.

【メンテナンス】フル内装のロードバイク、ヘッドのベアリングは定期的にグリスアップをしないと…修理が高額になるかも!?【ロードバイク】

638
横浜ワールドポーターズ店】松野 望士 24年02月22日

横浜ワールドポーターズ店松野です。

 1040C4DB-0527-4F42-8036-6513B2787791

最近ではもはやスタンダードとなりつつある、ロードバイクの「フル内装」

もともとは一部のTTバイクで空力性能を追求するために採用されていましたが、TREKのMADONE 9が2016年にロードバイクとして採用し、そこから爆発的に増えてきました。

 IMG_1790

主なメリットはやっぱり空力性能ですよね。たかが太さ5mmとはいえ、円形のケーブル類は実は結構空気抵抗が大きいんだとか。
他にも見た目がとてもすっきりするので、最近ではエントリーモデルでもフル内装とまでは行かないものの、ヘッドパーツ上部から内装するモデルも増えました。

 

 

そんな今では常識となった内装ですが……実は大きなデメリットが一つあるんです!

 

 

 

ヘッドベアリングの交換が超大変!

大半のモデルでは、ケーブルやワイヤー類がヘッドのベアリングの輪っかの中を通り、フレーム内部へとつながっていきます。

63D0DCA0-6771-45D0-8F47-4CB38B62F5FE

汗や雨、頻繁な洗車で錆びてしまう事が多いこのベアリング。もし最新のロードバイクでベアリング交換が必要になった場合どういう作業になるのでしょうか?

 

 

①ブレーキホースの交換
当然ですがブレーキホースを外さなければいけませんね。機械式のケーブルと違い、一度外したところでの再接続は基本的にできません。その場合は10mmぐらいカットしなければなりません。ホースに余裕があれば少しカットして接続しなおせばいいのですが、フレームやハンドルの構造によってはブレーキホースに余裕を持たせられない場合もありオイルラインを丸ごと交換する事になります…。

 

どちらにせよエア抜き/フルード交換の作業もあわせて必要になります。

 

 

②シフトワイヤー交換
機械式シフトの場合シフトワイヤーも脱着 or 交換が必要になります。

 

 

③バーテープ交換

ホースやケーブルはバーテープの下を通っていますので、当然バーテープの交換が必要になります。

 

 

④工賃

フル内装の場合、手間が増える為どうしても作業代が高くなります。

参考までにハンドル、ステム、フレームまで内装でホースを交換した場合、バーテープなどを含めると少なくとも¥15,000は超えます。機械式の場合更に高額になってしまう事も。
パーツ代を含めると¥20,000~¥30,000ぐらいがほとんどではないでしょうか?

 

 

 

ヘッドベアリングを守るにはコレ!

上記の通り交換の際に高額になりがちなヘッドのベアリング。実は長持ちさせる手段があるんです!

 

 

WAKO's ブレーキプロテクター

E4BF3507-4AF2-489A-BE33-509A96480887

販売価格:¥5,640(税込)
内容量:100g
※取り寄せです。

 

本来は自動車のブレーキパッドの裏面やシムに塗り付け、音鳴りを防ぐためのグリスです。

1D74FC55-4D19-4E0A-96FF-1A0E4414D59C

 

 

グリスの成分としてはシリコーンオイル、増ちょう剤、BNの3つだけ。

332A0C6F-8DA0-4415-821B-6F01F568735B

要するにシリコーングリスなのですが、増ちょう剤のおかげで流動性がとても小さく、流れ落ちにくいグリスになっています。BNと言うのはボロンナイトライド(窒化ホウ素)です。潤滑性と耐熱性がある素材らしいですが今回の用途にはあまり関係ないかもしれませんね。

 

 

B7802BAB-A309-4BBC-BF1A-8AF90F43849E

ものすごくネチっと硬いグリスなので、アーレンキーにボルトの頭をくっつけると持ち上げることが出来ちゃいます。塗布したグリスが流れていかないので防水性を高めることが出来るんです。

 

 

 1040C4DB-0527-4F42-8036-6513B2787791

松野はこのブレーキプロテクターをヘッドのベアリングにできるだけ厚めにこってりと塗り付けています。もちろん下側のベアリングもです。松野の私物バイクですが、意味不明な所からエレクトリックワイヤーが出ているのは気にしてはいけません(笑)
グリスを何も塗らないで組んでしまうとたった一回雨の中を走ったり洗車するだけでベアリングの表面が錆びてしまうなんてこともありますが、これならしっかりベアリングを守ってくれます!

 

 

自分でやるのは少し大変です!

組み立ての際にこんもりとグリスを塗っても永遠に守ってくれるなんてことは当然あり得ません。洗車の回数や雨の中を頻繁に走る場合は定期的に塗りなおしが必要です。ヘッドの構造や洗車の状況でも大きく変わるので何とも言えませんが、半年から一年ぐらいでしょうか?

9E5A8BE2-3E7D-412A-8DA1-A13F9D1BD2E461F990B9-C4B5-4BB5-B8BF-150D2C511CF7

最近のバイクではベアリングを外すのがすごく大変なので、こんな風にパーツをずらしてベアリングにアクセスし、綺麗にしてから再度グリスアップをする必要があります。場合によってはブレーキキャリパーを外してホースに余裕を持たせたりする必要があります。

 

 

35CDE550-5E4E-4636-805B-93A64604CC02

また、組付けの際にはステムとコラムの間にグリスが残っていてはNGです。滑ってしまうので規定トルクで締め付けても上手く固定できなくなってしまいます!

 

結構大変なので作業は是非お任せください!バイクによって作業内容と工賃が変動しますのが、傷んだベアリングを交換するよりは確実に安く済ませられるはずです。ぜひご相談ください。

一覧へ戻る


LINE相談

Pageの先頭へ戻る