これはメカニック志望で
Y’sRoadに入社したにもかかわらず、
なんやかんやあって
ウェア選任になった男が
悪戦苦闘しながら
ホイールを手組みするブログである。
こんにちは!
新宿ウェア館 ゴシマ カイです♪
そう、新宿ウェア館のブログです。
当店は自転車もパーツも扱ってませんが、
今回はホイールを組みます。
当店ではホイールの販売も、
それこそ手組作業も行っておりません。
作業依頼や相談は新宿地区なら新宿本館へ、
その他の地域は作業を受け付けている店舗へお願い致します。
という訳で今回は、
完全に今回はワタシの趣味ブログ、
純度100%マウンテンバイクのお話しです。
⇩リアホイール組み、取り付け、実走編はコチラ⇩
事の経緯
※この時からまた仕様変更してます。#試行錯誤中
2023年はシーズン途中から
念願のフルサスエンデューロ
【KONA PROCESS 153】を導入し、
愛車のハードテール【NESTO TRAIZE PLUS】から
パーツを移植してゴリゴリ下ってました。
バイクロアに合わせて【TRAIZE PLUS】を復活させたのですが、
現状【PROCESS】とホイールを兼用していて少々不便。
なのでダウンヒル用のフロントホイールを
新調したいと考えていました。
そんな最中に開かれた新年の恒例行事、
自転車業界従事者限定の展示会
【サイクルパーツ合同展示会】での事。
【MCインターナショナル】さんのブースで
最高にCOOLなリムと運命的な出会いをしてしまい
’’一目惚れ’’して購入を決意しました。
しかしリムだけあってもアルミの持ち腐れなので、
ハブとスポークを買い足して
【手組みホイール】を爆誕させよう!
っと思い立ったのであります。
ロードバイクなら完組ホイールが一般的、
というか余程特別な事情がなきゃ手組みなんかしないですが、
MTBでは割と普通にみんな手組みホイールを使ってます。
ワタシも現在のメインホイールは手組み、
我が盟友府中多摩川店池田の名作を愛用中。
池田の
「自分で組んでみろよ、めんどくさいが面白いぞ」
という後押しもあり、
「折角自転車屋で働いてる(店はウェアだけだけど)し挑むか!」
と奮い立ったのであります!
とりあえず今回購入した
ワタシの愛しのリムちゃんをご紹介♪
Reverse components
Black ONE 35-TR 29inch RIM
小売希望価格¥20,020-
カラー:シルバー
~詳細スペック~
チューブレス対応
ジョイント:ピンジョイント(チューブレス対応のためにジョイント部はシールされています)
サイズ:29インチ
スポーク穴:32(アイレットなし)
ERD:592.3 mm
リム幅(外幅):35mm
リム幅(内幅):30mm
リム高さ:21.8 mm
重量:549 g(+/- 5%)
材質:アルミニウム
うちの子カッコいいでしょう?!
どうですかどうですか!
最高にCOOLでしょう?
ギンギラギンで全然さり気なくない所が
もう最高にイケてるんですよ!
近年ではほとんど見なくなった
シルバーアルマイトリムです!
ワタシは2015年に中三でロードバイクデビューした
小僧極まるZ世代サイクリストなので、
クラシカルなパーツは逆に斬新に感じます。
このクラシカルなシルバーリムを
最新のフルサス(先輩のお下がり)に履かせる!
この異物感、クロスオーバー感が
超イケてる感じになるんじゃねぇ?!
という思惑でございます。
意外とゲレンデでは見かけないので
「他人と被りたくない」と
天邪鬼極まる我儘をホザくゴシマには
最高の1本なのです!
リムが決まったら次はハブ!
KUWAHARA
Diavolo V2 Boost Front
小売希望価格¥13,200-
重量:190g
ホール数:32H
O.L.D.:110mm
ディスクローターマウント:6ボルトタイプ
アクスル径:15mm
カラー:Black / Brown / Red / Silver
商品概要
確かな品質と十分な強度、
優れたコストパフォーマンスが魅力の
【KUWAHARA】のハブを今回は選択。
【KUWAHARA】のハブには既に
リアでお世話になっているので、
これで前後ブランドが揃いました♪
今回は無難なBlackを選択しましたが、
正直ハブのカラーは最後まで悩みました。
統一感を出すためにシルバーにするか、
いっそのことド派手にしてしまうか。
けど最終的には
・主役たるリムを引き立たせたい。
・あえて違う色にする事で’’手組み感’’を強めたい。
という理由から’’Black’’を選択しました。
最後はスポーク!
