こんにちは、広島店の山崎です。
ツール・ド・フランスで正式に実践投入された新型クライマー「Verticale SLR」を実際に乗ってみました。
WILIER Verticale SLR
インプレッション
ZERO SLRの後継機として、更に重量を削り落としたピュアクライマーモデル「ヴェルティカーレSLR」が遂にデビュー。
今回試乗車でご用意頂いたのは、アスタナ・カザクスタンのチームカラーであるハルクグリーン。グロスとマットで塗り分けられており、パッと見ただけでも高級感を感じます。
重量はLサイズでジャスト7㎏(実測、ペダルレス)チューブレスタイヤにインナーチューブを入れた状態でしたので、軽量タイヤにすればあと100gは削れるでしょう。
ZERO SLRと比べて、一見するとあまり違いが無い様に見えますが重量削減への試行錯誤が成されています。
まずはクランプ部分です。角ばった形状から滑らかな形状へ変更されており、やぐらがフレーム内部に完全に隠れています。
それに伴いシートポストも細くなった楕円形状に変わっており、軽量化が施されています。
専用ハンドルも大きく改変されています。前作はC-Cで400㎜が最小サイズでしたが、新たなV-BERはC-Cで370㎜となっており、トレンドであるフレア形状になっています。またレバー下部が独特に湾曲しており、ブラケットポジションではエアロフォームを取りやすく、下ハンドルではトラディショナルなフォームでハンドルを握ることが出来ます。
また下ハンドルを握った状態でもハンドルが腕に当たらず、取り回しに優れている為とても安定しています。
フロントフォークは明らかに広がっており、広いタイヤクリアランスが設けられています。試乗車は28Cを装着していますが、30Cまで余裕で履けるとのことです。シチュエーションに合せたタイヤ選びがより行い易くなりました。
実際に乗り出してみると一歩目から格の違いを感じます。ピュアクライムモデルらしい軽やかな漕ぎ出しを体感することができ、当然そのまま巡行速度へ加速するまでも早く、40㎞までのフットワークが軽く感じました。
この際に強く感じたのが、平地での加速力です。前作のZERO SLRでは登坂でのパフォーマンスは素晴らしいのですが、平地巡行では物足りなさを感じてしまいました。クライムに特化したモデルの弱点でもありますが、ヴェルティカーレはその弱点を克服しています。
30㎞後半がとても心地よく、40㎞以上の速度域までバイクの伸びが衰えず、押し出される様な感覚がありました。よくある高速域でのパフォーマンスに限定された高剛性バイクとは異なり、速度域のスイートスポットが広く安定感も確立されていることから、楽に高速巡行が可能です。
剛性感はウィリエールの数あるラインアップの中で最も硬い印象です。前作のZERO SLRではバネ感を利用して加速する様なしなやかさが見受けられましたが、ヴェルティカーレは自らペダルにトルクをかけないと飛び出すような加速感は得られないでしょう。特に横剛性が強化されており、ダンシング時に相応の脚力を必要とします。その分踏み込んだ時の加速力は凄まじく、後押しされるように進んでいきます。
また剛性が上がったことでコーナリングでのバイクのヨレが無くなり、とても曲がりやすいです。
如何でしょうか。ピュアクライムモデルといえども、平地でのパフォーマンスもしっかりカバーして更に隙が無くなったヴェルティカーレ。登坂をこよなく愛するクライマーや、扱い易くて硬い剛性のバイクが好きな方にベストなバイクです。
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