メインバイクのBMCのインナーギアはローターの楕円。
通勤バイクのKUOTAのインナーギアはシマノの真円。
両車のペダリングの感覚を合わせたいというのもあって、
新たな楕円チェーンリングを導入してみることにしました。
〇ABSOLUTE BLACK オーバルチェーンリング 110-36T
¥7,900-+TAX
ペダリング感覚を合わせたいなら、普通ブランドは揃えるべきですが・・・
新しモノ好きなもんで。
となると、気になるのが今使っているローターとの違い。
並べてみると・・・見た目・高級感に感してはローターが圧勝。
まあインナーギアなんて取り付けてしまえばほとんど見えませんが。
見た目も重要ですが、楕円リングのキモはやはり楕円具合。
BMCで使っているOCP3の穴位置で重ねてみると
(上:アブソリュートブラック 下:ローター)
短辺側にはそれほど大きな差はなさそうですが
長辺側のギア比が少し大き目に思えます。
いまいちわかりにくいので、クランクに取り付けたイメージでもう一度。
(手前:アブソリュートブラック 奥:ローター)
時計で言うところの2時から4時くらいの歯の位置の差は大き目。
同じく1時あたりと5時あたりの歯の位置の差を比べてみると、
5時にはあまり差はないのですが、1時はけっこう差がついてます。
このことから
ローターと比べて、ピーク時の踏み味はやや重め。
重くなるタイミングも少し早めなのが予想できます。
今度は外した真円リングとの比較。
ペダリングの際に力が入るポイント(3~5時くらい)のギアを
大きく(重く)しているのがよくわかります。
上下入れ替えて楕円を手前にすると。
人間の脚の上下運動を回転運動に替える際、ロスが大きくなる
12時と6時の位置のギアがだいぶ小さく(軽く)作られています。
ペダリングの際に力が入れやすいポイントは重いギアに。
力を入れても回転運動にはつながらないポイントや
力が入りにくいポイントは軽いギアになるように。
ペダリング時の踏む力を効率良く回転運動=推進力に変えるのを
機械的に手助けしてくれるのが楕円リングの効果と言えます。
「下死点近くで力が抜ける感じが嫌い」「リズムが取りづらい」と
その手助けを余計なお世話に感じるという声もそれなりにあるので
誰にでも効果があるいわゆる万能薬のようなものではありません。
(もしそうなら間違いなくシマノがやってくるでしょうし)
また一口に楕円リングといってもメーカーによって幾分狙いが異なります。
楕円軌道の設計次第で「パワー重視」にも「効率重視」にもなるのが
楕円リングの面白くもあり難しくもあるところ。
クリス・フルームが使うオーシンメトリックは楕円と言うよりほぼ長方形。
トルク変動の大きさと引き換えにピークの時間は長く取れそう、とか。
ローターはパワーは気にせずに、ペダルが上・下死点の通過するスピードを
速くすることで無駄踏みを抑えて効率よく走れるようにするのが狙い、とか。
この辺りは「どこにフォーカスを当てて作られた楕円リングなのか」を
考慮した上での導入をオススメします。