横浜店作業コーナーから松野です。
最近、
「初めて自分でチェーンを交換してみたけどなんか調子が悪い」
というご相談が増えています。
しかしよく見てみるとチェーンの長さが間違っていることが多々あります。
どうやって長さを決めたのかお伺いすると
「アウター×トップの時にプーリーケージが垂直になるようにと本に書いてあった」
との答えが非常に多いです。
実際にメンテナンスブックをいくつか読んでみると確かにそう書いてありましたが、実はこの決め方、間違ってはいませんが説明が不十分でして
正しくは歯数、コンポーネントによって変わります!!
(シマノの場合)
「アウター×トップの時にプーリーケージが地面と垂直」とは
写真のように、アウター×トップ(一番重たいギア)の時にリアディレイラーの上下プーリーが地面と垂直になる長さです。
ここで言う垂直とは、上下プーリーの取り付けボルト部分です。プーリーケージではないので注意してください。
さっきの写真ではディレーラー本体が邪魔して見えないので裏から見てみました。
こんな感じです。
チェーンステー長やRDハンガーの寸法によってはピッタリ垂直にならない時もありますがその時は長めに切って様子を見て下さい。写真の状態も垂直よりも少し角度が小さくなっていますね。
アウター×ローギア+1コマ
別の長さの決め方がこちらです!
まずチェーンをアウターギアとローギアにかけます。
この時にリアディレイラーにチェーンは通しません。
その時に「繋げられる最短の長さ」を探します。
上の車体ではチェーンの余った部分を重ねるとこんな感じになりますが
ちょっとわかりづらいので外して机にのせました。
チェーンを引っ張った時に「繋げられる最短の長さ」は写真のAの部分になります。
しかし、チェーンステー長やギアの歯数によってはA'の部分になる事もありますが
アウターリンク同士ではチェーンを繋げることはできません。
なので、「繋げられる最短の長さ」はその次のインナーリンクであるAの部分になります。
で、どちらもその状態から1コマ分足したBの部分でカットしてあげるとマニュアルにある通りの適切な長さになります。
大きいギア×大きいギアの組合せでパッツンパッツンの状態から1コマ分余裕を持たせる感じです。
どっちを選ぶの!?
シマノの場合この2つの決め方がありますが
どちらが適切かはスプロケットの歯数やコンポーネントによって変わります。
大事なのでもう一度言います。
スプロケットの歯数やコンポーネントによって変わります。
どういう決まりかと言うと…
・フロントがダブルの場合
スプロケットのローギアが28T以上の場合⇒②アウター×ロー
〃 27T以下の場合⇒①アウター×トップ
・フロントがトリプルの場合
ローギアが32T以上の場合⇒②アウター×ロー
〃 30T以下の場合⇒①アウター×トップ
・RDが新型タイプ
R9100やR8000、R7000の場合⇒②アウター×ロー
①アウター×トップの方法しか記載されていないメンテ本も多いのですが、最近の完成車はフロントダブルでローギアが28Tや32Tの物が多いので大半は、②アウター×ローの方法が正しくなります!!!
※MTBコンポの場合は歯数や段数に限らず②の方法がほとんどのようです。
※リアサスペンションがある場合プラス1コマでは足りない時もあるのでご注意ください。
アウター×ローの方が多数派!?
数年前まではロード完成車の場合、ローギアが25Tとか27Tとかが標準だったので
「ロードはアウター×トップ、MTBはアウター×ロー」と覚えてしまっている方も多いのではないでしょうか!!
最近ではロードでも28Tが多くなり、32Tや新型ULTEGRAなんかは34Tまで対応になりました。
ロードバイクでもアウター×ローで決める事がほとんどです!!!!
ご自身でパーツ交換される方はご注意を!!