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エアロと軽さと剛性【コラム】

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川崎店】 22年02月04日

色々なメーカで言われている
エアロ(空気抵抗)
軽量化
剛性
新たなバイクが出るたびに進化を遂げるこの3点。
一体どうしてこの3点が重要なのか、考えた事はありますか??

少し理屈っぽい話ですが
よりメーカーの努力の意味がわかるようになります!!

1. キーワード:物理

 nigaoe_carolus_fridericus_gauss

自転車の速度を決定づける要素は
1. かける力
2. 抵抗
3. 重さ
大きく分けてこの3つになります。

[caption id="attachment_111106" align="alignnone" width="544"]goalsprint 全力で踏む選手たち。[/caption]

1. かける力は我々の脚力。
競輪のムキムキ選手が爆発的なスピードを出しているのは
かける力が圧倒的だからです。

ロードレースでもゴールスプリントで何千ワットと出ているのは有名ですね。
これに関してはメーカー云々は関係ないので、鍛えましょう!!(笑)

2.抵抗 

tenki_boufuu

さて、こうしてせっかく脚力をバキバキにしても
2つの要素が邪魔をしています。
ひとつは抵抗力
地面との摩擦も勿論ですが、40km/hを超えるとほぼ空気抵抗
抵抗になってしまいます。

次の要素が実は速度。
例えば、10km/hから20km/hへ上げる事は簡単にできますが
40km/hから50km/hにあげるのは大変ではないでしょうか?

そしてこの二つの要素を文字通りかけることで
「加速する、減速する、そのまま」になるかが決定します。

難しい表現をすれば
(正味のかける力)-(抵抗)×(速度)が
プラスなら加速
0ならそのまま
マイナスなら減速します。

この(抵抗)をいかに減らすかが重要になります。
そのために
エアロハンドル

TALON_ULTRA_LIGHT_2021_01

(PINARELLO の最高バイクDOGMAの
専用ハンドルTALONは高いエアロ効果を誇ります。)

スポークを扁平にしてエアロにする
ダウンロード (1)

(MAVICのCOSMIC SLRのスポークは
空気抵抗を減らす為、触ってみると平らです。)



などしてとにかく空気抵抗によるロスを徹底的に減らします。

そして、先ほど「かける力」ではなく
正味のかける力」と表現したのには理由があります。

自転車を進めるためにはペダルを踏みますが
その力がすべて伝わる訳ではありません。
例えばクランクを回すとホイールなどから良い音が聞こえると思いますが
あれ、全部ロスです。
変な話ですが、全く音のしないバイクが一番速いです。

そうしてせっかくかけた力をロスしないように重要なのが剛性
硬い方がかけた力がロスしにくいのです。
ですので、その点だけ見るとアルミの方が剛性は高いです。

IMG_2223
SHIMANOの最高グレード、DURA-ACEのクランクは非常に高い剛性を持ちます。

ではアルミが使われないのはなぜか?
そう、重いからですね。

最後はなぜ重さが重要なのかを考えます。

3. 重いと加速も悪い!

wood_hammer_100t

重いと登りがしんどいのは間違いないのですね。
逸れに加えて実は加速に影響を与えているのです。

小難しい話になる前にイメージしやすい例を。
普通車両が80km/hだすより
大型バスの方が80km/h出すのに
沢山エネルギーが必要そうではないでしょうか?

先ほどの加速力の式には続きがあります。
せっかくのエネルギーも「重さで割られてしまう」ので
重ければ加速力は0にはならないものの一気に弱くなってしまいます

この力をロスしないように軽量化が図られます。
素材を変える事で剛性を保ちつつより軽く

形状を変える事でより軽く。

たった1g絞り出すだけでもメーカーは凄まじい研究が必要となります。

重さ、剛性、エアロは全てを両立できるわけではありません
例えばTTバイク。
エアロ、剛性に振り切って重さは通常のバイクと比べて重いです。

ダウンロード (2)

 この3つの全てを兼ね備えるのがメーカーの究極の目標となっています。

さて、ずいぶんと長々と話してしまいました。
モデルチェンジなどで進化した!!というメーカーの触れ込み。

確かに「ほんとかな?」と思うことも少なくありません。
しかしその裏には何度も実験を繰り返し、研究の結晶とも言えるバイク
今の自転車業界を盛り立てています。

UCI規定も変わりますし、これからが楽しみですね!!

 

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