施工方法が大変に手間です、タイヤの裏側を脱脂処理し、ビードにシーラントを塗布してから取り付ける必要があるのでビード上げ時にシーラントが飛び散るのです。
取り付けた後はシーラントを全量入れて、全体に馴染ませたら全部抜いて少量戻す、こんな手間のかかるシーラントは他にありません。
でもそれだけの価値があります。
一般的にシーラントは寿命は半年から1年程度、ですがマクハルはタイヤの裏面にゲル化して張り付きタイヤの寿命まで使用する事が出来ます。
またエア漏れが非常に少なく、より長い期間空気圧を保持してくれるのも気に入っている要素ですね。
私は気が向いた時に楽しむ程度のファンライダーなので、乗車頻度は決して多くありません。
シーラントの補充や寿命を気にするのは面倒くさいので、最初の施工さえしっかりやれば気兼ねしないで運用出来るマクハルを積極的に使用しています。
利用頻度としてはクリンチャーでも良いのですが、オフロードを走るならやはりチューブレスタイヤがリスクが少なく安心ですしね。
走ってみた印象は・・・
まず前提として、シクロクロスとグラベルバイクはジオメトリが根本的に違う、別の乗り物です。
特に違いの大きい所はBBと地面との距離である『BBハイト』が挙げられるかと思います。
シクロクロスはBB位置が高く、グラベルバイクはBB位置が低めの設計になっており、走りの性質に違いがあります。
33cタイヤが前提で設計されているシクロクロスに40cタイヤを付けるとどうなるかと言うとBBハイトが更に高くなるのです。
33cと40cは幅だけでなく実は直径の大きさが異なり、約6~8mm程度外周が大きくなる為、BBハイトも3~4mm程度変わってくるのです。
数ミリとはいえ、この位置が高くなる事で漕ぎ出しが軽くなる一方、平坦での高速巡航は不得手となります。
なので乗った感想はその変化を顕著に感じる印象ですが、登りや未舗装路では漕ぎ出しの軽さが武器となり路面環境が過酷なほどバイクを軽快に感じることが出来ます。
元々反応性が高いレース向けアルミフレームとかかりの良い6爪60ノッチハブが合わさり、初速感に特化した走りとなりました。
こうなってくるとよりアップライトなポジションの方が乗りやすくなるので、ステム長・ステム角の変更まで検討していきたいですね。
実は気になっているサスペンションステムがあるんですよね、もちろん東京サンエスの新作アイテムに・・・
快適なグラベルツーリングへ
私の最近のライドスタイルは『道楽サイクリング』なので速さよりも快適に走れればそれでヨシ!
路面環境やペースを気にする事無く、気軽で無理なくストレスフリーなサイクリングを目指して趣味性に寄ったカスタムを重ねて楽しんでいきたいと思います。
どんな路面も知らない場所も物ともしない40cタイヤカスタム、皆様もいかがでしょうか。
理想とする最適なホイールが無ければ手組みホイールのご相談もお受けしてますので、ワイズロード東大和店までお問い合わせください。