サドル沼なんて不名誉な言葉があるくらい、自分に合ったサドルを探すのには苦労します。
今回ご紹介する3Dプリント技術によって作られる、オーダーサドル「One-to-One」はその救世主となるため生まれてきました。
ワイズロード川崎店は、この、フィジーク社が持つ3Dプリントサドル技術を応用した全世界24店舗限定、日本では2店舗のみの施工認定店舗に選ばれました。
7月の開始予定に向けて、「One-to-One」がどのような物なのかを紹介しようと思います。
フィジーク3Dプリントオーダーサドルプログラム「One-to-One」
今まであるようでなかった、オーダーメイドサドル。
どのようなサービスなのか、ワールドローンチがありましたのでご紹介させていただきます。
イタリアフィジーク本社にて開催された、ディーラーミーティングに私が参加してきた模様がこちらにも紹介されました。
サドル選びは苦労する
サドル選びはあらゆるライダーが経験する自転車の大きな不満点の一つです。痛い、こすれる、圧迫されるなどの不満を抱えている方は多いと思います。
また、種類も無限にあり、何を選んだらいいかわからないということもありました。
一方、クラシックな革サドルは一度なじませてしまえばまさにオーダーサドルと言われてきましたが、育てるまでは硬く時間がかかりますし、一般的なレーシングサドルにはそのようなパーソナルなものがほぼありませんでした。
3Dプリントサドルは救世主か?
近年、3Dプリントにて作られるサドルが多くなってきました。全てが一定の固さになってしまうフォームクッションサドルではできない適材適所な硬さと柔らかさが作れる3Dプリントサドルは、そんなサドルの救世主になると思われていました。
しかし、あらゆる人に合うよう最大公約数で作られている3Dプリントサドルは、結局は合う人には合うけれど、合わない人は合わないとなります。
また、低価格なものも発売され始めていますが、クッション形状が3Dプリントで作られているだけで、全部同じ固さだったり、クッションが柔らかすぎて底付きしてしまうものも中にはあります。もちろん安いのがダメというわけではありませんが、せっかく期待して3Dプリントサドルにしたのにがっかりした、ということになってしまう場合があります。
そこで、サドルメーカーの老舗であり、3Dプリントサドルのパイオニア的なフィジーク社が、今まで培ってきたサドル設計のノウハウと、3Dプリント技術を合わせて開発したサービスがこの「One-to-One」サドルオーダーです。
「One-to-One」とは
完璧なオーダーメイドのサドルを作るには、まず関連データを収集する必要があります。つまり、ライダー個人の圧力状況を確認する必要があります。
このサービスは、全世界24店舗の認定されたOne-to-Oneディーラーにて計測ができます。
圧力センサーはすでに圧力センサーを使った計測サービスを提供している、ドイツのgebioMized社の専門家とフィジーク社が共同で開発した、独自の圧力マッピング技術を使用して動的計測を実施し、圧力のピーク、ホットスポット、アンバランス、不安定性を強調しながら、理想的なサドルの形状を特定します。
例えば、イタリアでのディーラーミーティングでのプレゼンテーション時に実際に計測した内容です。
上の画像が実際に使用したサドル。下の画像が計測結果です。
上の画像の左側がもともと使用していたサドルでの圧力マッピングセンサーの結果。
右側がカスタムサドルで同じように圧力マッピングを計測した結果です。
この結果では、一番圧力の高い部分で25.1%もの圧力の改善が見られます。
左右バランスも3.5%改善されて安定してペダリングができるようになっています。圧力改善に目がいきがちですが、左右バランスが整うことで正しい安定したペダリングにも効果が出ることになります。
完全オーダーメイドの3Dプリントサドルを制作
お客様の個人的な圧力情報と、フィジーク社の膨大なサドル製作ノウハウと 3D プリント技術の源泉、Carbon Digital Light Synthesis™ プロセスを使用して作られます。
