チポッリーニ「RB0.8K」同様店頭ディスプレイに成り下がっていますが
実は小西。
チタン+カーボンバックの迷車「CT2」(名車「C50」の兄弟モデル)を
持っているコルナギスタでもあります。
本来ならば最新モデルの「V2-R」やグランツールでも活躍した「CONCEPT」
あたりに試乗するべきなのでしょうが。
あえての「C60」 。
同じサイズのV2-Rが隣にあったのに・・・
MAPEIカラーを見た瞬間吸い寄せられるようにブースに入っていき
気付いたら「コレ乗せて下さい」と言ってました。
とはいえ、やっぱりエルネスト・コルナゴが考えるロードバイクの全ては
「Cシリーズ」にこそ詰まっているような気がします。
というわけで。
やっぱりワンサイズ小さめの52サイズですが、サドル高はOK。
これなら乗れないこともないので・・・
雨が降りしきる試乗コースに繰り出します!
〇乗ってみての第一印象。
泣く子も黙るコルナゴのトップモデル。
ライバルは「DOGMA F10」だったり「PROTOS」だったりするのでしょう。
パキパキでガチガチでヒラヒラ・・・
そんな感じで身構えて乗ると、拍子抜けするほど普通に走り出します。
雨で滑りやすい路面にもかかわらず、神経質な振る舞いは見せません。
〇加速性能。
インナーギアで流している限りでは第一印象そのまま。
コレがトップモデルか?と言うくらい穏やかな顔を崩しません。
こんなはずはない・・・と土手の上の直線コースに出てギアをアウターへ。
きました!
これだよこれ!
アウターの速度域に入った途端目が覚めたように加速します。
間違いなくこのレンジが生息域です。
軽さ自慢のフレームではないので(1,035g/480S)キレの良さを活かした
「スパッとした加速」は少々苦手かも。
パワーを活かしてグイグイ速度を増していくような「息の長い加速」の方が
得意なように思われます。
〇乗り心地。
エンデュランスロードが得意とするような乗り心地のよさや振動吸収性の高さとは
ちょっと違いますが、どの速度域でも破綻しなさそうな安定感を感じます。
(今回はガーミンを付けていなかったので何キロ出ていたかはわかりませんが)
巡行中にわざとバイクをコジるような動きをしてもブレずにビシッと走ります。
コレは路面状況が必ずしも一定ではないロードレースでは大きな武器かと。
もしプロトン全員がC60に乗っていたらあんな頻繁に落車は起きないのでは?
と思ってみたり。
〇総合的に見て
軽くて硬くてキレキレで速いという今時っぽいトレンドは「V2-R」に任せて
「C60」は従来のコルナゴの乗り味を求める人に作られているように感じました。
何にしても、皆が同じ方向(数値至上主義)を向きがちのロードレースの世界で
敢えて違うアプローチを選びながら最高のモノを目指して生み出された「C60」。
そのスタンスがなんともカッコいい。
これで実際にUAEエミレーツが結果を出しているというのもまた熱い。
そこに共感できる方にはたまらない一台です。