パワーメーターを使っているとログに表示される様々なデータ。トルク効率や平均パワーなど、文面から直感的にわかるデータをはじめとして、NPやTSSなど、何か重要そうだけど何を意味しているのか、どう見るべきなのか、というものがわかりにくい印象が有ります。そこで今回は同じ場所での2つのトレーニングデータを用いて疲労度や頑張り具合をどう見るのかについてご紹介します!
知っておきたい知識:NP
言葉の意味と考え方のバックグラウンド
平均というフレーズは確かに分かりやすいですが、データの散らばり、例えば坂で平地より頑張って踏み込んだりや立ち上がりの加速といった情報がそぎ落とされてしまっています。そういった頑張りをそぎ落とすことなくデータに反映させたデータがNP,(Normalized Power:標準化パワー)となります。低いパワーの状態から高いパワーにするための落差、パワー上昇の為の頑張りを数値として反映させたものとなります。ざっくりとしたイメージですが、160Wで10分と120W4分,320W1分×2セットで比較すると平均はどちらも160Wですが、明らかに後者の方がきつそうですよね。このきつさを反映したものがNPとなります。
具体例:ある日の練習
メニューもコースも同じ、平均パワーは16Wの差がありますがNPには14Wの差と、多少ではありますが差が縮んでいます。
トレーニングデータ①
トレーニングデータ②
なぜ縮んだかを考えると、集団の人数が①と②で違ったことが挙げられます。①は7人で集団を回していた為先頭に出るときと後ろにいるときでキツさが相当違いましたが、②の練習では3人集団だった為、ほぼずっと前にいる状態を強いられたため、パワー変化があまりなかった、つまりNPが平均パワーに対してそこまで差がない、と考えることが出来ます。
+アルファの知識 NPの計算方法について:数秒のスプリントは反映されづらい
NPの計算方法はかなり複雑です。(読み飛ばして頂いても大丈夫です)
①30秒ごとの平均パワーを出す。
②各平均パワーを4畳して足し上げる。
③セクション数で割る。(例えば10分乗ったら10分÷30秒=20セクション)
④③の値の4乗根を取る。(4乗したら元の値になる数字。16の4乗根は2。)
かなり数学もりもりですが、このような面倒な計算によって頑張りを反映させているのだな、と考えていただければ十分です(笑)
しかし、重要なのは①の部分。30秒ごとの平均を取っているため、10秒程度のスプリントだとそのあとの20秒のレストの低いパワーに引っ張られてしまい、データがうまく反映されないため、注意が必要です。
次回予告 TSSについて
最初は一気にご紹介しようと思ったのですが文字数が大変なことになってきたので一度切り上げます(笑)次回はTSSについてご紹介します。疲労度を数値化して疲労管理をきちんとするための重要なファクターです。是非ご覧ください!
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