ワイズロードオンラインの石澤です。
弊社には数多くのスタッフが在籍していますが、普段お客様と接する店舗スタッフは、自転車が好きで好きでたまらないエンスージアストばかり。
でも、会社の運営を担う裏方には、自転車に興味がなかったスタッフもいたりするんです。
じゃあ、そんなスタッフが自転車の魅力に出会ったら・・・?
今回はそんなスタッフが、走りながら自転車を乗り方に合わせて進化させていった過程をご覧いただきましょう!
ライダープロファイル
高橋 統(たかはし おさむ)
自己紹介- ワイズロードの本部で、売上のデータを取りまとめて分析をしたり、
それに基づいて会社全体の売上目標を立てたりしています。
輪界に入ったきっかけ- 前の会社で斜め上の上司だった方がワイズロードに移られていまして、
声をかけて頂いて、ワイズロードに入社したのがきっかけです。
それまではマーケティングリサーチ業界にいましたので、全くの畑違いですが、
自転車に乗ること自体は好きだったので、転がり込んでみました。
ロードバイクを買おうと思ったきっかけ- 半分は仕事で、というと聞こえが悪いですが、
自分が仕事で扱っている、この10万円以上もする自転車がどれだけすごいのかを体感したかった、
というのが最初のきっかけです。
その当時は、まさか1時間かかる通勤を自転車でするとは思っていませんでした。
そんな高橋おさむが相棒に選んだのは、日本ブランドが贈る快適アルミモデル、
「KHODAABLOOM FARNA 105」
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でございます。
要所をしっかりと抑えた快適性重視の軽量アルミフレームに、末端まで手抜かりなくSHIMANO・105 R7000シリーズを装着したモデルです。
こちらの車体をベースにし、様々な追加装備を施したロングライド仕様で長距離に挑んできた高橋おさむ。
しかし、数々のライドをこなしてきた機材が、ついに悲鳴を上げ始めたのです……!
初期装備のホイールが限界を迎える
2023年の10月にしまなみ海道を走っていた高橋おさむ。
実はその時に、初期装備のホイール「WH-RS300」のスポークが折れてしまったのです。
その時は応急処置を施したのち、折れたスポークを池袋店で交換して事なきを得たのですが、さらに200kmのブルべを乗りこなした結果、また折れてしまったようです。
スポークはどうして折れるの?
ちなみに、「一度スポークが折れたホイールは、その後も何度もスポークが折れる」って現象はご存じですか?
これ、直し方が悪いとか、替えたスポークが粗悪とかが原因ではないんです。
だって、折れるのは別のスポークなんですから。
スポークが折れた時、どのような力がかかったうえで折れたかによって、対応方法は異なります。
「縁石などに特定のスポークをぶつけた」などのケースであれば、折れたスポークだけを交換すればだいたいはOKです。
ですが、ぶつけたりしなくても、スポークは「回転するたびに体重を支えるために伸び、加重から解放されて縮む」を繰り返しています。スポークすべてにじわじわとダメージが溜まっているわけですね。
走っている間に溜まった負荷で、一番先に限界を迎えたスポークが折れたときに、ライダーは「ホイールに問題が起こっている」と気づくわけです。
その場合、折れたスポークだけを交換しても「二番目に限界を迎えたスポーク」「三番目に限界を迎えたスポーク」が次々と折れることが多いのです。
走っている途中にポキポキとスポークが折れるのは嫌ですよね?
そんな時は、すべてのスポーク、もしくはホイール丸ごとの交換をお勧めしています。
ついにホイールを交換する
そんなわけで、修理するか買い替えるか悩んだ高橋おさむ、今回も池袋店へ。
背中を押されて、修理ではなく買い替える決断をしました。
車体に最初からついていたWH-RS300のラチェット音が静かで好きだったとのことで、同じメーカーで一つグレードを上げた「WH-RS500」をチョイスしました。
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1グレードというと微妙な変化に思えますが、例としてペア重量はRS300の1,827g(F:770g/R:1057g)に対し、RS500は1,649g(F:705g/R:944g)と、178gの軽量化となります。
ホイールの重量差は他の部位に比べてかなりの差となって現れます。
高橋おさむも、スピードが安定するまでの早さと楽さを実感。都市部の通勤が普段の用途で、信号でのストップ&ゴーが多いのですが、再加速が3割くらい楽になった気がするそうです。
時間を測っても片道50分から45分に短縮されたので、実際に速くもなっている模様。毎日10分が自由になると考えると、良いお買い物だったと満足しています。
「変えると効果を実感しやすいよ」とアドバイスをもらっていた高橋おさむですが、確かに乗るのがより楽に、故により楽しくなったと実感するホイール。
ホイールの選び方について、記事にまとめましたのでこちらもご参照ください。
怪アクセサリー??いいえ、安全のための重要アイテムです!
というわけでホイールを換えて軽快さを手に入れた高橋おさむのFARNAですが、そこに謎のパーツを取り付けようとする勢力が。
それはこの記事を執筆している石澤のはす向かいのデスクの同僚、通称「武器商人」です。
軽くなったFARNAのホイールに、武器商人が推しに推したうえで取り付けた部品はこちら。
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スポークに取り付ける「反射板」ならぬ…反射棒⁇
高橋おさむも「席が後ろの同僚に「交通安全のためですから」と薦められて購入しました。騙されてません…多分。」とつづっていますが、騙されてません…多分。
ただ、実際の装着例を目の当たりにすると、こちらの効果は馬鹿にできません。
光を浴びないと単なるグレーの棒ですが、ライトに照らされると……!
