こんにちは。二子玉川店の旅好きスタッフ長山です。
今回は、2月下旬に行った秋田県輪行旅レポートその2をお届けします。
旅の初日、2/19(月)は、現地までの移動に充てました。
宿は、続・自走de秋田レポートその3で「今、泊まりたい!」
と心の叫びを放った宿にしました。
夕方、輪行袋を担いで、宿の最寄り駅「阿仁マタギ」駅に降り立ったら、
もう一人、降客が居り、同じ宿に泊まる旅人でした。
「自転車ですか!?この雪の中を?」
という、お馴染みの問いかけ。
そこまではいつも通りでしたが、続く二言目は
「ワイズロードに知り合いがいますよ」
!?!?!?
まだ、こちらが何も語らないうちから、
「ワイズロード」の単語が出て来て、びっくり。
しかも、雪深い秋田県のローカル駅前で。
(阿仁マタギ駅)
そこで、こちらがワイズロード勤務と伝えたら「おお!」となり、意気投合。
宿の晩飯時に、軽く一緒に飲みました。
こういう予想外の拾い物は、旅の大きな醍醐味の一つです。
尚「ワイズロードの知り合い」とは、
現・川崎店に勤務の古株スタッフ・堀さんでした!
かつて、新青森駅でも、行き合ったBROMPTONライダーとの会話から
同・川崎店勤務の大ベテラン「はじめさん」こと吉田さんの名が出て、
世間は狭いと感じると共に、ワイズロード古参スタッフの存在感を、
あらためて思うのでした。
2月20日(火)
出会った旅人と再会を約し、阿仁マタギ駅から荒瀬駅までは輪行。
(余談ですが、この記事に書いた「仙川に所用あり」は、この方との再会でした)
路線は、秋田内陸縦貫鉄道。
素朴な沿線風景と、魅力を発信する様々な取組みが素敵な路線です。
阿仁マタギ~荒瀬間は、下り基調の約20kmの道のり。
普通ならラクラク自走、ですが、雪道は体幹でのバランス取りが求められる上に
路面抵抗が上がり、下りでも登り並みに疲れたりするので、今回は輪行しました。
荒瀬駅に下車し、阿仁合へ向かって去りゆく内陸線を見送ります。
旅の始まりに相応しい、ちいさな駅。
今回の相棒は、TOEI 700Cツーリング車。
泥除けを外したクリアランスを活かし、スパイクタイヤを装着。
SCHWALBE MARATHON WINTER 700 × 35C
泥はけの良いカンチブレーキ装備で、雪詰まりしにくいので、行き詰まりません。
シフトレバーはWレバー、シンプル構造で安心感高し。
試したことありませんが、精密構造のSTIで極寒や雪まみれでは、
何かトラブル起きそうな気がしてしまいます。
ペダルは、フラットペダル。
日本製MKSの PRIME SYLVAN TOURING。
とっさの時にサッと足を着きたいので、ビンディングにはしていません。
それによりシューズの選択肢も広がります。
GORE-TEXのややごつい防水ハイキングシューズで、防寒防雪に対応。
こんな感じのビンディングシューズもありますが、やはり歩きやすさでは
こちらが上。旅をトータルで考えての、この選択です。
ライトは、各所に複数配置。
視界が悪くなる降雪時ライドでは、目立ってなんぼです。
ところが今回、荒瀬駅に降りたら、妙に青空が広がりました。
雪が輝いて眩しく、セーフティライトが、よくわからないくらい明るく視界良好。
雪国で、この時期、こんな青空は珍しい。
空が、青過ぎる。これは、凄い。
予想外の展開に、ただただ驚くばかり。
奇遇にも、2008年、初めての冬の秋田ライドで
この道を走った時も、こんな感じでした。
(2008年2月15日)
初めてだったので、青空を、そこまで気に留めなかったのですが、
その後、レポートその1で書いた商店のおかみさんに再会した時
「こんな天気は、ひと冬に何回も無いよ」と言われ、
そうなんだ、と知りました。
あの時とおんなじ青空。
今回の来訪、歓迎してくれたのかな。
2008年、突如、自転車で現れた私を、おかみさんが
「なに、このアイスバーンの中を、自転車でぇ!?」
と、妖怪を見るような表情で迎えてくれたのを思い出しながら、
しみじみ、漕いで行きます。
雪壁が眩しい。
もし小人になってケーキの中を歩いたら、こんな景色でしょうか。
この白い壁の中に、ガードレールがかくれんぼ。
しかし凄いなあ、この晴れ渡る青空。
降りしきる雪の中を黙々と漕ぐつもりでいたので、
ウェアは厚着+上下レインウェア。
日当たり良く穏やかで、漕ぐと、暑いくらい。
実は、この山には、私の先祖も眠っているはずです。
記録をたどると、高祖父と曾祖父の足跡が、かつて
この道の途中にあった鉱山集落「天狗平」に見えてきます。
阿仁鉱山の一角として栄えた当地。
秋田県北・大館の下級武士だった高祖父の一家は、明治維新後の失業により、
稼ぎを求めて当地にやってきたのでは、と、記録から推察されます。
その先祖も、レポートその1で書いたように「故人は山へ行く」と捉えるならば、
今回の久々の来訪を、その辺で喜んでくれているのかも知れません。
かつてこの記事で書いた、感動の再会、も、まさにこの場所でした。
縁の場所というのは、どうも不思議な何かがあるような気がします。
(2009年1月15日)
当時の生活は、特に豪雪に降り込められる冬季は、どれだけ厳しかったか、
想像しながら漕いで行きます。
春の喜びの大きさは、今の比ではなかったろうなあ。
雪ライドは、良い意味で、常識という概念を破壊するのに役立つように思います。
おそらく、「雪ライドやる」と言ったら、非常識とみなされることでしょう。
でも、 常識という概念は、実に曖昧なもの。
例えば、福島県喜多方市の葬儀で、赤飯が出て驚いたことがありました。
祝いの席に出るはずの赤飯が、葬儀に?と思いましたが、
そこには、ちゃんと心が籠っていました。
少数ながら全国各地にある風習のようです。
除雪車も暖房も無い時代の山中での生活、今の価値観から見れば
非常識とみなされることでしょう。
でも、当時の当地では、生きていくために
当たり前な生活風景だったのではないでしょうか。
常識というのは、時代によっても変わる曖昧なもの。
どうやら常識よりも「真理」に目を向けた方が、間違いが無さそうです。
などと、思索しながら前進します。
こういう妙な発想が湧いて来る辺りが、サイクリング、
特に、漕ぎに専心して無心になりやすいヒルクライムが
坐禅に例えられる所以でしょうか。
秋田杉の中を進みます。
県のマスコットキャラクターが「スギッチ」になる位、
秋田は杉の一大産地。
数少ない天然杉が残る地であるだけでなく、
杉の人工林の面積が全国一で、県土の約1/3を占めるそうです。
(2014年1月29日 矢立峠にて)
ただ、スギッチは、2017年、引退しました。
これも、地味に寂しい。
まさか県マスコットキャラクターに引退があるとは。
後任の「んだッチ」に期待します。
余談ですが、杉は、日本の固有種だそうです。
この辺から先は、とりたてて文章にするようなことも無く、
写真を撮りながら、黙々と、登ります。
景色と同じく、真っ白。
そこで、ここからは写真に語ってもらうことにします。
無事、阿仁スキー場に到着しました。
その3へつづく
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