お客様のライディング ニーズに合わせて微調整された、機能的な快適ゾーンを備えた独自のサドル パッドを作成します。
サポートが必要な部分は硬く、圧力緩和が最優先される部分は柔らかくします。
つまり、お客様専用のサドルを1点ずつオーダーメイドにてイタリアにて作成されるということです。
どのようなライダーが対象か
バイクのポジションが決まっていて、なおかつサドルに不満がある方が対象です。
理由としてはバイクポジションを変えてしまうとサドルにかかる圧力が変ってしまいます。逆に、ポジションが決まっているのであればライディングレベルに関係なくベストなサドルをお作りいただけます。
フィッティングが決まっていない方は先にフィッティングを受けてかつ、そのポジションになじんでからお申込することをお勧めいたします。
弊社では、バイオレーサースタンダードフィッティングサービス※をお勧めいたします。
ワイズロード 川崎店では今後、バイオレーサースタンダードフィッティングサービス※を開始する予定です。
※川崎店で実施するバイオレーサースタンダードは、ワイズロード にて完成車、フレームお買い上げのお客様、「ONE-TO-ONE」サービス希望のお客様限定のサービスとなる予定です。川崎店では他社様ご購入でフィッティングのみのお受付はできませんのでご了承ください。
One-to-One施工内容
受付方法
お電話にてお申し込みください。
持ち物
ご自身のバイク
普段使用しているウエア、シューズ
施術時間
30分前後
施術内容
1、ライディングスタイルを選択。アンケートに回答。
↓
2、今使っている車体、サドルで圧力分布をローラー台上でペダリングしながら計測
↓
3、計測データを元にフィジークのベースとなるサドルがおすすめされる
↓
4、2で提示されたサドルに交換して再度圧力分布を計測
↓
5、3Dプリントのカスタムデータが完成
↓
6、サドルのグレード(R1もしくはR3)を選択してオーダー完了
↓
7、施工後全額お支払い
↓
8、入荷したらフィッティングデータをもとにサドルを取り付け
種類
製作可能なサドル一覧です。
ロード、グラベル、MTB、TTから用途選択できます。
ONE-TO-ONEのベースとなるのはフィジークのラインナップにあるヴェント、アルゴ、アンタレス、アリアンテ、アエリスになります。
納期
4週間前後
※お渡し時には、計測時のサドル取り付け情報を元に、店頭にて同じ形で取り付けいたします。
※遠方の方で再来店ができない方は、日本国内に限り、イタリアから直送も可能です。
左がOne-to-Oneサドル。右がノーマルサドル。
指で触ってみると、明らかに場所によって柔らかさが違っています。
One-to-Oneサドル価格
R1 カーボンレール /10万7000円
[ysid 22309457]
R3 KIUMレール/9万8600円
[ysid 22309464]
*上記の販売価格には、圧力マッピングデータの計測と、計測に必要な調整費用が含まれています。
最後に
諸事情によりワイズロード 川崎店でのサービス開始は7月予定ですが、他にはないスペシャルなサービスとなります。
お値段ですが、サドルとしてはかなりの金額です。これを高いと感じるか、この1個で解決できるならと安いと感じるかで値段の感じ方は変わると思いますが、極力内外価格差をなくして設定させていただきました。
先にも書きましたが、ポジションが確定していない場合はポジションが変わるとせっかくのオーダーサドルが無駄になってしまいますので、その場合は通常のアダプティブシリーズでもかなりの改善効果はあると思います。
ですので、One-to-Oneサービス開始に向けて、フィジークの通常サドルや、3Dプリントで作られた「アダプティブ」シリーズの試乗サドルの充実や、バイオレーサースタンダードフィッティングサービスなどの拡充を行い、パワーアップさせる予定です。
設置場所はワイズロード 川崎店2Fの用品コーナーに特設会場を設置します。
将来的にはOne-to-Oneサービスを応用したフィジークの通常サドルのフィッティングサービスもやってみたいと考えていますので、ぜひご期待ください。