眩く光を照らし返し、自転車の存在を周囲にアピールします。
ブルべの中には夜間も走るイベントも存在しますし、なにより通勤の帰りは日が落ちてから。
前後はライトで照らせますが、側面へのアピールはこのリフレクターが極めて有効な効果を発揮しますね!
せっかくホイールを換えたのなら…チューブレスデビュー!
ホイールを交換したことで、足回りのチューンナップが効果的なことを実感した高橋おさむ。
次なるロングライドのイベント、「アルプスあづみのセンチュリーライド」に向けて店舗で点検を受けていると、「そろそろ前輪はタイヤ交換してもよいかもしれませんね」との天啓が下りてきました。
特に前輪はパンクを経験していないこともあり、2年にわたってFARNAの足元で回転し続けてきた老兵。
そんな折、「いいタイヤありますよ」と悪魔のささやきをかけてきたのは、スポークリフレクターをごり押ししてき薦めてくれた武器商人。お前か。
どうも彼の実験台になっているような感触が頭の片隅によぎりながらも、勧められるがままに装着したのは、ハイエンドクラスのチューブレスレディタイヤでございます。
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アップグレードしたホイール「WH-RS500」はチューブレスにも対応しているので、せっかくだからとタイヤもチューブレスレディに。
低圧で使う前提で設計され、転がり抵抗の原因になるチューブがいらないことから走りも軽くなる、現代のタイヤアップグレードの飛び道具です。
その中でも評価の高い、ピレリのタイヤを今回はチョイス。
このタイヤはシーラントの使用が前提のため、そちらも併せて購入。
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事前に注文していたタイヤに次いで、シーラントも揃ったところで交換作業がスタートします。
通常のクリンチャータイヤであれば自分でもタイヤ交換できるのですが、今回はチューブレスレディが初めてということで、作業は「武器商人」が助けてくれることになりました。なったのですが……
タイヤ、はまらない。
ホイールの寸法がタイトなのか、タイヤがキツめなのか、とにかく装着ができません。
ただきついだけならまだ何とかなるのですが、難易度をさらに上げているのはシーラントの取り扱い。
タイヤはチューブレスレディなのでシーラントの封入は必須なのですが、なんとWH-RS500の付属のバルブ、シーラント封入にはほぼ必須と言えるバルブコアの着脱ができないのです。
たぶん、レディではないチューブレスの使用を前提にしているモデルなのでしょう。
なので今回、
① タイヤを片側のビードだけ嵌める
② 嵌める前タイヤにシーラントを直接流し込む
③ シーラントがこぼれないように反対側のビードを上げる
という力技が必要。これ、③のステップで横からシーラントがあふれてきて、めちゃくちゃヌルヌル滑るんです。
武器商人が手をこまねき、あわや装着できないかと思ったとき、彼らのもとに救世主が。それは……
わたくしです。
店舗でテックに携わり、チューブレスと戦い続けて20年、この石澤を舐めていただいては困ります。
かくして装着不可能かと思われたピレリは、無事ホイールへと収まりました。
……が、最終的にはタイヤレバーを使用しないといけなかったのはちょっと矜持に引っかかるところも。
ちなみにチューブレスタイヤの装着時は、専用のタイヤレバーをお勧めします。
タイヤへの負荷が減り、空気漏れのトラブルを抑えられます。
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タイヤ、はまった。
何とか無事に装着できたタイヤ。
F1にも装着されたピレリのロゴが輝いています。スポークリフレクターも輝いています。
わたくしの指も装着作業で指紋がすり減らされて輝いているようにも見えましたが、きっと気のせいです。
これまでのパーツ交換の中でも、劇的な走りの変化を実感した高橋おさむ。
せっかくなので本人のインプレッションをここにも記しておきましょう。
交換してから3日時点の感想ですが、素人の私でもよさを感じられる違いがあります。技術の進歩ってすごい。
①乗り心地がよい: すごいです。昔、ホテルの送迎で初めて高級車に乗ったときの衝撃を思い出しました。外界から薄いヴェールで隔絶されているようなイメージ(個人の感想です)、というのは大げさですが、ハンドルから手に伝わる振動がマイルドになったので、長く走ったときに疲れを軽減してくれそうだな…と感じてます。
②スピードが落ちない: ホイールを変えた時に感じた感触に近いのですが、次の信号が赤なので足を止めた後も、なんかスムーズに進んでいく感じがあります。乗り心地の良さからくるプラシボかも、と思っていましたが、通勤記録を見ても、平均スピードが若干上がっている模様。流石のレース用。
画して、走りを根底レベルから押し上げる重要パーツを手にしてしまった高橋おさむ。軽く、快適な走りを実現するホイールとタイヤが、更なるロングライドの礎となる魔法の絨毯だったことに気づくのは、それからしばらくしてからのお話だったのです・・・
to be continued…