SAPIM
LEADER 14G
小売希望価格¥41-
カラー:シルバー
サイズ:310mm
特記事項:1本販売、ニップル付き
今回は32本使用したので¥1,312-ですね。
スポークもアレコレ色々悩みましたが、
今回は’’普通のスポーク’’にしました。
至って普通。
それで良い、それが良いのです。
色は悩まず即答でシルバー!
何でかって?
ワタシはシルバースポークがカッコいい
と思ってるからです!
またニップルは付属の真鍮製にしました。
カラーニップルに多いアルミ製では
MTBだと少々強度が心配なので。
ゆくゆくはスポークもニップルも
もう少し鈍い色にしたいとは考えてますが
ひとまずはこの仕様で組みます。
まぁどうせスポークはいつか折れるだろうし
そん時に変えりゃよかろうなのです。#オフロードバイカームーブ
手組ホイールは’’ほぼ’’初挑戦
ワタシは学生時代に暇を持て余して
遊びでママチャリのホイールを組んだことはあります。
結局組んだだけで使いませんでしたが。
何してんだよって?今のワタシにもよく分かりません(笑)
簡単な振れ取りも府中時代に教わりました。
しかしその後、
ワタシはメカより販売の道⇨ウェア専任の道へ進んだため
ちゃんとしたホイール組は初挑戦。
めっちゃワクワクしてます。
ホイールの組み方の種類
【組み方】って色々あるみたいで、
【JIS組】【イタリアン】【ラジアル】【逆イタリアン】etc......
まじで色々ありますが、これ見てる方の大半は
・既に自分で組める人
・自分では組まない人
でしょうから詳細の解説は割愛ぃ!
気になる方は調べてみて下さい。
今回は【逆イタリアン】で組んでいきます。
そんじゃ組んでいきますか!
まず真っ先に取り掛かるのは
・ハブとリムの測定
・スポーク長の算出
・スポークのカット
手組はこうして【スポーク長】を割り出すことから始めます。
ハブとリムの測定
公式の寸法は公表されていますが、
工業製品には製品公差は付き物。
なので実際に測定して正確な値を調べます。
実寸しか勝たんなのです!
【ERD】【ハブスポーク穴PCD】【OLD】
その他アレコレ測定して、
横文字と数字でバーストしかけてる頭を叩きながら
【スポーク長】を計算してその値を調べます。
#猫ミームのベロベロしたヤギと「はぁ?」って言ってる猫状態でした。
最近はスポーク長計算ツールがあるのでそれにお任せ。
細かい数字は見ていても楽しくないので
やはりコチラも割愛ぃ!します。
スポークをカット!
スポーク長が割り出せたらその長さにカット!
【スポークカッター】という卓上専用工具で
子気味良くズバズバ切っていきます。
コレを32本分やっていきます。
This is THE単純作業。
嫌いじゃないですね。
野菜の微塵切りとよく似た
何とも言えない快感があります。
うん、嫌いじゃないですね。
カットが終わったらネジを切っていきます。
切断しただけじゃニップルはハマりませんから。
にしても1台の工具で全て完結するって凄いですね。
小野式製麺機みたいで面白いです。
カットとネジ切りが完了するとこんな感じ。
新品と何ら変わりませんね。
ちなみにメーカーにスポークを新規で発注する場合、
予め指定の長さにカットしてくれる所もあります。
その方が楽チンで良いんでしょうな。
今回は府中多摩川店の在庫スポークを使ったので
自分で【切断】、【ねじ切り】を行います。
ちゃんと入りました。
なんだか気持ちが良いです。
いよいよ’’ホイール組み’’!
今のところスポークの長さ調べて
それに合わせてカットしただけ。
ここからが本番です。
#ほぼ終わりかけ
まずはハブにスポークを通します。
ここでミスると組み方が変わっちゃうので慎重に。
キチンと【逆イタリアン】の通し方をします。
リムに組付け
ここでも失敗は出来ません。
またもや組み方が変わったり、
初めからやり直しになるリスクもあります。
確認しながら慎重に作業を進めます。
ようやく【ホイール】らしい姿になってきました。
ここでやりがちな
「リムの中にニップルを落とす」
という最高にめんどくさい事にならぬよう、
これまた慎重に、慎重に進めていきます。
全てのスポークをニップルで留めたら……
【仮組み】が完了!
