こんにちは、ワイズロード東大和店の大元です。
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パーツのご案内を中心に日々ご案内している私ですが、
初めてのケーブル交換を挑むお客様に度々聞かれる質問があります。
Q『ケーブルってニッパーでも切れますよね?』
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A『専用のケーブルカッターのご利用をオススメします』
とお答えしていますが、では実際に切ってみたらどうなのか。
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こういうのはやってみましょう!
まずはシフト用アウターケーブルに挑んでみます。
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グッ!と握ると被覆は潰れますが中から非常に硬い手ごたえ。
ここから思いっ切り力を入れてみてもビクともしません。
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シフト用のアウターケーブルは何本ものワイヤーが中の筒を
囲うようにずらっと並んでいますので、それが重なり合い
切断が出来ないほどの硬さになってしまいます。
一本一本地道にパチパチと切っていけば切断が出来ますが、
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ケーブル一つ一つの高さが変わり雑な断面になります。
ヤスリで整えようにも綺麗に仕上げるのは難しいでしょう。
断面の仕上げはケーブルの引きに大きく影響しますので、
この状態ではスムーズなシフトチェンジは望めないでしょう。
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次はブレーキ用アウターケーブルです。
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簡単に奥まで切れこめますが、やはり途中で止まってしまいます。
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ブレーキアウターは中が太めの金属でらせん状になっています。
その隙間から刃が入れば簡単に被覆は裂けますが、
金属部分の切断はニッパーではとても不可能な太さです。
ここからは手でねじり切っていくしかありません。
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断面は荒くねじったのでらせん部分がいびつになっています。
こちらもヤスリで整えるには大変な時間を要する事でしょう。
命を預けるブレーキの引きに影響するので妥協は出来ません。
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最後にインナーワイヤーも切ってみましょう。
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力いっぱいにグッと握ってみても軽く潰れるだけ。
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シフトアウター同様に一本一本処理すれば切れますが、
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大変残念な仕上がりになってしまいました。
束になったワイヤーがこれではばらけやすくなっており、
先端が作業中に手に刺さりやすくなってしまいます。
この状態でアウターに通そうとした場合、中のライナー菅を傷つけ、
引きに影響するだけでなくスムーズに通す事が難しいでしょう。
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結論
『仕上がりを無視すれば切れなくはない』
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でもやってみた感想こんな苦労はしたくないという所。
専用のワイヤーカッターなら一瞬で終わります。
綺麗な切断面はその後の仕上げる作業や、組みつけた後の
自転車自体の操作感に影響し全体の完成度を左右してしまうでしょう。
価格は1,600円から5,000円ほどと値段は様々ですが、どれをとっても
ニッパーを遥かに上回る作業性の高さは間違い無く保証致します。
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ニッパーは大変便利で殆どの方が持っている万能な道具ですが、
適材適所、用途で見れば残念ながらワイヤーカットには向きません。
『自分でケーブルを交換してみようかな』とまで自転車に愛着を持ち
やってみたいと思う作業派な人にはやはり専用の工具を使いましょう。
自転車をいじるのがきっと何倍も楽しくなるはずですよ。