「すげぇ、ホイールだぁ…」の顔。
ニップルをリムの中に落としたり、
スポークの長さが足りなかったり、
そうした失敗は今回ナシ!
「初めてのクセにスムーズに出来過ぎてムカつく」
「俺が初めて組んだ時はもっと苦戦したぞ」
と池田が苦言を漏らしてました。
池田が散々失敗して得たノウハウを
池田指導のもと享受させてもらったからこそ、
今回はあらかじめ失敗を回避出来ました。
ありがとう、アキラ。
とはいえまだホイールの形になっただけ。
まだまだ振れはバリバリに出てるし、
スポークテンションも低いです。
佳境!振れ取り!
ここからスポークテンションを上げつつ、
振れ取りをしていきます。
振れ取り台に乗っけて、
くるくる回しながら振れを見て
適切なニップルを締めていきます。
それを繰り返していくと
少しずつ、しかし確実に
振れが小さくなっていきます。
面白いです。
目が据わってきてますが、
内心かなり楽しんでいます(笑)
この作業、黙々と作業に没頭できて
瞑想みたいに心が落ち着きますね。
黙々と何かに没頭するって
新宿ウェア館の業務だと少ないので、
久しぶりに味わえた感覚でした。
振れを取り切って、
センターを確認して、
問題なければいよいよ……
遂に完成!
ヤバすぎる。
これは惚れ惚れするほどカッコイイ……
暗闇に煌々と光り輝く
シルバーのリムとスポーク!
存在感が、エグすぎる!
この金属光沢が堪らないんですよぉ……
やはりアルミ、ビッカビカのアルミこそ至高。
異論は認めます。聞く耳は持ち合わせていませんが。
マジで大好きです(告白)
一目惚れしたパーツを自分の物にして、
まして自分で組んだとなると……
感無量ですねぇ。
PROCESSに組付けるのが楽しみでなりません。
あと撮影中に気が付きましたが
これ夜間の視認性、相当高いのでは?
あまりにもカッコイイので今回
本気のライティングで全力で撮影しました。
閉店後のお店の証明を全部落として、
手持ちのフロントライトで
1600ルーメンをぶち当てました!
これはNGカット。
逆光だと何が何だかって感じです(笑)
総括
こんな感じで手組みホイールを組んでみました。
新宿ウェア館の業務では作業はほとんどなく、
自転車のパーツに触る機会も、
ましてやホイールを組む機会なんて皆無。
久しぶりに
「まだ出来ない作業に挑む」事が出来て
とても楽しかったです。
非常に勉強になりましたが
流石に一回で完璧に習得なんて出来るはずもなく、
未だに分からないことだらけだし、
まだまだ作業に時間もかかってしまいます。
業務として組むことは当面なさそうですが、
まだまだ組みたいホイールは何本もあるし
ここから場数を熟して自分の’’モノ’’にしていきたいですね。
手組ホイールの勧め
現在では完組ホイールが当たり前となり
馴染みが無くなった【手組ホイール】
ロードバイクなら特に
完組ホイールの方が選択肢が多く、
より優れた性能を持つホイールを選べます。
しかしMTBを含むオフロードバイクなら
リム、スポーク、ハブを別で選択できる方がメリットは大きく、
且つ選択肢も増えるので寧ろ【手組ホイール】の方が
ポピュラーだといえるでしょう。
新しいホイールをご検討中の皆様、
ゼヒこの機会に【手組ホイール】を
選択肢に加えてみて下さい♪
なお、当店新宿ウェア館では
ホイール組みを含む自転車本体の作業は承れません。
新宿地区なら新宿本館に、
他地域は作業を受け付けている店舗にご依頼ください。
追伸
Q.リアは組まないの?
A.いすれ組みなおします。
が、金銭的に前後別の機会じゃないと厳しいので、
今回は優先順位の高いフロントを組みました。
いつかはリアの27.5も
Black ONEで組みなおしたいですね。
その時はまたご報告します。
[ysid 0841073149483]